世界的なウイルスの蔓延でオリンピックが延期となりましたが、準備に伴い建築業界に注目が高まっています。建設業界と聞くと、泥臭いイメージをお持ちの方も多いですが、年収や業務内容も重要な判断要因となります。本記事では、まず建設業界の概要や年収ランキング。続いて仕事、求める人材や展望についてお伝えします。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
建築業界とは
建設業界と聞くと、家やビルの建設や電気・水道などインフラ整備に関わる業者を想像する方もいらっしゃると考えられます。
- 計画する・監督する
- 機械や資材を提供する
建設業界を大きく2つに分類することができ、さらに細かな業務内容によってグルーピングすることも可能です。
このように事業内容や商材は多種多様ですが、建設業界は人々の暮らしを豊かにして、街や地域活性に貢献しているのです。
一見すると、現場で働く華やかさにかけた印象かもしれませんが、数ヶ月から年間単位での建設に取り組む責任も求められると言えます。
建築業界の構造
前述の見出しでは、建築業界とは何かを解説しましたが、業界全体を網羅的に理解するために本見出しでは建築業界の構造をご説明します。
- ゼネコン: 建築工事を一式で請け負う
- マリコン: 海上土木工事を請け負う
- サブコン: ゼネコンの下請けをする
建築業界はこのように3つのグループに分類することができ、各担当領域も明確に分かれています。
また、各分類を代表する企業は以上となっており、大手ゼネコン5社を含めた建築業界で人気の企業が含まれています。
建築業界を志望する場合、同じグループの中から複数社を志望したり、他のグループと併願して受けることも推奨されます。
建築業界の年収ランキング
上述の見出しでは、建築業界の構造として3つのグループと代表的な企業をお伝えしたので、就職を前向きに検討する方もいらっしゃると思います。
以上が、最新の各社平均年収をもとに作成した、建築業界の平均年収ランキングとなります。
特記すべきは、大手5大ゼネコンを抑えてコンクリート製造物に特化して建築事業を営む、ショーボンドホールディングスが1位であることです。
ただし、大手ゼネコン5社のうち竹中工務店を除く上位4社の平均年収は、1,000万円超えという結果となっています。
大手ゼネコンとは
前述の見出しにて、ゼネコンの平均年収が高いとご紹介しましたが、そもそもゼネコンとは何か再確認したい方もいらっしゃると思います。
- マンションやビルの建設をする総合建設業者
- 建設に関わる下請け業者などを全体管理
- 設計、施工と研究の3点をカバーしている
ゼネコンの定義として、このようなポイントが挙げられますが、大手ゼネコン5社は売上や従業員数でも中堅ゼネコンを大きく引き離しています。
以上が、大手ゼネコン5社の売上と従業員数をまとめた結果になりますが、社風や事業内容を知りたい方は公式ホームページをご覧ください。
- 事務系
- 土木系
- 建築施工系
- 建築設計系
- 建築設備系
また、新卒採用としては総合職採用にて、文系理系を問わず、以上のような人材を採用していますので、募集要項も合わせてご参照ください。
建築業界の仕事内容
建築業界への興味をお持ちの方は、俯瞰して業界研究を行うことに加えて、企業研究として仕事内容への理解を深めることも重要になります。
- 設計
- 施工
- 開発
既にご紹介しました通り、建築業界を代表するゼネコンは以上の業務を行っておりますので、この見出しでは建築業界の仕事内容を解説します。
以上が、建築業界の大まかな仕事内容をさらに細かく定義づけした業務となります。
建築業界では、建物を設計して建築し更にその品質や精度を高め続けることが必要であり、詳細と大要の両方をバランスよく見る必要があります。
数ミリ単位の測量調整から、優れたパフォーマンスを発揮する材料の使用によって、世界的にも高品質と言われる日本の建築物は作られています。
建築業界の求める人材の特徴
前述の見出しでは、建築業界の仕事内容をお伝えしましたので、建築業界に応募してみたいと感じた方も多いと考えられます。
そこでこの見出しでは、建築業界の求める人材の特徴を3つご説明しますので、自身が持つ適性の理解や志望動機の作成にご活用ください。
特徴①|貢献性
1つ目の特徴は貢献性です。貢献性とは、誰かの持つ目標を達成するために、自身が寄り添ってサポートをすることと定義できます。
- 建築物を発注したクライアント
- クライアントの大切な顧客や取引先
- 顧客や取引先を頼りにする大勢の消費者
例えば、建設業者の直接的なお客様は建築物の建設を依頼したクライアント企業ですが、その企業にはより多くの顧客や取引先が存在します。
さらにそれらの顧客や取引先は、大勢の一般消費者によって事業が成り立っており、建築物のもたらす経済的効果は計り知れません。
そのため、建築業界を支える人材には、単にクライアントのためではなく、その先の人々へ建設を通して貢献することが求められています。
特徴②|責任感
2つ目の特徴は責任感です。責任感とは、受注した仕事や自分が担当として成し遂げるべき業務を最後までやり通す実行力と定義できます。
建築業界では、もともと予定していた建設スケジュールにはない事態が発生して、予定が大きく狂うケースが多々あると考えられます。
- 建設に使用する部材の遅延納入
- 悪天候による建設の日程遅れ
- 怪我や病気による人材数の不足
しかし、このような状況に直面しても一度建築を請け負ったならば、最善の努力を続けて1日も早い建設の完了を目指さなければなりません。
建築業界では、困難な事態にも負けず高いプロフェッショナル意識を持って取り組める、責任感に溢れた人が向いていると考えられます。
特徴③|協調性
