時代遅れと言われる圧迫面接ですが、就職活動や転職活等で実際にそのような面接官に出会ったことのある人も少なくありません。
この記事では、圧迫面接に対して求職者側が出来る対策と、企業側が気を付けたいことについて解説しています。
もし圧迫面接に遭遇してしまったら訴訟はできるのか、どう対応すればよいのか、チェックしておきましょう。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
圧迫面接に対して訴訟はできるか
圧迫面接に対して訴訟を起こすことは場合によっては可能です。しかし、圧迫面接を取り締まる法律は存在せず、採用方法は企業側の判断で行うことが許されています。
人格を否定するような発言や差別的な発言をされた場合などに、訴訟を起こすことは出来ますが、実際には現実的ではありません。
面接中に発言の証拠を残すことは難しいため訴えが認められる可能性が低いうえに、逆に企業から名誉棄損で訴えられる可能性もあります。
圧迫面接とは
圧迫面接は面接官の意図を理解し、冷静に対処することが大切です。その場でどういった振る舞いが求められているのかを理解できれば乗り越えることが出来ます。以下では、圧迫面接の特徴や面接官の意図について解説しています。
圧迫面接の特徴
面接官の中には、就活生に対して無関心な態度をとったり、否定的な発言をして意図的にストレスを与えようとする人がいます。
冷静に対処するためには、早めに「これは圧迫面接だ」と気付くことが重要です。圧迫面接の特徴は以下の様なものがあります。
- 1つの話題に対して必要以上に深堀される
- 面接官が無表情な態度を取る
- 何を話しても否定される
- 話を遮られる、中断させられる
圧迫面接をする面接官の意図
圧迫面接をする面接官は、就活生を傷つけてやろうといった悪意を持っている人ばかりではありません。
圧迫面接は、採用活動を円滑に進めより良い人材を獲得するための方法の一つとして行われることもあります。
圧迫面接をする面接官の意図として、以下の様な例が挙げられます。
- 実際の業務を想定した対面でのコミュニケーション能力の確認
- ストレスに対する反応や耐性の確認
- 緊張状態でも考えをまとめることが出来る思考能力の確認
上記の記事では、圧迫面接の特徴、対策、具体的な質問例と回答例を紹介しています。 圧迫面接を乗り越える為に、面接官の意図や対策のコツについて確認しておきましょう。
圧迫面接で訴訟を起こすのは難しい
実際、圧迫面接を受けたとして訴訟を起こすことは非常に難しいとされています。法律で裁くのが難しいという理由だけでなく、費用と時間の問題で個人が訴訟を起こすのは、現実的ではありません。
採用活動は企業の自由で行われている
圧迫面接を取り締まる為の法律はなく、採用に関する質問は面接官が自由に行うことが出来ます。
性別や年齢で応募者を拒否することを禁じる法律はありますが、選考を通してどんな人を採用するか決める判断は企業の自由で行われます。
面接の内容についても、求職者の能力を測る為に必要と判断されて実施されたものであれば、法律違反と認められることはほとんどありません。
証拠を提示するのが難しい
圧迫面接で不快な思いをしたとしても、その証拠を残すことは非常に難しいです。そんな発言はしていないと証言される可能性もあります。
面接の様子を録音でもしない限り有効な証拠が残せない為、訴訟するとすれば証拠がなければ証言だけで戦わなければなりません。それはあまり現実的とは言えません。
圧迫面接で精神的苦痛を受けたとしても、訴訟を起こすことは大きなリスクがある事です。就活生が勝訴する可能性はかなり低いと考えておきましょう。
ストレス耐性を見る目的がある
企業は圧迫面接を行う理由として、就活生のストレス耐性や臨機応変さの確認を目的として挙げています。
会社として決まった方針に基づいて行われていることであれば、圧迫面接も認められる場合が多いです。
また、圧迫面接を受けたとしても志望度の高い企業である場合は、その面接を上手く乗り越えることも大切です。批判されたり理不尽な要求をされたとしても、冷静で前向きな対応を見せることで高評価を得られるでしょう。
