就職や転職に欠かせない面接を電話で行う「電話面接」が増えています。今回は電話面接について解説します。電話面接にはどんな意図や理由があるのか、足きりというのは本当なのかなど気になる点についても触れています。また電話面接の受け方やマナー、挨拶のコツなど、電話面接に必要なポイントも多数紹介しています。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
電話面接とは
電話面接とは、文字通り「電話で行う採用面接」です。通常の面接は、面接官と応募者が対面で直接会話をして行います。そのやり取りがすべて電話だけで行われるのが電話面接です。
もともとは遠隔地に住んでいるなどの理由で、どうしても面接に行けない応募者に対して行われていました。しかし、近年では一般の応募者も電話面接の対象とする機会が増えています。
電話面接をするか否かは企業ごとの基準で決められていますが、特に外資系企業では電話面接が比較的多く行われています。これには外資系企業は日本企業に比べて考え方が自由で、電話面接の効率の良さを重視するから、という見方もあるようです。
電話面接の意図
現代でも面接は対面で行われるのが主流です。その中で「電話面接」を採用する意図は何なのでしょうか。
以下では電話面接を行う2つの意図について解説します。
意図①|コロナ感染予防
まずは何と言っても「コロナ感染拡大の予防を目的とした電話面接実施」です。コロナウィルスは「3密」と言われる状況で感染しやすくなります。通常の対面面接は、この3密の状況になりやすく、現在は危険です。
そこで応募者と面接官が直接会わない、電話面接が多く行われるようになりました。実際に電話面接を行った企業では、電話面接にメリットを感じることもあるようです。
もちろん、対面で会っていないためそこがお互いのデメリットとなることもありますが、少なくともコロナウィルスがある程度収束されるまでは、コロナ感染拡大予防を目的とした電話面接が増える見込みです。
意図②|応募者の足きり
次に「応募者の足きりを目的とした電話面接の実施」です。応募者の細かい人となりなどは、やはり対面でないとわからない、という意見は多くあります。
しかし、応募者が多い企業では「まずは電話面接をしてみて、その時点で興味を持てない応募者を落とす、つまりふるいにかける」と考え、電話面接を実施しているようです。
対面よりも電話面接の方が簡単だとは言いませんが、やはり顔が見えないことが応募者にとって有利に働くこともあります。そのため「電話面接をクリアできないようではダメ」と考え、足きりに使っていることもあるようです。
電話面接のメリットとデメリット
ここからは「電話面接のメリットとデメリット」について解説します。メリット・デメリットの両方をそれぞれご紹介しますので、参考にしてください。
メリット
まずは電話面接のメリットです。
- ①振る舞いや所作を見られない
- ②自宅など自分のテリトリー内で行えるため精神的な余裕が出やすい
- ③往復の時間や交通費を節約できる
主なメリットは以上の3つです。
①の振る舞いや所作については苦手としている人も多く、中には所作をこなすことで手一杯で肝心の面接内容が飛んでしまったという人もいるでしょう。電話面接ではそのような心配が無用です。②は環境の変化による緊張をやわらげられます。
③は複数の企業を志望する応募者には大変嬉しいメリットです。行き来する時間は何かとかかりやすいですし、積み重なる交通費で生活が圧迫されることもありません。
デメリット
次は電話面接のデメリットです。
- ①電話で自分の良さを伝えなければならない
- ②面接官の反応が見えにくい
- ③会話がかぶりやすい
主なデメリットは上の3つです。
①は対面であれば表情や仕草、ボディランゲージなどを含めたトータル的な良さをアピールできます。しかし電話だとそうはいきません。普段電話での会話に慣れていない人ほど、自分の伝えたいことを簡潔に話すのが難しく感じます。
②は対面面接であれば、面接官の表情や仕草から言葉を足したり、選んだりできますが電話面接だとそれができません。相手の言葉以外の反応は沈黙しかなく、それがただの間なのか、相手の期待に応えられていないことで生まれた沈黙なのか見分けるのは困難でしょう。
