新卒採用に限らず、中途採用でもSPIを義務付けている企業が多いです。SPIは適性検査の一つですが、採用の可否にあたって少なくない影響を与えるため、きちんと対策しておく必要があります。そこで今回はSPIとは、検査内容や受験方法、対策方法についてまで幅広く解説します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
SPIとは
SPIとは、正式名称を「SPI総合検査」といいます。リクルートマネジメントソリューションズが提供する適性試験で、個々の業務への適性や性格、どんな組織になじみやすいかを知る手がかりとなります。
そのため採用試験において、SPIを採用している企業が多いのです。
SPIの内容
SPIは「性格検査」と「能力検査」に大別されます。それぞれの検査によって、応募者を様々な視点から分析します。ここでは、SPIの内容を具体的に紹介します。
性格検査
性格検査とは、受検者の人柄や志向性を探るものです。多角的な質問が用意されており、受験者が日常的に行う行動や価値観をはかることで、個人の性格やどのような仕事に適性があるか、なじみやすい組織の傾向を知ることができます。
企業は性格検査により、自社の企業風土に応募者が適しているかどうかを判断します。また、配属先を検討する際に活用されることも多いです。
能力検査
能力検査は、受検者の基礎的能力をはかるものです。国語や英語の力をみる「言語分野」と、数学や計算力をみる「非言語分野」に分かれています。能力検査は、問題ごとに制限時間や難易度が設けられています。以下でそれぞれの分野の内容を詳述します。
言語分野
言語分野はオプションも含めて、「言語能力検査」「英語力検査」「構造的把握力検査」の3つに分かれます。
- 言語能力検査/国語力をみるもの。熟語やことわざ、類義語・対義語に加え、長文読解や文章を並べ替える問題もある
- 英語力検査/英語力をはかるためのオプション検査。大手企業や外資系企業、旅行業界では受験を指定されることがある
- 構造的把握力検査/論理的思考力をはかるためのオプション検査。「文章問題の仕分け」と「文の仕分け」に大別される
言語分野は、業務上不可欠な言語能力が一定レベルであることを確かめるために行います。
非言語分野
非言語分野では「非言語能力検査」が行われます。数学や計算能力が問われますが、レベルは中学から高校程度です。分割払いや損益算などの計算問題に加え、確率・速度・地図の縮尺・方位と出題範囲が広いです。
スピードと正答率をみることで、効率よく物事を進められるかどうかもジャッジされます。
SPIの受験方法
SPIには、「webテスト」「テストセンター」「ペーパーテスト」の3つあります。ここでは、SPIの受験方法について詳述します。
webテスト
webテストとは、企業が指定した期間内に自宅や大学のPCを利用してSPIを受検する方法です。スマートフォンでの受検は認められていません。受検者の約20%が、webテストを利用していると言われています。
SPIの受検申し込みをすると、受験ID・パスワード・受験に必要なURLが記載されたメールが、登録したアドレスに届きます。動作不良が起こらないPCで受検しましょう。
テストセンター
テストセンターとは、リクルートキャリアが用意した会場をさします。指定された会場のPCを使用して受検する方法で、受検者の約65%が利用しています。
企業が設定している受検期間に合わせて、最寄りの会場を予約しなければなりません。余裕を持ってスケジューリングすることをおすすめします。
SPIを企業が導入する理由
企業は新卒採用にあたり、時間と費用をロスしないことを優先します。その方法の一つとして、SPIを活用している企業が多いのです。ここではSPIを企業が導入する理由について、詳しく説明します。
理由①|足切りのため
2021年卒の新卒採用においても、エントリーの受付開始は3月1日でした。そして、就活生は平均で30社にエントリーすると言われています。
そして大手企業には特に、応募者が殺到します。そのエントリーシートをすべて、採用担当者が詳細まで確認するのは難しいのが現実です。
そのため企業は、就活生の足切りのためにSPIを導入しています。SPIの内容を確認することで、自社に合うことが予想される就活生かどうか、ふるいにかけているのです。
理由②|面接で確認できなかった性格や能力を知るため
エントリーシートだけではわからない応募者を知るために、企業は何度かの面接を行います。しかし、同じ採用担当者がすべての応募者の面接を担当するわけでもありません。また、面接時の質疑応答だけで、応募者の人となりをすべて理解できるわけでもないのです。
そうした面接で確認できなかった性格や能力を知るうえで、SPIの結果が役立つのです。特に同レベルの応募者のどちらかを不採用にする場合などに、企業風土とマッチする人材かどうかを、SPIの結果から予測することが可能です。
