2020年より、日本経済団体連合会が設けていた「就職ルール」が撤廃されました。また近年はベンチャー企業の台頭により、就職活動の時期も多様化する傾向が強まっています。しかし大手企業の場合は、新卒採用の時期に大きな変更はないようです。そこで今回は、就職活動の時期を中心に解説します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
一般的な就職活動の時期
日本経済団体連合会の「就職ルール」が撤廃されても、大手企業は2020年は前年の流れを踏襲しているところが多いです。ここでは、一般的な就職活動の時期について解説します。
大学3年生6月:就活準備開始
就職活動の準備期間は、大学3年生の6月からが一般的です。大学の夏季休業中にインターンシップに参加できるよう、申し込みが必要だからです。そのためには、自己分析や業界研究、企業研究などを事前に行い、インターンシップの目的や選ぶ基準を明確にする必要があります。そのため、この時期から準備を始める学生が多いようです。
大学3年生7月~8月:夏インターン
大学の夏季休業にあたる7月~8月に、3年生の多くはインターンシップに参加することが多いです。期間は1dayから1ヶ月以上の長期にわたるものまで様々ですが、大手企業によってはインターンシップへの参加をエントリー条件としているところも少なくありません。
応募する業界や職種が明確な大学3年生にとっては、翌年確実にエントリーができるよう、この時期にインターンシップに参加する必要があります。
大学3年生3月:プレエントリー・説明会
日本経済団体連合会の「就職ルール」がなくなっても、大学3年生のプレエントリーは3月1日とする大手企業がほとんどでした。この時期から、企業の採用サイトや就活メディアを通じて、プレエントリーが開始されます。
プレエントリーした後、企業が行う個別説明会に参加して初めて、本エントリーできるというルールを設けている企業も多いです。エントリーには締切りが設けられていますので、すべての応募企業における期日を守れるよう、スケジュールを調整しなければなりません。
大学4年生6月:選考開始・内定出し開始
大学4年の4月以降にエントリー者の書類選考が行われ、合格者には指定した日までにWebテストを受けるよう指示する企業が多いです。そして日本経団連連合会に名前を連ねる大手企業は、6月1日より選考が解禁されます。大手企業の場合はグループ面接やグループ討議などを経て、役員による個別の最終面接が行われるのが一般的です。
最終面接が終了すると、内々定者に採用通知の連絡を入れることになります。かつては内々定通知書を郵送していましたが、近年は電話やメールで連絡をするのが一般的です。これが内定に変わるのは、大学4年の9月以降で、10月1日の内定式というところが多いとされています。
就職解禁の時期については以下の記事でより詳しく紹介しています。興味のある方はこちらも併せてご覧ください。
就活の早期化
日本経済団体連合会の「就職ルール」の撤廃により、就活の早期化が懸念されています。少子高齢化によって労働人口が減少しており、就活生にとって売り手市場が続いているため、優秀な人材を早期に抱え込もうとする企業が増えていることによります。ここでは、就活の早期化について説明します。
業界によっては選考開始が早い場合もある
企業のすべてが、日本経団連連合会に所属しているわけではありません。また、新卒採用を行っているのは、日本企業だけでもないのです。そのため、業界によっては選考開始が早い場合もあります。ベンチャー企業・外資系企業の採用スケジュールは、以下の通りです。
- 大学3年の6月~12月/インターンシップ開始(選考を兼ねる)
- 大学3年の8月~大学4年の5月/自社サイトで採用広報を展開
- 大学3年の10月~大学4年の5月/筆記試験・面接の実施
- 大学3年の12月~大学4年の5月/内々定通知
- 大学4年の6月~12月/二次募集
ここでは、選考開始が早い業界の選考のポイントを紹介します。
ベンチャー企業
メガベンチャー企業でない限り、新卒採用が一桁というところが大半です。そのため、ベンチャー企業は早期からインターンシップを行い、参加する学生の意欲やスキルを見極めたうえで、採用試験を受けるよう促す傾向が高いようです。
そのため、企業説明会や短期あるいは長期のインターンシップを行い、厳選採用するところが増えています。インターンシップで社風や業務内容を理解したうえで、内々定を承諾した就活生なので、早期離職を防ぎやすいというメリットもあります。
外資系企業
日本企業は総合職採用が一般的ですが、外資系企業は職種別採用を行うところがほとんどです。そして、外資系企業は成果主義なので、新卒採用であっても即戦力となることが求められます。つまり、職種に関する専門知識と、最低限の英語スキルが不可欠ということです。
外資系では大学3年の6~7月にインターンシップを募集し、8月にサマーインターンシップを開催するのが一般的です。そして大学3年の10月には企業説明会が行われ、11月に書類選考と筆記試験、12月に面接が行われます。この流れを踏まえて、準備する必要があります。
マスコミ
マスコミと一口にいっても、新聞や出版社など様々な種類がありますが、基本的には日本経済団体連合会の「就職ルール」を準拠します。しかしマスコミで記者職を目指す場合は、インターンシップへの参加以外にも、就活準備としてしておいた方がよいことがあります。それは資格の取得です。新聞社によっては、選考時に加点されることがあるからです。
- 朝日新聞/語彙・読解力検定の1級・準1級・2級の所持者には筆記試験で加点
