「ご心配ありがとうございます」はどんな時に使ったら良いのでしょうか。本記事では「ご心配ありがとうございます」の意味や使い方を解説します。英語での言い方や、より丁寧な敬語での言い方、似た意味を持つ類語などもご紹介するので、記事を読めばすぐに活用することができます。

「ご心配ありがとうございます」とは

「ご心配ありがとうございます」と相手に伝えるとき、正しい表現なのか疑問に思うことがありませんか。せっかく相手にお礼を伝えるのですから、きちんとした言い方をしたいですよね。

ここでは「ご心配ありがとうございます」の意味や使い方、言い換え表現、さらに丁寧な言い方などをご紹介します。

意味・使い方

「ご心配ありがとうございます」は、相手の心配に対して感謝を伝える言葉です。ちなみにコトバンクでは「心配」を以下のように説明しています。

１ 物事の先行きなどを気にして、心を悩ますこと。また、そのさま。気がかり。「親に心配をかける」「将来を心配する」「心配な天気」
２ 気にかけてめんどうをみること。世話をすること。「近くに住む娘が食事の心配をしてくれる」

つまり「相手が自分のことで心を悩ませてくれた時」や「自分を気にかけて面倒を見てくれた時」に用いる表現です。

類似表現

「ご心配ありがとうございます」と似た表現の言葉はたくさんあります。たとえば、以下のようなものが類似表現として挙げられます。

• お気遣いいただきありがとうございます
• ご深慮いただきありがとうございます
• お心遣いいただきありがとうございます
• ご配慮いただきありがとうございます
• ご高配いただきありがとうございます

どの表現も、相手の心配に対して感謝を伝える言葉です。若干の意味合いの違いはありますが、ほとんど同じ意味を持ちます。

敬語表現

「ご心配ありがとうございます」の敬語表現は「ご心配いただきありがとうござます」です。「ご心配ありがとうございます」でも問題ありませんが、若干くだけた印象になります。

さらに丁寧な言い方をしたい場合は「ご心配賜りましてありがとうございます」を使いましょう。

「ご心配いただきありがとうございます」は丁寧な言い方ですが、やや口語的な表現です。「ご心配賜りましてありがとうございます」の方が固い印象なので、ビジネス文書や公式な場など、礼節を大切にしたい場面ではこちらの方が適しています。

英語表現

英語で「ご心配ありがとうございます」と伝えたい場合は、いくつかの言い方があります。たとえば以下のような表現です。

• Thank you for your concern.
• I appreciate your concern.
• It is very kind of you.

「concern」は「心配」、「kind」は「思いやり」の意味を持ちます。どれも相手の気遣いに対する感謝を示す表現です。

「ご心配ありがとうございます」を使う場面

「ご心配ありがとうございます」はどんな場面で使うのが適切なのでしょうか。ここでは「ご心配ありがとうございます」を使う場面と使う際のポイントをご紹介します。

場面①｜体調を気遣ってもらった時

自分の体調を周囲が気遣ってくれたら、「ご心配ありがとうございます」と感謝を伝えましょう。

周囲はあなたの体調がどれくらい悪いのかわからず、対応に悩んでいる可能性があるので、簡単に体の具合と、どう対応してもらいたいか伝えると良いです。

体調が悪すぎてその場でお礼を言えなかった場合は、落ち着いた時で良いので改めてお礼を言いましょう。もう大丈夫なことを伝えれば、相手も安心します。

場面②｜安否を気にしてもらった時

交通事故や天災があった時、あなたの通勤経路や居住地区だと周囲は心配します。

安否を気遣う連絡が来たら、「ご心配ありがとうございます」と言って、今の状況を伝えましょう。

会社から連絡が来た場合は、通常通り出社できるのか気にしていると思うので、仕事に対する影響もこちらから伝えた方が良いです。

とはいえ、交通事故や天災があった場合は、対応に追われていてそれどころではないかもしれません。

その場合は近親や会社にのみ先に連絡をして、その他の人には落ち着いてから連絡すれば大丈夫です。

場面③｜家族の心配をしてもらった時

自分のことではなく、家族のことを心配してもらう場合もあると思います。

たとえば家族が怪我をした時や、入院した時、介護が必要になった時など様々です。

その場合も自分のことを心配してもらった時と同じく、「ご心配ありがとうございます」と伝えれば大丈夫です。

この時、感謝を伝えると同時に伝えられる範囲で状況を伝えれば相手は安心します。仕事に何か影響が出るのであれば、そのことも同時に相談しましょう。

「ご心配ありがとうございます」を使うときの注意点

ここでは「ご心配ありがとうございます」を使うときの注意点を解説します。

「ご心配ありがとうございます」は相手の心配に対して感謝を伝える言葉ですが、場面によっては不適切になることがあります。

相手に感謝を伝えたくて言った言葉で「礼儀をわきまえていない」と思われないために、しっかり押さえておきましょう。

注意点①｜具体的に何かしてもらった時は使わない

「ご心配ありがとうございます」は、相手が自分のことを心配してくれた「気持ち」に対して感謝を伝える言葉です。

もし心配した上で、何か具体的な配慮をしてもらった場合は「ご心配ありがとうございます」ではなく、「ご配慮いただきありがとうございます」を使いましょう。

「配慮」には、相手を心配して何かする意味が含まれます。

単純に心配して声をかけてもらった場合は「ご心配ありがとうございます」を使って、心配して早く帰らせてくれるなどの配慮をしてくれた場合は「ご配慮いただきありがとうございます」を使いましょう。

注意点②｜何か迷惑をかけた時には使わない

「ご心配ありがとうございます」は相手に感謝を伝える良い言葉ですが、時と場合によっては相手を怒らせてしまう可能性があります。

たとえば相手にすごく心配をかけた場合や、迷惑をかけた場合に「ご心配ありがとうございます」と伝えるのは、悪びれていないと判断されて、怒りを買ってしまうかもしれません。

このような時は感謝よりも謝罪を伝えてください。「ご心配おかけして申し訳ありませんでした」と言えば、周囲に心配と迷惑をかけたことを理解しているのだと伝わります。

「ご心配ありがとうございます」のビジネスメール例文

ここではメールで「ご心配ありがとうございます」を使う時の例文を「社内編」「社外編」に分けてご紹介します。

社内・社外の関係者にお礼のメールを送る際の参考にしてください。

例文①｜社内編

メール件名：本日はご心配おかけいたしました

〇〇課長

お疲れ様です。〇〇課〇〇です。

私の勝手な都合でしたのに、本日はご心配いただきありがとうございました。お陰様で状況も大分良くなり、明日は問題なく出社できそうです。

色々とご配慮いただき、本当にありがとうございました。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

【署名】

例文②｜社外編

メール件名：ご心配いただきありがとうございます

株式会社〇〇

〇〇部〇〇様

お世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。

〇〇の件、ご心配いただきありがとうございます。

今回の〇〇で当社も〇〇でしたが、なんとか通常通り営業できる見通しですので、どうかご安心ください。

取り急ぎ、お見舞いのお礼を申し上げます。

【署名】

まとめ

この記事では「ご心配ありがとうございます」の意味と使い方について解説しました。

「ご心配ありがとうございます」は相手の心配に対して感謝を伝える言葉です。社会人として周囲に気遣ってもらったら感謝を伝えるのがマナーですので、ぜひ活用してください。