SPIの対策方法
SPIには、「能力検査」と「性格検査」があることは前述しました。一般企業の面接に進むためにはSPI検査で60%、大手企業は80%の得点率が必要だと考えられています。そのためどちらの検査も、受検にあたって対策をたてておくことが大事です。
ここでは初級編・上級編に分けて、SPIの対策方法を説明します。
SPIの対策方法【初級編】
SPIの得点率を60%以上にするためには、数多くの問題を効率よく回答できる力が必要です。ここでは初歩的なSPIの対策方法を2つ、紹介します。
対策方法①|制限時間内で解く
SPIには全体の制限時間と各設問も難易度に合わせて、制限時間が設定されています。それをクリアしたうえで、正答率を60%にする必要があります。
そのため、設問を制限時間内で解く練習をして本番に臨むことをおすすめします。言語分野は語彙を身につけておく、非言語分野は公式を丸暗記することで、簡単な問題をスピーディーに回答できるようになるはずです。
対策方法②|くり返し練習しておく
SPIを受検するうえで、時間配分を体得しておくのも大事なポイントです。そのため、何度もSPIの模擬問題をくり返し、練習しておくのが一番です。
SPIには独特な問題パターンがありますが、くり返し解いておくことで慣れることができます。サービス問題の見分けもできるようになるので、簡単な問題に正答することで評価を上げましょう。
SPIの対策方法【上級編】
大手企業の面接に進むべく、得点率80%を目指す場合には、上級編の対策が不可欠です。具体的な方法を2つ、紹介します。
対策方法③|頻出問題を覚えておく
SPIの能力検査ではある程度、出題範囲が決まっています。そのため、過去問題を解くと頻出問題が多く見られることに気づくはずです。得点率を上げるうえでも、頻出問題を覚えておき、正答できるようにしておきましょう。
SPIでは一度飛ばした問題に戻ることはできません。また、受検者の正誤率によって出題される問題が変わります。
最初に簡単な問題で正答率を上げておき、後半に出題される難易度の高い問題にクリアすれば、得点が高くなります。それを踏まえて、自分の苦手分野を理解し、集中的に勉強しておくのもよいでしょう。
対策方法④|自己分析を徹底しておく
SPIの性格検査では、300近い設問に35分で答えなければなりません。スムーズに回答できるよう、自己分析を徹底して行うことをおすすめします。
自分の志向性や行動パターン、価値観にそって回答することで、自分の人間性を明確にできるからです。
SPIを受検する前に、自己分析シートを読み返すことで、新たな発見があるかもしれません。性格検査だからこそ、自分の強み・弱みを再確認してから臨んでください。
【分野別】SPIの対策方法のポイント
SPI検査はきちんと対策をたてておけば、高得点を取ることも難しくありません。しかし、分野によって気をつけるべきポイントは異なります。ここでは、SPIの対策方法のポイントについて説明します。
能力検査【非言語分野】
非言語分野の能力検査では数や確率、推論、集合、表の読み取り、長文読解による計算、代金の精算、速さといった様々な問題が出題されます。しかし出題傾向は明確なので、対策は立てやすいです。
ここでは、非言語分野の受検対策を紹介します。
ポイント①|推論問題を間違えない
非言語分野で最も割合が高いのが、推論問題です。設問は中学生レベルですから、問題に書かれている情報をきちんと読み取れれば、推論問題を間違えることはありません。
しかし、時間制限に気取られて、ケアレスミスをする就活生も少なくないようです。
模擬問題集を解くことで、いくつかパターンのある推論問題に慣れるはずです。自分がどんな推論問題に時間を取られるのかも、合わせてチェックしておくのがおすすめです。
ポイント②|苦手分野を見つけてくり返し取り組み
何度も非言語分野の模擬問題を解いていると、自分の苦手分野が見えてくるはずです。苦手分野で時間を取られたり、ミスをするのはよいこととはいえません。
そのため苦手分野が見つかったら、できるようになるまでくり返し取り組むことをおすすめします。非言語分野を受検する時には手元にメモを置き、情報や公式を図式化して考えると、より理解が深まるはずです。
能力検査【言語分野】
言語分野では、中学生レベルの語句と四字熟語、類義語・対義語、長文解釈の問題が出題されます。よりスピーディーに正答率を上げるためには、事前の対策が不可欠です。ここでは、言語分野の対策を紹介します。
ポイント①|語彙力をつける
言語分野で高得点を取るためには、語彙力をつけるのが一番です。四字熟語や類義語・対義語は、暗記すれば確実に正答できます。そうしたサービス問題で、確実に得点を重ねるのです。
また、語彙力があれば長文読解にも役立ちます。その結果、問題をスピーディーに回答できるようになるはずです。
