日本にはさまざまな会社の形態があります。その中でも多く見られるのが株式会社と有限会社です。この違いについて具体的に説明できる人はどれくらいいるでしょうか。株式会社と有限会社の意味や違い、メリットデメリットを解説します。更に、合同会社についても解説しますので、参考にしてください。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
株式会社・有限会社とは
会社の形態で、株式会社と有限会社があります。この二つにはどんな違いがあるのか、具体的に知っているでしょうか。「どちらも会社に違いない」と思っている人が多いでしょう。
この二つは名前だけではなく、明確な違いがあります。具体的にはどのような違いがあるのか、意味なども含めて解説します。
株式会社とは
「会社」と聞くと最も多いのが「株式会社」です。それでは、株式会社にはどういう意味があり、どんな特徴があるのでしょう。意味と特徴についてそれぞれ掘り下げて解説します。
株式会社の意味
株式会社を簡単に説明すると、株式を発行して会社を運営していくための資金を調達している会社のことです。株式は一口〇円という形で取引され、そのお金が会社を運営するための資金となります。
会社は利益が出るように運営をし、その利益は株式を有している人たちに配当金という形で還元されます。また、株式を有している人たちは会社を運営していく経営者を選ぶ権限も与えられます。
株式会社の特徴
- 会社名に「株式会社」と入れなければならない
- 資本金1円から設立可能
- 任意で株式公開ができる
- 代表取締役が必要
- 取締役の任期は最低2年、最大10年
- 株主総会がある
「取締役の任期」については、株式の譲渡制限がない場合は2年ですが、譲渡制限がある場合は10年という制限があります。また、必ず毎年株主総会を開かなければいけません。
有限会社とは
耳にすることが少ない「有限会社」ですが、現在も有限会社と名乗っている会社はあります。株式会社との違いはどこにあるのでしょう。
有限会社の意味や特徴について、それぞれ詳しく解説します。
有限会社の意味
有限会社とは、もともとは資本金300万円以上の会社のことでした。2006年の新会社法施行前は、株式会社に「資本金1000万円以上」という条件がありました。これに対して、資本金300万円以上で設立可能な会社が有限会社だったのです。
ただし、2006年に新会社法というものが施行されてから、株式会社設立の条件が緩和されました。それに伴い有限会社の設立は廃止され、現在は新たに有限会社を設立することはできません。
有限会社の特徴
- 会社名に「有限会社」と入れなければならない
- 資本金300万円以上から設立可能
- 取締役の任期はなし
- 社員数は50名以下
- 株主総会の義務がない
大きな特徴として挙げられるのが、取締役の任期がないという点です。取締役の任期がないということは、半永久的に取締役でいられるということです。この利点を利用して、家族経営の会社などが有限会社を設立していました。
株式会社・有限会社に就職するメリット
就職活動をする時、株式会社と有限会社のどちらに就職した方が良いのだろうと思うことがあるでしょう。中には「何となく聞こえがいいから」という理由で選ぶ人もいるかもしれません。
それぞれにメリットデメリットがあります。それらを理解しておくと、就職活動で役に立つでしょう。株式会社と有限会社のメリットとデメリットをそれぞれ紹介しますので、参考にしてください。
株式会社に就職するメリット・デメリット
株式会社に就職すると、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょう。多くの会社は「株式会社」を名乗っているのでメリットやデメリットについて考えことがないという人もいるかもしれません。
具体的に株式会社にはどのようなメリットとデメリットがあるのか、それぞれ掘り下げて解説します。
株式会社に就職するメリット
- 大企業が多い
- イメージが良い
- 福利厚生がしっかりしている
- 将来性や安定性がある
- 給料やボーナスが高い
株式会社に就職するメリットとして一番大きいのは、大企業が多いということです。大企業と呼ばれる会社は株式会社がほとんどです。それだけ従業員も会社の規模も大きいため、イメージが良いという付加メリットもつきます。
また、大企業になると福利厚生や給料面でしっかりしておかないと監査が入る可能性が高くなります。監査が入ると最悪法的な処置を取られて業務停止に陥ることもあります。そのようなことがないため、社員が働きやすい環境が整っているところが多いのです。
株式会社に就職するデメリット
- 人間関係が複雑
- 業務量が多い
- 転勤や異動がある
株式会社に就職する上で、デメリットとして挙げられる大きな点は人間関係が複雑であるということです。株式会社は大企業ですから、従業員数も大変多いという特徴があります。その中には、苦手な人や嫌いな人も出てくるでしょう。
人数が多くなると派閥ができたりグループ意識が強くなったりします。そのような人間関係の問題に巻き込まれると、仕事にまで悪影響を及ぼす危険があります。
また、株式会社では多くの仕事を抱えるところもあります。必然的に残業や休日出勤が多くなるということもあります。更には株式会社はあちこちに視点も抱えています。そのような場所へ転勤や異動になる可能性があることもデメリットと言えるでしょう。
