仕事が合わないと悩んでいませんか。合わない仕事を続けるのは苦痛であり、我慢しすぎるとうつになる可能性もあります。また、仕事を辞めるべきなのか迷っているかもしれません。今回は仕事が合わないと感じている場合、よくある原因や考えられる対処法について紹介します。仕事を続ける意味を見失っているなら、ぜひ参考にしてください。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
合わない仕事を続けるのは辛い
合わない仕事を続けるのは非常に辛いものです。どうしても、人には適性があるので、性格的に合わない仕事についてしまった場合には日々ストレスが溜まり続けてしまうことも考えられます。
自分に合わないと思いながら仕事を続けていると、ひどい場合にはうつ状態に陥ってしまうこともあります。自分の心と身体の健康を守るためにも、合わない仕事を無理に続けることはよくありません。
仕事が合わないと感じるなら、その原因を正しく把握して適切に対処する必要があります。
仕事が合わないと思う原因
仕事が合わないと感じるなら、まずはその原因を突き止めなくてはなりません。仕事が合わない時、原因として考えられるのは主に以下の8つです。
- 原因①|労働環境が悪い
- 原因②|人間関係が悪い
- 原因③|正当に評価されない
- 原因④|成長ができない
- 原因⑤|仕事への適性がない
- 原因⑥|成果を出せていない
- 原因⑦|会社の社風・価値観が合わない
- 原因⑧|やりたいことができていない
それぞれの原因が、なぜ「仕事が合わない」ことにつながるのか、以下で説明します。
原因①|労働環境が悪い
労働環境が悪い、ということはありませんか。悪い労働環境の例として、以下が挙げられます。
- 給料が低い
- 長時間にわたるサービス残業を強いられる
- 休日出勤が多い
- 有給休暇を取らせてもらえない
いくら周りの人たちが優しくて仕事自体が楽しくても、上記のような劣悪な労働環境だと仕事へのやりがいが感じられません。やりがいがないと努力する気になれず、「仕事が合わない」と感じてしまいがちです。
原因②|人間関係が悪い
仕事をする上でよく悩みの種になるのが人間関係です。人間関係が悪いと仕事が合わないように感じます。多くの仕事でチームプレーが必須であり、他の人の協力がなければ仕事が円滑に進まないからです。
上司と合わない場合には理不尽に叱られたり、同僚とのコミュニケーションがうまくいかない時には作業上で無駄足を踏んでしまうことがあります。
仕事というよりも「職場が合わない」と感じるなら人間関係が原因かもしれません。
原因③|正当に評価されない
自分は頑張っているのに正当に評価されない場合、人は「自分が悪い」「仕事が合っていないからだ」と考えてしまう傾向にあります。
実際には、あなたの出来にかかわらず、好き・嫌いで評価をする上司もいます。上司から好かれていないために不当な評価を受けていることも考えられます。
この場合、自分の意識と周りの評価にずれがないかを確認しておきましょう。自分は頑張っているつもりでも、空回りをしている可能性もあります。力の方向が正しいかどうか、今一度確かめてみてください。
原因④|成長ができない
仕事は生活のためだけではありません。仕事を通して自己実現をすることも、働くことの目的の1つです。そのために、苦労して就活をしたと言っても過言ではないでしょう。
しかし、仕事が単調、理想となる先輩がいない、将来的に仕事の幅が広がるとは思えない…など、成長が期待できない会社に入ってしまったのかもしれません。
惰性で仕事を続けることが楽だと思う人もいれば、やる気が出ずに「合わない」と感じてしまう人もいます。
原因⑤|仕事への適性がない
そもそも、仕事への適性がないことも考えられます。就活の時の自己分析が甘かったり、企業名だけで入社を決めたりした人にありがちです。
「コミュニケーション能力を生かしたいからと営業職に就いたものの、数字を扱う管理能力の方が大切だった」「金融に興味がないものの大企業だからと入社したら、勉強ばかりで辛い」ということがよくあります。
そもそも自分の適性に今の仕事が向いていない、と感じるなら、早めに仕事内容や職種を変えることをおすすめします。特に若いうちは、得意なことで能力を伸ばすべきでしょう。
原因⑥|成果を出せていない
自分の適性とも関係があることですが、頑張っているのに成果が出ていないと「仕事が合わない」と感じてしまいます。ノルマで成績がわかる営業職や、未経験のエンジニアなどによくある悩みです。
仕事が合っていないから成果が出せていないのか、それとも自分の努力の方法が間違っているのかどうかをはっきりさせなければなりません。