ポイント②|長文読解のために時間を残す
言語分野では、長文読解に一番時間がかかります。そのため、それ以外の設問は短時間で回答し、長文読解問題に時間を割けるよう、配分を考えながら受検に臨みましょう。
また長文読解は、文意を読み取ることが大事です。一読してすぐに回答するのではなく、文意を理解するために丁寧に読み進めて答える方が、正答率を上げるうえでは有効です。
性格検査
性格検査は個人の性格や志向性を見るために行われるので、対策はしなくてよいと考えている人もいるようです。
しかし、エントリーをパスして面接に進むためには、性格検査の準備をしておくことも大事です。ここでは、性格検査の対策方法を紹介します。
ポイント①|嘘をつかない
企業にはそれぞれ、新入社員に求める人物像があります。そして、企業風土や考え方にマッチする就活生を採用したいと考えています。その選考において、SPIの性格検査は重要なチェックポイントです。
しかし、志望する企業に入社するために、求める人物像に合わせて嘘をついて回答してはいけません。本人の性格や志向性とSPIの性格検査に違いがあることは、面接や入社後に企業に伝わるからです。直感に従って、回答しましょう。
ポイント②|性格検査は回答に一貫性を持たせる
SPIの性格検査において一番大切なのは、回答に一貫性があることです。性格検査には似たような設問が複数出てきますが、そのたびに回答が違うようでは、企業の採用担当者に「嘘をついているかもしれない」という誤った先入観を与えてしまいます。
前述したように自己分析シートを読みなおし、自分の長所や短所を再確認したうえで、自分に正直に回答することをおすすめします。
SPIのオススメの対策本3選
就活のためにSPI対策をするならおすすめの本を購入し、きちんと勉強するのがおすすめです。ここではぜひ就活生に活用してほしい、SPIのオススメの対策本を3冊、紹介します。
①これが本当のSPIだ!2021年度版
初めてSPIの対策本を購入する人におすすめしたいのが、「これが本当のSPIだ!2021年度版」です。SPIの実施方式は複数あり、業界や職種、企業が指定する方法で受検することになります。
そのため、応募企業の絞り込みができていない就活生やSPI初心者に、特におすすめです。性格検査の解説が秀逸だと、評判のようです。
②2021年度版 ドリル式 SPI問題集
理数系問題を中心に、ここ数年の出題傾向に合わせて頻出問題を数多く掲載しているのが「2021年度版 ドリル式 SPI問題集」です。SPI試験の基本的な解き方が、わかりやすく解説されています。
自分で問題を解き、わからなかったところを重点的に学びたい人にピッタリです。イラストや図がふんだんに使われているので、わかりやすいと好評です。
③7日でできる!SPI 頻出 問題集 ’21
SPIの中でも多く実施されている22の単元をわずか1週間で学べると人気なのが、「7日でできる!SPI 頻出 問題集 ’21」です。7つの分野を1日で勉強できるように構成されています。
例題や練習問題も豊富で、模擬テストもついているため、自分の学修成果を確かめやすいです。問題集が厚いと最後までやりきる自信がないという人に使ってほしい一冊です。
SPIの対策の疑問
SPIの受検に際に対策をした方がよいことはわかっても、いつから始めたらよいのかわからない就活生もいることでしょう。また、どの程度まで行えばよいのかと、不安に感じる人もいるはずです。
ここでは、そうしたSPIの対策の疑問について説明します。
SPIの対策はいつから始めたらいいのか
就職協定はなくなったものの、経団連に加盟する大手企業は3月1日からエントリー受付を開始するという方針を変えていません。そう考えると、SPI対策は大学3年の1月に始めることをおすすめします。
特に能力検査については、自分の苦手分野を早期に見極めて、十分な対策を練ることができます。また、3月1日に企業の応募方法が情報解禁された時点で、本命に合わせた準備に時間を割けるようになるはずです。
SPIの対策はどのくらいやるべきか
SPI対策は、何冊もの問題集をやるより、1冊を3回くり返す方が得点アップにつながります。自分がいつもミスする問題は何か、どこに時間を取られているのかを、何度も同じ問題集をくり返すことで可視化できるからです。
特にテストセンターで受検する人は、それに即した模擬問題集をくり返し解くのがおすすめです。実際の受検スピードに合わせた練習ができます。
まとめ
今回はSPIとは何かから検査内容や受験方法、対策方法についてまで、幅広く解説しました。
多くの企業が採用し、ライバルも受検することを考えると、きちんと対策をたてて実践することが大切です。応募企業によって試験内容も変わるので、第一志望の試験内容をリサーチし、万全の体制で本番を迎えてください。