③は相手が話そうとする様子が見えないことで発生するデメリットです。相手と会話がかぶってしまうとお互いに話しにくさを感じ、会話を深めるのが難しくなります。
電話面接の前にするべき準備
電話面接に臨む前にはいくつかの準備が必要です。以下で紹介する準備はどれも非常に大切で、これらの準備を怠るとスムーズな電話面接が難しくなります。
準備①電波のいい静かな場所を探す
まずは「電話面接を受ける場所探し」です。電波が良く、静かな場所を探しましょう。自宅内で受けるという人が多いようですが、その場合は近隣の物音にも注意が必要です。
家族や同居人の協力で防げる雑音は防いでおきましょう。テレビの音や話し声などが電話面接の間に聞こえないように配慮してください。宅急便の時間指定なども見直しておいた方が良いかもしれません。
準備②筆記用具とメモ帳を用意する
次に「いつでも書けるペンと紙の準備」です。電話面接は対面の面接と違って、面接中にメモを取れます。面接官の反応や自分の回答を、後で思いだせるようなメモ書きがあると次に生かせます。
もちろん、電話面接の中で次の選考についての指示や、今後の流れなどが説明されることもあります。その場合にメモがないと、聞き直したり電話で問い合わせをしなくてはならず二度手間です。
準備③履歴書や自己PR文を用意する
また、忘れてならないのは「履歴書や自己PR文の用意」です。つまりカンペの準備と考えて良いでしょう。対面面接ではできない、カンペの利用が電話面接では可能です。
ただし、話すことを1から10までカンペに書いてしまうと、文章を読み上げていることが相手に伝わってしまいます。話すポイントだけを簡潔に書いた、メモ書き程度に抑えておいたがほうが賢明です。
準備④聞かれそうな質問を考えておく
最後に「面接で聞かれそうな質問をあらかじめ考えておくこと」です。これは対面の面接でも同じことですが、電話面接では不慣れな状況で相手の質問の意図を組み違える可能性があります。
そんなときに、聞かれそうな質問を書いたメモなどがあれば、質問に答えるヒントになるかもしれません。質問は定番のものから、その企業特有の質問など、しっかりと情報収集をして書き留めておきましょう。
電話面接のかけ方と出方
次に、電話面接のかけ方と出方についてです。近年では電話での通話に慣れていない人も多く、基本的な電話のかけ方や出方自体がわからない人もいるかもしれません。
電話をかける場合
まずは「自分が電話をかける場合」です。
- 指示された時間にかける
- 「もしもし」ではなく「恐れ入ります」
- 学校名とフルネームを伝える
- 電話面接の約束をしていることを伝える
- 担当者へ繋いでもらう
上記のポイントを含めると、以下のようになります。
「お忙しいところ恐れ入ります、私(わたくし)は○○大学の田中一郎と申します。御社人事部の鈴木様と、本日14時より電話面接のお約束をしております。ご指定いただいた時間となりましたのでご連絡いたしましたが、鈴木様におつなぎいただけますでしょうか」
こちらが話す間に、先方からも「はい」「お世話になっております」など、相槌が入ると思われますので、その際は会話がかぶらないよう、相手にゆずるようにしましょう。
電話に出る場合
次に「先方からの電話に出る場合」です。
- 3コール以内に出る
- 「もしもし」ではなく「田中でございます」など名乗る
- 先方が社名や名前を名乗ったら「お世話になっております」などの挨拶
- 先方が話している間は、適度に「はい」と明確な相槌を打つ
電話面接の電話がかかってくるとわかっているのであれば、約束の時間は他のことをせずに、電話を前に置いて待っておきましょう。遅くとも3コール以内に出るのは必須です。
先方からかかってくる場合は、話の主導権が相手にあるため、無理に自分から話す必要はありません。面接が始まるまでは、相手の言葉を理解してハキハキとした相槌を打つよう心がけてください。
印象の良い電話面接になるポイント
次に、電話面接での印象を良くするためのポイントを4つご紹介します。電話は相手の顔が見えない、声だけのコミュニケーションツールです。対面のときと同じように考えていると失敗することがあります。以下のポイントをしっかりと意識しておきましょう。
ポイント①|表情や仕草をつけながら話す