優秀な人と自分を比較するなどして、なぜ成果が出ないのかを考えてみる必要があります。
原因⑦|会社の社風・価値観が合わない
仕事内容自体は楽しくても会社の社風や価値観が合わないと、仕事自体が合っていないように感じることがあります。会社の理念に則って仕事を進めるので、社風や価値観が合わないと仕事が辛くなってしまいます。
例えば、自分は下請け会社を大切にしたいと考えていても、会社は「下請けはいくらでもいるから、できる限り値切る」という方針だったとします。
そうすると、自分の良心と会社の方針の間で揉まれることとなり、今の仕事は合っていないと感じてしまいがちです。
原因⑧|やりたいことができていない
やりたいことが明確にあるのに、やりたいことができていないということはありませんか。
「企画がやりたくて広告業界に入ったのに、メディア営業に配置された」など、自分の希望がかなわないせいで仕事が合っていないと感じる可能性も考えられます。
若手の場合数年でジョブローテーションがあったり、やりたかった仕事を任せてもらえるようになるものです。ですが、今やりたいことをやれないせいで仕事自体が合っていないように思うのも無理はありません。
合わない仕事はすぐ辞めるべきなのか
合わない仕事はすぐに辞めるべきなのでしょうか。合わない仕事を続けることは辛いものの、考えなしに辞めてしまうのは危険です。つまり、辞めるべきかどうかは状況次第だと言えます。
以下では仕事を続けた方がいい場合と転職を考えた方がよい場合を、状況別に解説します。自分はどちらにあてはまるのかを考えてみてください。
仕事を続けた方がいい場合
「合わない」と感じていても、以下にあてはまる場合は仕事を続ける方がよいでしょう。
- その仕事を始めたばかり
- 部署異動を願い出ることができる
- 将来的に職務が変わる可能性がある
- 続けていると実力・スキルがつくと感じる
- 特にやりたいことがない
仕事歴が浅かったり、特に次の仕事への希望がない、また合わないながらも続けていれば実力がつくと感じる場合には、現職に留まってキャリアを積んだ方が数年後の転職に有利になります。
また、部署異動などを含め環境や職務が変わる可能性があるなら、無理に転職する必要はありません。転職は時間と労力が必要なので、できるだけ同じ会社内で変化を求める方が効率がよいと言えます。
転職を考えた方がいい場合
一方、以下にあてはまる場合には転職を考えた方がよいでしょう。これらの場合は会社に留まるメリットが極めて少ないので、転職によって環境自体を変えてしまうことをおすすめします。
- 部署異動ができない
- 成長の見込みがない
- パワハラに合っている
- 会社が明らかにブラック企業
- 他に明確にやりたいことがある
中小企業で人間関係や仕事内容などを部署異動で変えられない時は転職しか選択肢がないかもしれません。
また、人間関係が悪いというよりも一方的にパワハラを受けていたり、会社がブラック企業である場合にはすぐにでも転職活動を始めてください。我慢すると心や身体を壊し、取り返しのつかないことになりかねません。
合わない仕事を我慢してしまう人の心理
では、なぜ仕事が合わないと感じつつも我慢してしまうのでしょうか。
仕事が合わないのに続けている人の心理として考えられるのは以下の3つです。
- 心理①|忍耐力がないと思われるのが怖い
- 心理②|次の仕事を探すことがストレスに感じる
- 心理③|自分の努力不足だと思ってしまう
上記3つの心理について解説します。
心理①|忍耐力がないと思われるのが怖い
「仕事は最低でも3年は続けなければならない」というフレーズは、就職活動時からよく耳にします。その言葉にとらわれてしまい、合わない仕事を我慢してしまっている人が多数います。
「今辞めてしまうと、忍耐力がないと周りから思われてしまう」「まだ経験が浅いので、転職活動をしても忍耐力がないとみなされそう」という恐怖感を抱えてしまっています。
恐怖感から行動を起こすことができず、現在の仕事に甘んじてしまう、という心理が考えられます。
心理②|次の仕事を探すことがストレスに感じる
仕事が合わず「環境を変えなければならない」と分かっているものの、就職活動や転職活動に苦労した経験がある人はなかなか動けないことがよくあります。
転職活動は決して簡単なことではありません。時間と手間がかかります。そして、合わない今の仕事を続けながらの転職活動を考えると、その労力を考えて嫌気が差してしまうのです。
転職活動の苦労を考えると、今の仕事を続ける方が楽だと感じることから、合わない仕事でも我慢してしまいます。
心理③|自分の努力不足だと思ってしまう