訴訟までのコスト・時間がかかる
圧迫面接によって精神的苦痛をを受け、訴訟を検討する時に考えるのは、訴訟に必要な時間やお金の問題でしょう。
訴訟の為の手続きの為に、就職活動に割く時間は減ってしまいますし、弁護士に依頼するとなるとそれなりに大きな費用がかかります。
また、訴訟を起こした場合、その後も企業と関わりを持つことになり、それが精神的苦痛や負担になる場合もあります。
訴訟することと就職活動を続ける事のどちらが大切なのか見極め、場合によっては訴訟を諦めて気持ちを切り替えることも大切です。
企業側が名誉棄損で訴える可能性がある
上でも述べた通り、圧迫面接により精神的苦痛を受けたことは有効な証拠も残しにくく立証が難しいです。訴えがが認められないだけでなく、さらに、訴訟を起こせば企業から名誉棄損で訴えられる可能性もあります。
企業相手に訴えられれば、慰謝料を請求され、就職活動にも悪影響が及ぶかもしれません。
訴訟を起こすことは大きなリスクを伴うため、慎重にならなければなりません。第三者から見て確実に度が過ぎていると判断できるような確実な証拠があり、絶対に勝てる見込みがある場合でない限り、余計なトラブルは避けた方が無難です。
度が過ぎた圧迫面接に注意
多くな場合、圧迫面接は「ストレス耐性を見極めるため」に行われていますが、客観的に見て度を越えた時代遅れの面接を行う企業も少なからずあるようです。
特に以下のような面接には、求職者も企業も、細心の注意を払う必要があります。
人格の否定やセクハラ発言
度を越した態度や差別的な発言は特に注意が必要です。
面接官の度が過ぎる罵倒や批判は、圧迫面接が原因で精神的疾病を発症したと言われ損害賠償請求を求められる可能性もあります。
例えば、「どうせ女は~。」と言った男女差別的な発言や「太ってるのは自己管理ができていない」「低学歴は使えない」などといった人格を否定する発言は要注意です。
求職者側も、こういった発言をする企業には、もし内定をもらっても入社を避け、辞退したほうが今後の為にも良いと思われます。
企業側が圧迫面接で気を付けるべきこと
求職者が圧迫面接について訴訟を起こすことは難しいと述べましたが、今の時代、“この企業は圧迫面接を行っている”という情報はあっという間に広まり、企業イメージを下げてしまいます。
そのような事態を避けるために、企業が面接時に気を付けたいことを紹介します。
質問内容があくまでストレス耐性を問うものか
以下の様な質問は明らかにストレス耐性を問うという目的ではなく、相手を不快な思いにさせようとしていたり、自分のプライドを守るために発言されるものです。
- うちの会社には向いていないんじゃないの
- この経歴(学歴)では採用できない
- そんなんじゃどこにいっても通用しないよ
面接ではあくまで、質問に対する回答から会社に合った人材かどうかを判断するものです。わざと相手を不快にさせるような事を言ってその反応を見るというのはあまりに失礼です。
常識のない面接官のいる会社には、内定をもらっても辞退する方が無難でしょう。
態度は適切か
面接官の態度が悪いと、就活生に圧迫面接と捉えられる場合もあります。例えば、以下のような態度です。
- 上から目線な発言
- 頬杖をつく
- あくびをする
- スマートフォンをいじる
- 命令口調
このような態度は相手に「自分の話を聞いてくれていない」「誠実に対応してくれていない」と言う印象を与え、不愉快な思いをさせてしまいます。面接官と就活生はあくまで対等の関係であることをしっかり認識しておくことが大切です。
まとめ
今回は、圧迫面接に対して求職者側が出来る対策と、企業側が気を付けたいことについて解説しました。時代遅れと言われる圧迫面接ですが、就職活動や転職活等で実際にそのような面接官に出会ったことのある人も少なくありません。
上で説明した通り、訴訟するのは難しいですが、人を馬鹿にするような態度をとる企業に入社しなくて正解です。仕返しをしようなど思わず、あまり気にしないのが得策でしょう。