平社員はメリットしかない?どこまでが平社員なのか、責任範囲も解説します

新卒で入社した後、昇進するまでは平社員となりますが、いつまで、どこまでが平社員なのでしょうか。また平社員はこき使われるイメージもありますが、平社員でいると良くないのでしょうか。本記事ではまず平社員の定義を説明します。続いて、平社員でいるメリット・デメリットと脱却する方法をご紹介します。

監修者

キャリアアドバイザー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

平社員とは

多くの方にとって、平社員とは何か定義が曖昧だと考えられます。

  • 管理職の職位につかない社員
  • 労働組合に加入して保護される社員
  • 部下を持たず指示・指導される社員

平社員は、以上3つに該当する社員のことです。具体的にどこまでが平社員なのかと言うと

  • 出世して課長など責任ある職位につく
  • 労働組合からの保護を受けない立場になる

労働契約書などでは、明確に平社員の範囲規定がなされているわけではありませんが、一般的にこれらが平社員でなくなる条件と言えます。

したがって主任や係長など責任ある立場では平社員ではなくなります。

平社員でいることのメリット・デメリット【若手】

ここまで、平社員の概要をお伝えしてきましたが、平社員の長所と短所が気になった方も多いと考えられます。

そこで本見出しでは、平社員でいることのメリット・デメリットをそれぞれご紹介します。

目次

平社員でいることのメリット

平社員でいることのメリットは、大きく分けて3つ挙げられます。

仕事ばかりの人生ではなく、プライベートとの両立を目指す方はご参照下さい。

メリット①|自由な雇用形態を選べる

1つ目のメリットは、自由な雇用形態を選べることです。企業では、社員の状況に応じて雇用形態が分かれています。

  • 出退勤時間が選べるフレックス勤務
  • 1週間につき4日以下の非正規勤務

例えば、出産や子育てだけでなく、仕事以外に時間を取って頑張りたい人には平社員のメリットが大きいと考えられます。

メリット②|労働時間で給与が上がる

2つ目のメリットは、労働時間で給与が上がることです。平社員は、労働基準法で残業時間の上限はありますが、給与に残業時間が比例します。

例えば、毎月30時間の残業をして3万円を継続的に稼ぐことも可能であり、安定した収入が期待できます。

一方管理職になると残業代が支給されなくなることもめずらしくありません。

メリット③|プライベートも大切にできる

3つ目のメリットは、プライベートも大切にできることです。平社員は、職位についていないため業務責任も限られています。

平日の定時後や土日など、管理職が働かざるを得ない状況でも退勤できるので自由な行動が可能です。

つまり、平社員は仕事とプライベートを両立させられるので、プライベートを大切にしたい人に向いているとも言えます。

平社員でいることのデメリット

平社員でいることのデメリットは、以下の3つが挙げられます。

強い出世願望をお持ちの方や、雇われの身が嫌だと感じる方は平社員のデメリットも理解しておきましょう。

デメリット①|雇用される立場にいる

1つ目のデメリットは、雇用される立場にいることです。雇用とは、契約による労働関係であり、雇い主がより強い決定権を有しています。

  • 経営状況を加味しての整理解雇
  • 労働者の不適格性を理由とした解雇

このように、雇われる労働者である以上は、雇い主の都合で仕事を失うリスクを甘受せざるを得ないのです。

デメリット②|給与の上限がある

2つ目のデメリットは、給与の上限があることです。前述のメリットでは、労働時間による給与の増加をお伝えしました。

  • 平社員と管理職では基本給が大きく異なる
  • 労働法で残業時間には上限がある

しかし、あくまでもこのような実質的な制限があるので、平社員で稼げる給与には限界があるとも言えます。

デメリット③|モチベーションを感じにくい

3つ目のデメリットは、仕事にモチベーションを感じにくいことです。平社員は、上司である管理職者の業務補助としての位置付けとなります。

  • データ整理などの雑用業務
  • 議事録の作成や報告書の提出業務

平社員はこのような業務に多くの時間を割いていますが、基礎能力の向上に繋がる一方でやりがいは感じにくいというのが実情です。

