自分が優柔不断だという自覚がある就活生は、エントリーシートや面接で長所・短所を伝えることに不安や苦手意識を持つかもしれません。しかし優柔不断という短所は、実は長所と表裏一体であり、大事なのは伝え方です。そこで今回は、優柔不断という短所を自己PRにつなげる伝え方を中心に解説します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
優柔不断が短所の人へ〈優柔不断な性格とは〉
小学館のオンライン大辞泉では、「優柔不断」を以下のように説明しています。
1 ぐずぐずとして決断力がにぶいこと。気が弱く、はきはきしないこと。また、そのさま。「優柔な性格」
2 ゆったりとして、ものやわらかなこと。また、そのさま。
つまり優柔不断とは、何事においても即断ができず、自分で決めた後もあれこれと考えてしまうことを意味します。そして、優柔不断の性格には共通点があります。
- 他者の意見が気になる
- 決断してから行動に移すまでに時間がかかる
- 即断即決できない
- 一度決めても何度も考えてしまう
- 自分に自信が持てない
- 心配性
- 失敗するのが怖い
- 周囲の目が気になる
- 考えすぎてします
上記の特徴に当てはまる数が多ければ多いほど、優柔不断な性格といえます。
優柔不断が短所の人へ〈面接官の考えとは〉
面接において、面接官が行う定番の質問があります。長所と短所に関する質問も、その一つです。そして、面接官が長所だけでなく短所について質問することには、明確な意図があるのです。ここでは、面接官が短所を聞く理由と、それが「優柔不断」だった場合に受けがちなイメージについて説明します。
面接官が短所を聞く理由
面接官が短所について質問するのは、就活生の課題を明確にするためではありません。質問に対する回答を通して、就活生の資質を理解することが目的です。ここでは面接官が短所を聞く理由を3つ、説明します。
理由①|就活生の客観性を知るため
1つめは、就活生の客観性を知るためです。短所のない人間など、この世にはいません。しかし長所は自覚しやすいものですが、自分の短所は他者から指摘された経験がなければ、気づきにくいものです。短所について答えるためには、自分を客観視しなければなりません。
そして、組織で働く際には長所を伸ばすと同時に、短所を目立たなくする必要があります。自分を客観視して短所を述べられる就活生は、物事を多面的に見られると判断されるのです。
理由②|業務に致命的な短所がないかを見極めるため
2つめは、業務に致命的な短所がないかを見極めるためです。大手企業の場合は特に、「総合職」「一般職」「技術職」など、スキルやキャリアパスが異なるため、職種を分けて採用を行います。そして、職種によってはやる気があっても、適性がないと続けられないケースも少なくありません。
面接官は短所を聞くことで、採用しようとしている職種に適性があるかどうかを判断できます。採用後に致命的な不適性が見つかると、その後の業務に支障が出るので注視するのです。
理由③|就活生の課題解決能力を計るため
3つめは、就活生の課題解決能力を計るためです。短所は誰もが持っているものですが、それを理解しているのに改善しようとしない人は、職場で他者と協働するのは難しいのが現実です。詳細は後述しますが、短所を伝える時にはその改善策も同時に答えるのがセオリーです。
自覚した短所をどう改善しようと考えているかを伝えることで、面接官は応募者の課題解決能力の有無やレベルと知ることができます。それは、採否決定において、重要な要素の一つです。
面接官が思う「優柔不断」へのイメージ
「優柔不断」という言葉は、ポジティブに使われるものではありません。そのため、伝え方を間違うと相手の心象を悪くしてしまいます。ここでは、面接官が思う「優柔不断」へのイメージについて説明します。
イメージ①|決断力に欠ける
1つめは、決断力に欠けるというイメージです。優柔不断の人は、決断をするまでにあれこれと思い悩んでしまい、時間を要します。また一度決めてからも、本当にそれでよかったのかと、ふり返ってさらに悩む人が少なくありません。
しかし、仕事をしていると即断即決を求められたり、決めたからには思い悩む時間があるならそれをいち早く完遂する責任を負わなければならないものです。組織で協働することを考えると、決断力の欠如はマイナスイメージにつながりやすいです。
イメージ②|失敗を引きずりがち
2つめは、失敗を引きずりがちというイメージです。優柔不断な人は、決断後もあれこれ思い悩むことが多い傾向にありますが、それが失敗に終わった時に受けるダメージが大きいです。そして、自分の決断が間違っていた事実に打ちのめされ、自信をなくしてしまいます。
そして失敗の経験が根強く、自分に自信がないことから決断を避ける、いつまでも落ち込むという事態に陥りがちです。そうした人材は職場の雰囲気を悪くするので、積極的に採用しようとは思われないでしょう。
優柔不断が短所の人へ〈短所を長所に言い換える方法とは〉
