博士号とは?博士号の取得方法や種類、就職に有利なのかを徹底解説!

博士号は大学の博士課程に進み、博士論文が認められると得られる称号です。誰でも簡単に取れる称号ではなく、博士号取得には大変な時間とたゆまぬ努力が不可欠で難易度は非常に高いです。そんな博士号は日本ではどのようなメリットがあるのでしょう。就職面や海外における博士号の価値と合わせて解説します。

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博士号とは

博士号は具体的にどのようなものなのか知らない人もたくさんいます。

まずは博士号そのものについて解説します。

目次

博士号の読み方・意味

「博士号」の読み方は、「はくしごう」です。中には「はかせごう」と読む人もいますが、正しい読み方は「はくしごう」です。これは、「博士」の読み方によって意味が異なるからです。

「博士」を「はかせ」と読む場合は、ある一部の分野について深い知識を持っている人のことを指します。一方、「はくし」と読む場合は、試験や審査などに合格して学位を与えられた人のことを指します。

博士号は研究者のパスポートと呼ばれており、自分で研究したものを論文としてまとめて大学や研究機関に提出します。そこで多くの審査員のチェックを経て認められれば、博士号の称号が与えられます。そのため、「はくしごう」が正しい読み方なのです。

日本で博士号を取得する方法

日本で博士号を取得する方法は、大きく分けて課程博士と論文博士の2つあります。それぞれについてさらに詳しく掘り下げて解説します。

過程博士

課程博士とは、大学院の博士課程に進んで博士論文が合格すると与えられる称号です。大学院の博士課程は3年間あります。この間に博士論文が合格しないと、課程博士の称号は与えられません。

しかし、実際に3年で博士論文が合格することはほとんどありません。多くの人たちはそれ以上の年数を要しています。課程博士を目指している人は、博士論文が合格するまで留年を繰り返し、6年間の在籍期間いっぱいを使って課程博士の称号を獲得します。

論文博士

論文博士は、自分の研究成果を論文にして研究機関に提出し、博士号を請求することで与えられる称号です。ただ、いきなり論文を研究機関に提出しても、博士号を請求できるわけではありません。

博士論文を研究機関に提出するには、その前に予備審査というものがあり、それに通過しなければいけません。この予備審査はもちろん、博士論文の審査においても、課程博士よりも基準や制度は大変厳しくなっています。

日本における博士号の種類

一言で「博士号」と言っても、その種類はかなりたくさんあります。ですが、ざっくり「博士号」と言われることが多いので、細かな種類について知っている人はあまり多くないでしょう。

日本における博士号の種類について解説します。

日本で博士が設置された当初は5種類しかなかった

  • 法学博士
  • 医学博士
  • 工学博士
  • 文学博士
  • 理学博士

日本では1887年に学位令が公布され、この時に博士号も制定されました。その時に制定された博士号は上記の5種類のみでした。当時は論文以外に推薦によって博士号が与えられることもありました。

現在は100種類以上の博士号がある

現在、日本の博士号は、理工系/人文社会学系/医歯薬学・保健体育・農学系/教育・家政・芸術・学術系の4つに分類され、それぞれに細かく博士号が制定されています。博士号だけで見ると、その種類は100種類以上に及びます。

博士号の英語表現

博士号は「PhD」という英語で表現されます。これは「Doctor of Philosophy」の略語で、日本語では、「博士」以外に「哲学博士」という意味もあります。例えば「私は昨年の春に博士号を取った」を英文表現は、「I got a PhD in last spring.」です。

「PhD」を「a doctor’s degree」と表現することもあります。ですが、多くの場合は「PhD」という略語で表現されます。

博士号を取得するメリット・デメリット

博士号を取得することにはメリットもあります。そのメリットを得たくて博士号を取得する人もいるくらいです。ですが、メリットがあれば当然デメリットもあります。メリットを重視するかデメリットを重視するかはその人次第です。それぞれについて解説します。

博士号を取得するメリット

博士号を取得すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。まずは博士号のメリットについて深堀して解説します。