- 毎日新聞/ニュース時事能力検定の1級・2級の所持者は筆記試験を免除、準2級の所持者は書類選考を免除
- 日本経済新聞/日経TESTに準拠
語彙・読解読解力検定、ニュース検定は6月と11月の年2回しかありません。4月のES提出に間に合わせるためには、3年生の11月の試験で合格する必要があります。大学3年の早期から、資格取得に向けた勉強が不可欠ということです。
22卒の就職活動の時期はどうなる
2020年は新型コロナウイルス感染予防のため緊急事態宣言が発令されたことにより、2021卒の就活生に大きな影響を与えました。感染の封じ込めが難しい現状を踏まえると、22卒といわれる現在の大学3年生の就活も様変わりすることが予想されます。ここでは、22卒の就職活動の時期はどうなるのかについて、考えてみましょう。
大規模な説明会の中止
新型コロナウイルス感染リスクを避けるため、2021卒の就活生を対象とする、就活メディアが行う合同企業説明会をはじめとする大規模なイベントは続々と中止になりました。ワクチンあるいは特効薬ができない限り、2022卒の就活生も同じ状況が続くことが考えられます。
合同企業説明会で様々な業界や職種、会社に触れたり、大規模な自社説明会への参加がエントリーの条件だった企業は、選考方法を変える可能性があります。応募を検討している企業の採用サイトをこまめにチェックしながら、選考準備の備える必要があります。
選考のオンライン化
これまでは面接は対面で行われてきましたが、2021卒の就活生はオンライン選考を行っているケースが大半です。2022卒も、選考のオンライン化を念頭において準備しておくにこしたことはありません。オンライン選考の注意点として、以下のことがあげられます。
- Web面接にふさわしい場所の確保
- 通信環境を整える
- デバイスはスマホではなくPCが基本
- プロフィール写真やアカウント名にも配慮が必要
面接で重視される、立ち居振る舞いなどの所作を見てもらえるチャンスが減ってしまうので、マナーに自信がある人は不利に働く可能性も否定できません。その分、敬語やメール文面に配慮するなど、工夫が必要です。
インターンシップの重要性の増加
新型コロナウイルス感染リスクが軽減しない限り、1dayでたくさんのインターンシップを受け入れることはできないと予想されます。そのため、インターンシップの受け入れ人数の減少を検討している企業もあるようです。
その場合、インターンシップへの参加が激戦となることが予想されます。そして、インターンシップに参加できた時に企業に評価してもらうことが、採用選考で大きなアドバンテージになる可能性が高いです。今後ますます、インターンシップの重要性が増していくことでしょう。
今のうちにできる準備
新型コロナウイルス感染の影響で、2020卒の就活スケジュールは先が読めない状況であることは事実です。しかし、外出自粛が続く今の時間を有効活用することで、就活を有利に進める準備をすることはできます。ここでは、今のうちにできる準備について説明します。
自己分析
就活を始めるすべての基本は、自己分析にあるといっても過言ではありません。適職に就いて長く働き続けるためには、自分の長所や短所、志向性を理解したうえで、マッチする業界や職種、企業を選ぶのが一番だからです。
就活に役立つように自分の強みと弱み、価値観を知るためには、自分の過去の体験を振り返りながら、客観視するプロセスが必要です。また、そこでわかった強みや弱みを、就職後にどう生かせるのかを考えることも大事です。
以下の記事では、自己分析のプロセスや複数の方法について解説されています。一読して、自分に合った方法を探してみてください。
WEBテスト対策
近年は筆記試験の代わりに、WEBテストを課すのが一般的です。WEBテストの種類や内容は企業によって異なりますが、ぶっつけ本番で攻略できる内容ではありません。そのため、WEBテスト対策の勉強をしておく必要があります。
WEBテストには、「SPI」「GAB」「玉手箱」などの種類があります。応募を検討している企業が課しているWEBテストが何かを調べ、参考書や問題集でくり返し勉強する、アプリで実践するなどの方法で、点数アップを目指しましょう。
OBOG訪問
企業のことは、実際に働いている人に聞くのが一番です。大規模な就活イベントが中止になり、人事担当者との接触チャンスが減る今だからこそ、OBやOGを訪問する機会をつくりましょう。OB・OGとのつながりの深い大学であれば、後輩の就活をサポートしてくれる人も多いはずです。
また、OB・OGがリクルーター面談を行っている可能性もあります。そうした機会をフル活用することを、意識してください。
今後の就職活動の動向
これまでの大学生の就活は、日本経済団体連合会が主導してきました。しかし、2020年以降は「就職ルール」が撤廃され、政府主導に変化しています。通年採用やインターンシップからの直接雇用など、採用の方法が多様化することが予想されます。
以下の記事では、2021卒・2022卒の就活で起こる可能性が高い、就活の進め方や業界別の動向予測などがわかりやすくまとまっています。一読して、参考にしてみてください。
まとめ
今回は、一般的な就職活動の時期の説明を中心に、就活の変化や今後の予測まで幅広く解説しました。
新型コロナウイルスにより、2021卒の就活は前年と大きく様変わりしています。2022卒にとっても、就活イベントやインターンシップの開催の有無など、懸念事項が多いことは事実です。しかし不安に苛まれるより、できることを確実にやっておく方がずっと大事です。この記事を参考に、できることから始めてみてください。