3つ目の特徴は協調性です。協調性とは、自分1人だけでなく他者とともに、何らかの共通目標を達成するため活動する姿勢と定義できます。
建物の建築は、数多くの企業やそこで働く人材の力が合わさって初めて可能であり、物と人力のバトンリレーのようだと表現できます。
- 木材を切り出して建設用に準備する
- 準備された木材を建設現場に運ぶ
- 運ばれてきた木材を建築で使用する
例えば、建築業界で不可欠な部材の1つである木材をとってみても、現場で使用するまでに最低2つの業者によって取り扱われているとわかります。
建築業界で働く人には、各々の役割を正しく認知して、チーム一丸となって1つの建築物を建てているという協調意識が必要とされています。
建築業界の課題
建築業界を志望する方の中には、業界が今後どのような方向へ進んで行くのかを事前に把握しておくべきと考える方もいらっしゃると思います。
そこで本見出しでは、建築業界の課題を4つご紹介しますので、業界が直面する課題を理解して対策を自分なりにまとめておくと良いでしょう。
課題①|人手不足
1つ目の課題は人手不足です。人手不足とは、建築現場で働く人が本来必要な数よりも少なくなってしまっている状況を表します。
- 日本国内の人口減少
- 建築業界からの若者離れ
- 外国労働者の入国規制
建築業界で人手不足となっている理由としては、このような理由が考えられますが、各社ともに生き残りをかけた厳しい競争が求められています。
例えば、10人の作業員が1日かければ終わる仕事でも、人手不足で5人しか確保できない場合には仕事を完了するのに2日かかることとなります。
建築効率の向上や高機能製品の導入など、人手不足の影響を軽減する方法はいくつか用いられていますが、根本的な解決には至っていません。
課題②|サプライチェーン
2つ目の課題は、サプライチェーンです。サプライチェーンとは、調達から販売までの4プロセスを繋ぐものづくりのサービスラインです。
- 建築材料の調達
- 建築用材料、および部品の生産
- 建築用物資の物流
- 建築用物資の販売
建築物の建設に至るまでのサプライチェーンとしては、上述4項目が挙げられますが、建築物という特性によりサプライチェーンも幅広くなります。
- 原材料調達のリードタイム短縮
- 建築工程の最適化
- 建築仕様と建設費のバランス取り
今後、建築業界で働く人材の確保が難しくなることを考慮すると、このような対策でサプライチェーンを合理化することが不可欠となります。
建設業界は、物や人と密接に関係しているため、サプライチェーンを見直せるか否かが業界全体に影響する大きな課題だと考えられます。
課題③|建設材の価格高騰
3つ目の課題は、建設材の価格高騰です。建設材とは、大きく分類すると以下があります。
- 木材
- 鉄鋼材
- 特殊機能材
これらは、建設業界の上流にあたる原材料メーカーから提供されますが、基本的に価格は上昇の一途を辿るため建設業界の負担になります。
- 原材料の資源的価値上昇
- 原材料メーカーの人件費上昇
- 原材料の輸送費用上昇
具体的には、このような費用の上昇が原材料メーカーから建設業界の各社へ請求されるため、建築にかかる費用として重くのしかかってきます。
ゼネコンの場合、上流や下流に位置する関連取引先企業を買収する方法も考えられますが、実情としては法的制限もあり厳しいのです。
課題④|収支管理の難化
4つ目の課題は、収支管理の難化です。収支管理とは、工事にかかる総費用と依頼主からの工事代金差による利益を確保することと定義できます。
- 材料費
- 建築加工費
- 労務費
- 販売管理費
- 利益
建築物においては、依頼したクライアントへの費用請求をするにあたり考慮すべき点が5つあり、一定の利益額を確保する必要があります。
前述の通り、この中のいくつかは費用が上昇傾向にあるため、建築工程の最適化やオペレーションの合理化で収支を調整しなければなりません。
建築業界の今後の動向
前述の見出しでは、建築業界が直面する課題をお伝えしましたので、悲観的に捉えて志望を取りやめるべきか迷う方もいると考えられます。
- 建築物の老朽化による再建設のニーズ
- オリンピックなどイベント時の建設ラッシュ
- 環境課題に対する長期的な改善対応策
結論をお伝えすると、これら3つの理由から建設業界の今後の動向は明るく、成長幅が大いにあると考えられます。
建物は、一定のサイクルで老化するため順番的に建て替えが不可欠であり、特に環境問題でヒートアイランド現象の軽減が求められています。
また、2021年に延期となったオリンピックのみならず、ワールドカップやフィギアスケートなどの大規模スポーツイベントにて需要が見込めます。
10年後の建築業界
本記事の締めくくりとして、さらなる成長が見込まれる建築業界の10年後として、いくつかのシナリオをご紹介します。
業界を問わず、世界的大企業の経営や行政課題に取り組むコンサルティングファームによると、都市化はメガトレンドの1つに含まれています。
- 機器の発展による建設期間の短縮
- ゼネコンに代わる他企業の台頭
- 業界再編による建築会社の合併や再編
最も確率が高いのは、建設機器がITの発展により合理的な機器へ発展を遂げ、半年から数年単位の建設期間が短くなるというものです。
また、収支を中心として建築業界内の競争が進む中で、経営難の企業を投資ファンドなどが管理して、パワーバランスが変わる可能性もあります。
いずれにせよ、建築業界が変わりゆく中で企業の買収、合併や再編などは見込まれるため、自分自身も変化に適応することが求められます。
まとめ
建築業界は、設計から開発までを一挙に担うゼネコンや下請け業者などで構成されていますが、上位の平均年収は1,000万円を超えていました。
また、建築業界の仕事内容、課題や今後の動向に関しても解説しましたので、ご興味のある方は企業研究を進めてみてはいかがでしょうか。