①「博士号」という肩書のブランド力

「博士号」と聞くと、「すごい」と思う人が多いでしょう。博士号は簡単に取れるものではありません。本人のたゆまない努力と途方もない時間をかけてようやく得られる称号です。そのことは多くの人たちが何となく認識しています。

このような理由から、博士号を取っておくとその肩書にブランド力が生まれ、周囲の人たちから「すごい人」と思ってもらえます。初対面の人からも尊敬の目で見てもらえるでしょう。

②達成感や満足感が得られる

博士号を取得するのは簡単なことではありません。根気強さとたゆまない努力が必要です。言い換えるなら、博士号はそんな根気強さとたゆまない努力、そしてたくさんかけた時間に対する成果と言えます。

今までの自分の頑張りが「博士号」という称号によって認められたのです。これ以上の達成感や満足感はないでしょう。やり遂げたという感動を味わうことができるのは大きなメリットと言えます。

③海外を視野に入れた時に得をする

博士号は、実は海外では大変重視されています。特に海外の研究者と呼ばれている人たちは、ほぼ確実に博士号を持っています。日本以上に海外の研究者の世界では、博士号が重視されているのです。

今後の進路について海外も視野に入れているのなら、博士号は大きな武器になります。博士号を持っているというだけで、海外の研究者たちから認められるからです。

デメリット

メリットがあれば、当然デメリットもあります。それは博士号についても同じです。次は博士号のデメリットに焦点を当てて解説します。

①就職活動が大幅に遅れる

博士号を取得する大きなデメリットとしてまず最初に挙げられるのが、就職活動が遅れるという点です。博士号の取得には最速でも4~5年はかかると言われています。

また、博士号を取得するには博士課程に進まなければいけません。博士課程は大学での教育課程修了後、進むことができます。大学での一般教育課程を終えてから、更に4~5年間は大学で博士号を取得するための研究に励むのです。

会社や企業での4~5年の差は大変大きく、すでに役職付きになっている人もいるでしょう。雇用する側としても、若い人を迎え入れたいと思うところが多いのが実情です。そのため、就職活動では圧倒的に不利になります。

②考え方や世界観が狭くなる

博士号を取得するには、研究に没頭する必要があります。その間、アルバイトなどを経験する人も稀にいますが、社会人経験と呼べるような経験はしていません。すると、必然的に考え方や世界観は狭くなります。

また、同じ志を目指している人との交流ばかりになるため、交友関係の世界も大変狭くなります。ただ、その人たちはやがてライバルになることもあります。すると、気が付けば孤立しているということも起こる可能性が高いと言えるでしょう。

③進路や将来性の範囲が限られてくる

博士号を取得するためには、たくさんの努力や困難がつきものです。たゆまない努力でたくさんの困難を乗り越えてようやく得た博士号を、将来に使いたいと思うのは当然です。

ですが、実際にはこれからの将来で博士号を活用するという場面はあまりありません。日本の社会では博士号を獲得した人たちのための受け皿が少ないからです。すると、必然的に進路や将来性の範囲は限られてしまうというデメリットがあります。

博士号の取得は就職に有利ではない

博士号は衆力に有利、と思っていませんか?それは大きな勘違いです。日本での博士号は決して就職に有利ではないのです。

博士号取得後の進路状況や日本の博士号取得者のための現状について、それぞれ解説します。

根拠①|博士課程修了者の進路状況

博士課程修了者の進路状況は、それ以外の大卒や院卒の人たちに比べて少ないと言えます。大卒の人だけで見た場合、就職状況は78%で正規雇用だけでも75.3%です。また、院卒の就職状況は78.6%で正規雇用のみでは75.9%と高い数字です。

一方の博士課程修了者の就職状況は69%しかありません。更に正規雇用のみで見てみると54.8%です。大卒や院卒に比べると圧倒的に就職率が低いことがわかります。博士号を取得していても、就職に有利ではないことは明確です。