【参考】40代で平社員でいるメリット・デメリット

ここまで、平社員のメリット・デメリットをそれぞれご紹介しましたが、若手でなくなった時を想像した方もいらっしゃると思います。

そこで本見出しでは、ご参考までに40代で平社員でいるメリット・デメリットをお伝えします。

40代で平社員でいるメリット

以下は、40代で平社員でいるメリットです。若手のケースとは、異なる点にご注目ください。

  • 家庭の事情を加味した働き方が選べる
  • 年収が課題にならず転職しやすい
  • 仕事で責任を問われない

このように、40代で平社員でいることは、定年まで自らの人生をベースにした生き方をしやすいというメリットが考えられます。

たとえ40代で管理職につけなかったとしても会社に貢献していることにはかわりないので、自信と誇りを持つことが大切だと言えます。

40代で平社員でいるデメリット

以下は、40代で平社員でいるデメリットです。

  • 家庭を支える年収に足りず不自由さがある
  • 有能な年下社員に職位で抜かれてしまう

上述の通り、40代で平社員のままだと経済的な不自由さから脱却できず、企業で働く人としての成長にも限界があると考えられます。

また、途中で後輩社員に指示される立場で恥ずかしいといった感情を抱く場面もあるため、プライドが高い方には辛い状況です。

平社員を脱却する方法

40代で平社員でいるメリット・デメリットをご覧頂き、平社員のままではまずいと感じた方も多いのではないでしょうか。

本見出しでは、平社員から脱却する方法を4つご紹介しますので、ご自身にあった方法を選び実行に移してください。

方法①|自分のスキルをつける

1つ目の方法は、自分のスキルをつけることです。スキルとは特定の業務で役立つ能力・ノウハウを指します。

  • 継続的な販売に繋がる、高い営業販売スキル
  • 緻密なコスト計算が可能な計算・管理力
  • 外国人とも意思疎通ができる英語力

このように、身につけるスキルは業務内容とご自身の適正に応じて選択することが推奨されます。

身につけようと考えているスキルが稼ぎやキャリアアップに繋がるかを考慮しておくことが不可欠です。

方法②|上司に相談する

2つ目の方法は、上司に相談をすることです。上司とは勤め先で自身の業務指導をする人であり、仕事の理解者でもあります。

  • 昇進に必要なポイントや成長幅を聞く
  • 能力や適正をより生かすための方法を聞く
  • 平社員から脱却するキャリアプランを立てる

上司に相談をすることで、上記のような行動をとることができ平社員から脱却できる可能性も飛躍的に高まると期待されます。

仮に今の上司と相性や関係が悪い場合には、別の部にいる管理職者や同じ仕事で平社員を脱却した人に聞いてみるのも有効な手段となります。

方法③|異動願を出す

3つ目の方法は、異動願を出すことです。異動願とは、現在の部署やチームを離れて別の組織にて働く際のプロセスとなります。

  • より自分の力を発揮できる場所に行ける
  • 異動することで働くモチベーションが上がる
  • 成果を認めてくれる上司に会える

平社員である理由として、本来有している実力を全て出しきれていなかったり、力量を認めて評価してくれない上司の下にいることも考えられます。

異動は新しい仕事をする大変さを伴いますが、リスクを取らずして昇進は難しいと前向きに捉えることも重要だと言えます。

方法④|転職する

4つ目の方法は、転職することです。転職とは今いる会社を辞職し、新しい職場にて働くことを意味します。

  • やりたい仕事で高いパフォーマンスを発揮できる
  • キャリアカウンセラーから、的確なアドバイスを受けることができる
  • 転職により、職位や年収が上がる可能性もある

転職は今まで経てきた業務経験を一旦リセットする結果にもなりうるため、勇気のいる決断だと考えられます。

しかし、「転職なくして平社員からの脱却もなし」と捉えることもできるので、自分を厳しく見つめてみることも求められると言えます。

まとめ

平社員とは、職位につかず責任や年収に制限がある一方で、ワークライフバランスの達成や自由な働き方ができるとわかりました。

また、平社員のまま40代に至った場合のメリット・デメリットや、平社員からの脱却方法もお伝えしましたのでぜひご活用ください。

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