有限会社に就職するメリット・デメリット
株式会社にメリットやデメリットがあるように、有限会社にもメリットやデメリットがあります。どのようなメリットやデメリットがあるのか、それぞれ詳しく解説します。
有限会社に就職するメリット
- アットホームな雰囲気が多い
- 転職や異動があまりない
- 意見が通りやすい
有限会社は規模が小さいという特徴があります。社員数が少ないので、社員が一丸となって仕事に取り組んでいます。そのため、大変アットホームな雰囲気のところが多くあります。上司と部下との壁もあまりないため、意見が通りやすいということも言えます。
また、有限会社は各地に支店があるところは大変少なく、地元に密着した会社が多くあります。更には規模が小さいため、社内の部署もあまり多くありません。そのため、転勤や異動があまりないという点もメリットとして挙げられるでしょう。
有限会社に就職するデメリット
- ワンマン経営になっている可能性がある
- 会社の規模が小さい
- ネームバリューが望めない
有限会社はその規模の小ささから、社長などの取締役によってはワンマン経営になっている可能性もあります。その場合は、会社にいること自体に窮屈さを感じるかもしれません。
また、有限会社は株式会社に比べて会社の規模は小さめです。大企業に勤めたいと思っている人にとっては、その小ささがデメリットになることもあります。
有限会社は新設できない
現在、有限会社は新設できません。その理由は2006年に会社法の改正が施行されたからです。
改正される前は、株式会社を設立するために大変厳しい条件が強いられていました。一例として挙げるなら「資本金1000万円以上」「取締役2人、監査役を1名置いて、取締役会を設置しなければならない」などです。一番大きいのは「資本金1000万円」でしょう。
しかし、2006年の会社法の改正で株式会社設立の条件が「資本金1円から設立可能」などのように緩和されました。株式会社設立の敷居が低くなったため、有限会社の設立は廃止されました。
新たに合同会社という形態が設けられた
2006年の会社法の改正で新たに追加されたのが、合同会社です。ですが、あまり合同会社について詳しく知っている人は多くありません。そこで、合同会社の意味や特徴、更にはその他の形態との違いについて解説します。
合同会社の意味
合同会社は、株式会社のように出資額の限度まで出資者に責任が与えられています。ただし、会社の活動を定めた根本的な規則を記した定款があれば、出資者以外でも利益や権限を配分することができます。
株式会社に比べ、定款があれば利益や権限の配分が出資者に限られない仕組みを有する会社を合同会社と言います。
合同会社の特徴
- 経営者と出資者が同一人物
- 出資は金銭に限らない
- 1人でも設立可能
株式会社の場合、経営者と出資者は異なります。ですが、合同会社は経営者と出資者は同一人物です。このことから、1人から設立が可能となっています。誰でも手軽に設立できるということです。
また、出資はお金とは限りません。ノウハウや技術などを出資金の代わりに提供することで、その会社の出資者となることも可能です。
合同会社とその他の形態との違い
ここまで株式会社の有限会社について見てきました。それでは、合同会社との違いはどこにあるのでしょう。合同会社と株式会社、合同会社と有限会社のそれぞれの違いについて解説します。
合同会社と株式会社の違い
合同会社と株式会社の違いとして挙げられるのは、経営の形態です。株式会社の場合は出資者と経営者は異なります。ですが、合同会社の場合は出資者と経営者は同一人物です。
また、利益の配分も異なります。株式会社の場合は株式を所有している人たちに利益が配分されます。ですが、合同会社には「株式」という制度はありません。そのため、利益は自由に配分することが可能です。
合同会社と有限会社の違い
合同会社と有限会社の違いとして真っ先に挙げられるのは、必要資金です。有限会社は資本金が最低300万円ないと設立できません。ですが、合同会社は1円から設立することが可能です。
また、有限会社は株式会社と同様に取締役を1名用意しなければいけません。ですが、合同会社は社員が1名いれば設立できます。この点も大きな違いと言えるでしょう。
合同会社に就職するメリット
- 経営に意見することができる
- 仕事を通じて新たなスキルを得やすい
- 将来独立できる可能性が高い
合同会社は個人運営で成り立っているところが多くあります。そのため、社員一人一人の経営理念などが会社に大きく影響します。会社の経営に不満がある場合は直接意見することも可能なのです。
また、合同会社はその世界のプロが多く集まるという特徴があります。仕事を通じて新たなスキルを同僚から得ることができ、その得た知識やスキルを使って将来独立することも可能になるというメリットがあります。
まとめ
株式会社と有限会社について解説してきました。最近ではあまり見かけなくなった有限会社は、実は設立ができないという背景がありました。その代わりに設けられたのが合同会社です。
大企業で安定した収入を得ながら仕事をしたい人は株式会社を、将来独立したいと思っている人は合同会社がおすすめです。自分の将来を見つめて、その道にあった会社選びをしてください。