長所と短所は表裏一体であると、前述しました。そう考えると、短所をポジティブに言い換えることができます。具体例として、以下のものがあげられます。
- 慎重である
- 思慮深い
- 物事を多角的に見て検討できる
- 熟考のうえ行動するので失敗が少ない
優柔不断になってしまうのは、あらゆる事態を想定した時に、どれがベストなのかを判断できないからです。そして、それだけ考えられる素養があるのは長所となります。上記のような言い方で、優柔不断の印象を変えるとよいでしょう。
優柔不断が短所の人へ〈魅力的な伝え方とは〉
自分の短所が優柔不断であることは変えられなくても、伝え方によって相手の心象は大きく変わります。そう考えると、面接官に適切に伝える方法がわかれば、必要以上に恐れる必要はありません。こここでは面接官に対し、優柔不断を魅力的に伝える方法を説明します。
優柔不断を魅力的に伝えるポイント
優柔不断という短所も、話し方によって美点に変えることができます。ここでは優柔不断を魅力的に伝えるポイントを3つ、紹介します。
ポイント①|優柔不断を別な言葉で言い換える
1つめは、優柔不断を別な言葉で言い換えることです。前述しましたが、優柔不断は「慎重である」「思慮深い」「熟考したうえで行動できる」など、仕事をするうえで長所となりうる言葉に置き換えることができます。
伝え方のポイントの詳細は後述しますが、「私の短所は優柔不断です」と言い切った後でも、「それはあらゆる事態を想定し、どの選択をすべきか深く考えてしまうからです」と続ければ、魅力的に伝わるはずです。
ポイント②|学生時代のエピソードを話す
2つめは、自分が優柔不断だと感じる具体的なエピソードを伝える時には大学時代のものを選ぶことです。長所や短所を伝える時には、具体的なエピソードを交えるのがセオリーですが、それが中学校や高校時代のものだと、「自覚しているのに改善しなかったのか」と、面接官に受け止められるリスクがあります。
そのため、自分の優柔不断さを周囲に露呈したエピソードは、大学入学後のものにするのがおすすめです。インパクトよりも、時期を考慮してエピソードを探しましょう。
ポイント③|優柔不断をどのように改善するつもりかを伝える
3つめは、優柔不断をどのように改善するつもりかを伝えることです。面接官は、就活生のマイナス面を知りたくて、この質問をしているわけではありません。自分の短所とどう向き合い、それを乗り越えようとする姿勢があるかどうかに着目しています。
そのため、前述したエピソードが起こった後、自分が優柔不断を改善するために、どのような努力をしているかを、具体的に伝えるのがおすすめです。「決断までの時間を短くするよう努めています」「考えて結論が出ないことは、早めに周囲に相談するようになりました」など、方法はいくつもあるはずです。
優柔不断を伝えるときの注意点
優柔不断はネガティブな印象がある言葉であるがゆえに、面接官への伝え方を間違うと、評価に悪影響を及ぼす可能性があります。ここでは面接官に優柔不断を伝えるときの注意点を3つ、紹介します。
注意点①|失敗体験だけを伝えない
1つめは、失敗体験だけを伝えないことです。短所を伝えるにあたり必ずエピソードが必要ですが、それは基本的に失敗体験になります。優柔不断なことで「迷惑をかけた」「周囲の人に叱られた」という事実を話すだけでは、ネガティブキャンペーンになってしまいます。
その事実を受けて、自分がどんなことに気をつけるようになったのか、行動をどう変えるように意識しているかなど、改善点に重きを置いて話をするようにしましょう。
注意点②|意思が弱いと思われないよう配慮する
2つめは、意思が弱いと思われないよう配慮することです。優柔不断の人は他者の意見に影響されやすく、自分の意思を貫くのが苦手です。それは、仕事をするうえでは大きなマイナスポイントになってしまいます。
言われるまま流されているわけではなく、自分とは違う意見に耳を傾けて失敗したという経験を経て、「少しでも疑問が残る時には議論をつくすように心がけるようになった」という、プラスイメージにつなげるよう心がけましょう。
注意点③|ベンチャー企業に応募する際は言い換えが必要
3つめは、ベンチャー企業に応募する際には、優柔不断という言葉の言い換えが必要だということです。ベンチャー企業は大手企業と比べると少数精鋭で、スピーディーに仕事が進むものです。そうした企業風土においては、優柔不断はマイナス要素しかありません。
決断力や行動力を求められる企業に対しては、短所が「優柔不断である」というより、「慎重な性格である」と言い換えた方が印象がよくなるはずです。
優柔不断が短所の人へ〈自己PR例・NG例とは〉
優柔不断が短所という事実は変えられなくても、それを自己PRにつなげることはできます。面接に臨む際には、そうしたテクニックを使うのも対策の一つです。ここでは、優柔不断を自己PRにつなげる例と共にNG例も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