まずは「顔が見えなくても、表情や仕草をつけながら話す」ということです。面接官が前に座っているのと同じつもりで表情や仕草をつけて話せば、自然と言葉に感情がこもり、言葉や状況に合った声を出しやすくなります。
- 目の前にぬいぐるみなど、話す対象とするものを置く
- 鏡で自分の表情をチェックしながら話す
電話面接で避けたいのは「メモしたことを事務的に話している」と思われることです。そうならないためには、言葉や話し方に感情を込める必要があります。
電波状態に問題がなければ、ワイヤレスイヤホンやマイクを利用して、電話を持たずに話すと表情や仕草を出しやすいかもしれません。スマホから直接のハンズフリーは周囲の音が入るので控えましょう。
ポイント②|きちんと相槌を打つ
次に「顔が見えない分、きちんと相槌を打つ」ということです。電話では声でしか意思表示ができません。黙ったまま相手の話をずっと聞いていると、相手は「聞いているのかな」と不安になり、話しにくさを感じます。
相槌を打ちすぎるとせわしない印象になりますが、相手の話が少し途切れた瞬間などに「はい」「えぇ」「かしこまりました」など、適切な相槌を打つように意識してください。
もちろん、相槌のときも「うなずく」というアクションと平行して行うことが大切です。
ポイント③|うなずいてから話し始める
また「相手の言葉が終わったら、一度うなずいてから話し始める」ということも重要です。電話は「間」によって会話の自然・不自然が分かれます。当然、自然な会話と判断してもらった方がこちらにとっても有利なはずです。
この「間」は、相手が話し終えてからどれくらいのタイミングでこちらが話し始めるか、という部分がひとつの目安となります。
相手が話し終わったら、一度うなずいてから「はい、私は~」などと話し始めると、電話でのちょうど良いタイミングを計れます。このうなずきがないまま話すと、間が狭すぎたり広すぎたりして、不自然な会話に近づいてしまいます。
ポイント④|不要な言葉を発さない
最後に「あー・えー」などの「不要な言葉を発さないこと」です。日常会話で癖になっている人が大半だと思いますが、「あのー」「えーと」など不要な言葉を発すると、どうしてもだらしない印象になります。
電話面接では声でしか自分を伝えられません。そのため、対面のときよりも「あー・えー」「あのーえーと」などの不要な言葉の印象が強くなりがちです。
少し考えたいときなどは「少々お待ちください、少し考えます」など、不要な言葉を使わずに自分が今何をしているか、ということを伝えるようにしましょう。
最近はテレビ電話面接も増えている
ここまで「電話面接」について解説してきましたが、最近ではテレビ電話を使った面接も増えています。
テレビ電話面接は、電話面接のデメリットである「相手の顔が見えない」がカバーされ、それでいてお互いに時間を節約できるということで、これからも増えて行くことが予想されます。
特に外資系企業やIT企業などでは、すでにテレビ電話面接を行っているところが多いようです。
最近では使い方が易しいテレビ電話機能も増えており、比較的古い体質の企業でもテレビ電話面接が採用されていくかもしれません。
電話面接を攻略して採用を手に入れよう
コミュニケーションテクニックとして有名な「メラビアンの法則」によれば、人の印象は「視覚55%・聴覚38%・言語7%」で決まると言われています。
電話面接では、視覚から得る55%の情報が欠けるため、残り38%の聴覚と7%の言語で判断されるということです。こう考えると、電話面接で選考に残るのは難しいと思うかもしれません。
しかし、考え方によっては「みんなが不利な状況だからこそ、攻略しやすい」とも言えます。電話で話すことに慣れ、相手の気持ちに届くような話し方ができればライバルを出し抜くことも可能です。まずは、電話面接を好機と捉えるところから始めましょう。
まとめ
今回は「電話面接」について解説しました。近年ではSNSやチャットでコミュニケーションを取ることが多く、電話で話すのは数年ぶりという人も珍しくないようです。
就職や転職という、人生の大きなターニングポイントに不慣れな電話面接で挑むのは勇気が要ることかもしれませんが、社会に出れば電話での会話は日常になります。
電話に苦手意識を持っている人は、まずは友人や家族と電話で話すことから始めてみましょう。