責任感が強く真面目な人に多いのが、「もっと努力をしなければならない」と考えてしまうことです。仕事が合わないのは「自分の努力不足だ」と思い、さらに頑張ろうとしてしまいます。
特に勉強が得意だった人は今まで大きな挫折経験がないこともあり、頑張れば克服できないことはないと考えがちです。また、自分が努力不足で辞めると周りに迷惑がかかってしまう、と自分を追い詰めてしまうこともあります。
この心理のために無理に働き続け、うつ症状が出てしまう人もいます。
新卒で辞めても大丈夫なのか
「新卒は3年続けなければならない」とよく言われます。もちろん、新卒で入社した仕事を続けることに越したことはありません。
仕事が自分に合わないと思って転職しても、次の仕事も合わない可能性があります。そのために転職を繰り返してしまう人もいるので、それよりは新卒の会社で踏ん張って実力をつけ、自分の適性をじっくり考える方が転職の成功率は上がるでしょう。
しかし、新卒で入社した会社が明らかにブラック企業である場合やパワハラを受けている場合はすぐに辞めてしまいましょう。ブラック企業は早く見切りをつけることが大切です。
今は既卒や第二新卒に特化した転職サービスも多数あり、多くの企業が若手人材を欲しがっています。正当な理由があれば転職が不利になることもないので、3年間もブラック企業で耐え続ける必要はありません。
仕事が合わないと思った時に行える対処法
では、仕事が合わない時と感じたらどうすればよいのでしょうか。考えられる対処法に、以下の4つがあります。
- 対処法①|休暇を取る
- 対処法②|部署異動を願い出る
- 対処法③|仕事を続ける期限を決める
- 対処法④|転職サービスを使ってみる
それぞれの対処法について紹介するので、自分ができそうなことから試してみてください。
対処法①|休暇を取る
仕事が合わないと感じたら、一度休暇を取ってみましょう。ゆっくり休むことで考えがすっきりとまとまることがあります。なぜ仕事が合っていないのか、仕事を続けるべきなのかどうかの答えも出せるはずです。
特に、仕事を続けることにするなら定期的に休暇を取るようにしてください。合わない仕事をしているとストレスが溜まるので、息抜きを意識して行うことが大切です。
対処法②|部署異動を願い出る
今の会社の中で仕事内容や環境を変えられる可能性があれば、部署異動を願い出てみましょう。年度の変わり目が最も異動しやすい時期なので、相談するタイミングを見計らうことが大切です。
会社次第では年度にかかわらず、部署異動に応じてくれるところもあります。まずは、先輩や上司に会社の事情を聞いてみることをおすすめします。
対処法③|仕事を続ける期限を決める
仕事が合わないものの、まだ辞めるべきではないと感じるなら「いつまでは続ける」という期限を決めてみてください。期限を定めることで、自分が今何をすべきかが見えてくるはずです。
転職に備えて実績を積む、資格を取る、やりたいことを探す、など、目標を設定して期限までに達成できるように計画を組んでみましょう。
対処法④|転職サービスを使ってみる
今すぐに転職を考えていなくても、転職サービスを使ってみることはおすすめです。例えば、転職エージェントに話を聞いてもらうことで今後の方向性が見えたりすることがあります。
また、転職する気がなくても転職サイトに登録しておくと、思わぬタイミングでよい求人の募集開始の通知が来ることがあります。その勢いで転職活動を始め、成功するケースも考えられます。
本当に合わない仕事を続ける意味はない
「仕事をしばらく続けた方がよい」という場合も前述しましたが、それでも結局は仕事が合わないと感じるなら、無理に続ける必要はありません。どこかで区切りをつけ、仕事を変えることをおすすめします。
仕事は、人生の多くの時間を費やすものです。1日のうちの最低8時間、つまり人生の3分の1を仕事に捧げることになります。仕事が合わないと人生自体がうまくいっていない気になるのも仕方がありません。
自分の人生を充実させるためには、自分に合った仕事が必要不可欠です。今は我慢をして合わない仕事を続ける時期であったとしても、ずっと続けるべきものではないということを覚えておいてください。
まとめ
今回は仕事が合わないと感じる場合の原因や対処法、合わない仕事を続けてしまう心理について解説しました。
仕事が合わないことは、大きなストレスとなります。仕事が合わない原因を把握して、その原因を取り除き、適切に対処しなければなりません。合わない仕事を我慢し続けるとうつを発症することもあります。
うつは一度発症すると完治しません。治療には長い期間が必要で、仕事もできなくなります。そうならないためにも、今の環境で悩みが解決できないと思うなら、早めに転職に乗り出すようにしてください。