自己PR例
まず、短所であるはずの優柔不断を自己PRにつなげる方法を紹介します。
例文①|改善方法を伝える
「私の短所は優柔不断なところです。何かを決めるのに時間がかかり、出遅れることも少なくありません。ゼミで共同研究をしていた際に自分が何をすべきか悩み、すぐに行動に移せなかったため、データ収集がギリギリとなり、仲間に迷惑をかけたことがありました。二度と同じ間違いをくり返したくないと考え、それからは常に物事の優先順位を考えるよう心がけています。今何をすべきか、後回しにできることは何かを考える習慣がついたことでで、優柔不断な性格を改善でき、決断が早くなったと思います。御社に入社した際にも、常に優先順位を考えて行動することでスムーズに仕事を進めていきたいと考えています」。
この例文では、大学時代に自分の優柔不断さによって友人に迷惑をかけたことを教訓として、どのように改善したかが具体的に述べられています。自身の成長を伝えることもできているため、自己PRとなっています。
例文②|実践していることを伝える
「私の短所は、優柔不断なところです。部活動で「合宿先と期間を変更すべきか否か」を話し合う機会があったのですが、多数決を取る段階になっても自分の意見を決めかねたことがありました。先輩である私が意見を述べないことで後輩たちも積極的に発言できず、話し合いが長引いたことで、部員の練習時間を削ってしまい、申し訳なく感じ反省しました。それ以後は選択を迫られたら、どんな時でも10分以内に結論を出すと決めています。選択によっては時間内で決断出来ないこともありますが、少しずつタイムを縮められるようになってきました。御社に入社した後もこの習慣を続け、即断即決できる人材となって活躍することが目標です」。
この例文では、自分が優柔不断さを克服するために、日ごろどんなふうに努力しているのか、それがどんな成果を結びつつあるかが述べられています。自分で決めたことを実践している様子を伝えることは、面接官にプラス評価されるはずです。
NG例
優柔不断は言葉通りに伝えてしまうと、マイナス評価につながるリスクがあります。そのため、面接前にきちんと話し方を考えておかなければなりません。ここでは優柔不断の伝え方のNG例を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
例文①|開き直ってしまう
「私の短所は優柔不断なところです。物事を決める際に人より時間がかかってしまいますが、あらゆる事態を想定して決断を下したいと考えるがゆえに起こることだと考えています。慎重に物事について考えることで判断が遅れても間違うよりは良く、自分が納得いくまで熟考するようもしています。その結果、スタートが遅れて周囲に迷惑をかけることもありましたが、失敗するよりはましだと思い、とにかく何事も万全を期すために、悩み抜いてから行動することを心がけています。御社に入社した後も、失敗を避けるために考え抜く姿勢は役立つと考えています」。
この例文では、優柔不断を物事を熟考する慎重さに言い換えようとしていますが、周囲に迷惑をかけたことに対する反省が含まれていません。そのため、開き直っているという悪印象を残してしまいます。
例文②|改善している様子が見えない
「私の短所は優柔不断なところです。子供の頃から、家族でレストランに行った時には何を食べるのか、誕生日プレゼントを聞かれた時には何が欲しいのかをなかなか決められず、無駄に時間が過ぎてしまった経験があります。年齢を重ねれば改善できるだろうと思っていましたが、現在も時間をかけなければ決断することはできていません。御社に入社した際に迷惑をかけることがないよう、これから改善したいと考えています」。
この例文では、子供の頃から優柔不断だった自覚があるのに、それを改善しようとしてこなかった事実が浮かび上がります。面接官はこれまでできなかったことが、入社後にできるようになるとは思いませんから、マイナス評価に直結してしまいます。
優柔不断が短所の人へ〈優柔不断を克服する方法とは〉
就活生の中には、優柔不断な自分を変えたいと考えている人もいることでしょう。そのためには、自分の考えた行動を変える必要があります。具体的な方法として、以下のものがあげられます。
- 物事を決断する際に時間をかけない
- 一度決めたことを後悔しない
- 決断する時の基準を決める
- 失敗することを恐れない
- 完璧主義を止める
- 周囲の目を気にしすぎない
- 余計なことを考えない
- 自分で自分を認める
上記のことを意識して日常生活を送るうちに、自分に変化が表れるはずです。できることから、実践してみましょう。
まとめ
今回は、優柔不断という短所を自己PRにつなげる伝え方を中心に解説しました。
優柔不断であることをよしとしている就活生は少数派だと思いますが、見方によっては長所になります。大事なのは、面接での伝え方です。この記事を参考に、自分の優柔不断さがアピールにつながる方法を考え、面接において実践してみてください。