就活を始めるにあたり、総合職と一般職のどちらを選ぶのかは重要な選択です。特に女性の場合は、将来のライフプランに与える影響が少なくありません。また、一度選択したら変更できないのか、不安に思う人もいることでしょう。そこで今回は総合職・一般職とは何か、その違いなどについて解説します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
総合職と一般職とは
新卒採用においても、企業の募集要項の中で「総合職」「一般職」という記述はよく見かけます。また国家公務員試験でも、2つの職種は区分されており、試験内容も異なります。ここでは、総合職と一般職とは何かについて説明します。
総合職の仕事
総合職とは、企業が将来は管理職として登用するための幹部候補生を意味します。そのため、異動しながら様々な部署で仕事の経験を積むケースも珍しくありません。総合職は、判断を必要とする基幹業務を行います。そして、以下のように分類されます。
- 事務系総合職/商品開発・広報・営業・企画・購買・人事・経理・総務・法務などの職につく
- 技術系総合職/研究・生産・開発・設計などものづくりに関わる職につく
総合職は自分の考えや経験に基づいて仕事を進めることができますが、その分の責任を負うことになります。
一般職の仕事
一般職とは、総合職をサポートするための定型業務を担う人をさします。基本的にはルーティンワークが多く、勤続年数が長くなっても業務範囲が増えるのは稀です。また、チームで仕事をする傾向が高いです
一般事務などは派遣社員やパートが担当する企業も増えており、役職者にならない限り、大きな責任を担うことは少ないです。
総合職・一般職と専門職の違い
総合職・一般職と専門職の一番の違いは、特定の資格を取得していないと業務に就けないことです。医師や弁護士、税理士、公認会計士など、国家資格が必要な職業が専門職に分類されます。
専門職は新卒採用の時点で、総合職や一般職より給与が高いことが多いですが、大学で専門分野を専攻したり、国家資格を取得する必要があります。
総合職と一般職ができた背景
新卒採用において総合職と一般職が分類されるようになったのは、1986年ころといわれています。男女雇用機会均等法が施行され、性別ではなく、仕事内容によって評価を行うよう、法律で定められました。
しかし日本企業には「男女には能力差がある」という思考が残っていたため、総合職と一般職という名目をつけることで、応募の段階で男女別になるしくみをつくったのです。しかし現代においては男女関係なく、総合職・一般職に応募できます。今後は、この名称も無くなる可能性があると考えられます。
総合職と一般職のメリット・デメリット
新卒入社の時点で、総合職と一般職のどちらを選ぶかで、その後のキャリアの積み方や生涯賃金に差が出るのは周知の事実です。就活生はそれを踏まえて、自分が目指す職種を決めなければなりません。
ここでは、総合職と一般職それぞれのメリット・デメリットについて説明します。
総合職のメリット・デメリット
総合職は将来の幹部候補として、社内で総合的な仕事を担うことになります。ここでは、総合職のメリットとデメリットについて紹介します。
総合職のメリット
- 幅広い業務に携わるチャンスがある
- キャリアアップしやすい
- 一般職より給与が高い
- 社内評価が高い傾向が強い
成長志向が強い、出世したいと考えている人にとっては、総合職のメリットは魅力的です。
総合職のデメリット
- 転勤する可能性が高い
- 残業や休日出勤が一般職より多い
- 仕事の責任が重い
幹部候補生である総合職は、様々な経験を積む必要があるため部署異動も多く、給与が高い分の成果をあげることを求められることがプレッシャーになるケースもあります。
一般職のメリット・デメリット
一般職は、会社にとって必要不可欠な業務を担当しますが、業務範囲は限定されます。ここでは、一般職のメリットとデメリットについて説明します。
一般職のメリット
- ワークライフバランスをとりやすい
- 異動や転勤の可能性が低い
- 得意分野の仕事に集中できる
一般職は正社員であっても、残業が少ない傾向が高いです。そのため、プライベートな時間をとりやすく、オンオフのメリハリがつけやすいです。転勤がない分、ライフプランも立てやすく、得意分野の業務において、スキルを掘り下げることができます。
一般職のデメリット
- 総合職より給与が安い
- スキルアップしにくい
- キャリアアップしにくい
一般職は総合職とは違い、自分の働きが利益につながるわけではありません。そのため、総合職より給与が安く設定されます。また業務範囲が狭く、役職者のポストも限られているので、スキルアップやキャリアアップしにくいのが現実です。