根拠②|博士の数に対する大学や研究機関のポスト不足

博士号については、「ポスドク問題」が注目されています。「ポスドク」とは、一般的には博士課程修了後も研究機関や大学に残り、研究者として研究に携わる人のこととされています。

ですが実際は博士号取得後、正規のポストに就くことができず、大学や研究機関などで非正規という不安定な立場で研究をつづける人のことです。非正規ですから、いつ解雇されてもおかしくなく、給料も大変少ないか出ないということもあります。

現在、博士号取得者に対して大学や研究機関でのポストは不足しています。そのため、せっかく博士号を取得しても正規研究者としての仕事が見つからず、不安定な生活を余儀なくされている人が大変多いのです。

根拠③|民間企業に博士課程修了者の受け皿が十分にない

博士号が就職で有利にならない理由として、民間企業での受け皿が充分ではないということもあります。なぜ、民間企業での博士課程修了者の受け皿が多くのかというと、それは人件費が高くなるからです。

一般的に、大学の新卒者でもその年齢や学歴を考慮して初任給は高く設定されています。博士課程修了者は大卒よりもさらに4~5年も年齢が上です。また、博士号という称号も取得しているため、必然的に人件費はさらに高くなります。

人件費は大卒よりも高くなりますが、企業にとっては新卒と同じです。一から仕事を覚えてもらわなければいけません。同じ新卒を雇用するのなら、大卒や院卒を雇用した方が人件費は安くなります。そのため、受け皿が充分ではないのです。

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海外における博士号取得者の待遇

日本での博士号は、就職などにも有利ではありませんし、社会的にも高い評価が得られているという印象はありません。ですが、海外では博士号は大変重要視されています。日本とは雲泥の差です。

海外での博士号取得者はどのような待遇を受けているのでしょうか。海外企業での博士号取得者の受け皿や年収に焦点を当てて解説します。

日本より海外の方が博士号取得者の待遇は良いという意見が多い

博士号を取得して中国で研究をしていますが、博士号を持っていると給与面での待遇が良いです。博士号を持っていると、世界中どこでも働けるので、日本企業にこだわらず海外に出ていくという選択も視野に入れると良いと思います。 https://t.co/VcIaHw0AhX

— ✨dao dai shun shi✨ (@SMBKRHYT) February 25, 2020

最近会った日本の数学科の学生が代数幾何のハーツホーン読んでてビックリしたんですが(アメリカでは院で読むので)。大学でみっちり勉強して院でアメリカに行くのは結構強いと思う、アカデミアに残らずともアメリカだったら博士号後も問題なく就職できる、むしろウェルカムで待遇も良い。

— Yosuke Watanabe (@YohsukeW) February 26, 2020

上記2つのツイートでは、海外では博士号取得者というだけで博士号を取得していない人よりも好待遇を得られるとつぶやいています。むしろウエルカムだという意見もあるくらいです。海外では博士号は大変重要視されているのです。

海外の方が企業の研究者や役員に博士号取得者が多い

海外の企業では、研究者や役員には博士号取得者が多いという傾向があります。特に欧米では、博士号取得者しか相手にしない企業もあるくらいです。博士号を取得していないというだけで不採用になることもあります。

海外での博士号はプロフェッショナルという位置づけです。専門的な知識を豊富に持っている人はそれだけで価値があるという考え方なのです。そのような人には高いポジションや好待遇をするのが当たり前というのが一般的なので、博士号取得者が多いのです。

海外の方が博士号取得者の年収が高い

海外では、博士号所得者の年収は高くなっています。博士号は誰でも取れるものではなく、その価値は大変高いと認識されているからです。今までのその人の努力とこれからの功績に期待して、年収が高いということです。

まとめ

博士号について解説してきました。日本での博士号の価値観や認識は、まだまだ低いと言えます。ですが、日本もグローバル化が進んでいます。海外では博士号の価値は大変高いとされているため、いずれこの考え方が日本にも広がっていくでしょう。

博士号を取得することは決して楽ではありません。海外ではその苦労をよく理解しています。もし、博士号の価値や成果を早く感じたい場合は、海外進出も視野に入れてみてください。

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