総合職と一般職の違い
総合職と一般職では、企業に求められるものが明確に異なります。ここでは総合職と一般職の違いについて、より具体的に説明します。
違い①|仕事への責任
総合職と一般職では、仕事内容が異なることは前述しました。同様に仕事への責任も、総合職と一般職ではまったく違います。
一般職に責任がないとはいいませんが、企業の売上や利益に直結する総合職の方が、ミスやトラブルを起こした時に及ぶ影響が甚大です。そのため総合職の場合は入社時から、目標達成という名目で責任を果たすよう求められるのです。
違い②|出世のスピード
総合職は一般職と比べると、昇給の上がり幅が大きいです。企業の利益に直結する仕事を担っているため、成果を出し続ければ早々に昇進ということもありえます。そのため、出世のスピードが速いのです。
一方の一般職は非生産部門であり、役職者のポストも多くありません。昇進するチャンスが少ないといえます。
違い③|転勤の有無
大手企業に勤務、あるいは国家公務員の場合は、総合職に転勤がつきものです。会社の規模にもよりますが、転勤先が海外の可能性も十分にあります。中には数年単位で、全国各地を転勤するケースもあるほどです。
一方の一般職は、総合職と比べると転勤の可能性はかなり低いです。あったとしても、自宅から通える範囲での転勤なので、転居を伴うケースは少ないと考えられます。
違い④|給与・待遇
前述した通り、総合職と一般職では給与に差があります。新卒採用時点から、総合職の方が給与が高い企業も少なくありません。
さらに待遇面でも、営業であれば業績給、専門職であれば資格手当などがつくケースが多く、一般職より優遇されている点は否めません。
総合職と一般職ではどっちがいいか
男女問わず、総合職と一般職のどちらを選ぶのかは、仕事に対する志向性や描くキャリアプランによって異なります。ここでは、総合職と一般職ではどちらがいいかについて、男性・女性・理系という3つの例をあげて考えてみます。
総合職と一般職の適性|男性編
男性が総合職・一般職のどちらに向いているかを知りたいなら、適性があるとされる特徴に自分がマッチしているかどうかを、確認してみましょう。
- 総合職向き/コミュニケーションスキルが高い、向上心が強い、出世欲がある、マネジメントに興味がある
- 一般職向き/コツコツと作業するのが得意、粘り強い、内勤が苦にならない
総合職は部署異動が前提なので、コミュニケーションスキルがないと難しい面があります。また男性が一般職を希望する場合、会社かが評価されにくいことを念頭におく必要があります。
総合職と一般職の適性|女性編
女性が総合職・一般職のどちらに向いているかについては、以下の内容にどれだけマッチするかで見分けます。
- 総合職向き/キャリア志向が強い、チャレンジ精神がある、能動的に働きたい
- 一般職向き/協調性がある、裏方で人と支えるのが好き、私生活を充実させたい
女性が総合職を目指す場合は、自分のライフプランについても考えておくことが必要です。出産や育児によって、思うように働けない期間がある可能性があります。
総合職と一般職の適性|理系編
理系採用でも総合職・一般職に分かれています。どちらに向いているかを、自分なりに考えておきましょう。
- 総合職向き/コミュニケーションスキルが高い、向上心が強い、出世欲がある、マネジメントに興味がある
- 一般職向き/コツコツと作業するのが得意、粘り強い、転勤したくない
理系は専門職採用されることが多いですが、キャリアパスの中で総合職と一般職のどちらを選ぶのかを迫られることがあります。自分の志向性から適性を見極めてください。
総合職と一般職は変更も可能
企業によっては総合職から一般職、あるいはその逆というように、社内でキャリアチェンジできる制度を設けているところがあります。その具体例となるのが、丸紅株式会社です。
同社は業務の高度化に伴い、一般職にも主体的に業務遂行することを求め、そのための裁量を与えています。そのため、一般職として経験を積んだ後、上司の推薦を受けられれば、職掌転換試験にチャレンジできます。試験に合格すれば、総合職にキャリアチェンジ可能です。
日本の労働人口減少を考えると、今後こうしたシステムを取り入れる企業が増えることが予想されます。
まとめ
今回は総合職・一般職とは何か、その違いとそれぞれのメリット・デメリットなどについて解説しました。
就活生にとって、総合職と一般職のどちらを選ぶのかで、採用試験の難易度も変わります。大手企業の一般職は狭き門という現実があるからです。また仕事には適性があり、就活生自身の志向性によって違いがあります。まずはしっかり自己分析をして、自分のキャリアプランを立てたうえで、総合職か一般職かを検討することをおすすめします。