本来なら転職先が見つかってから退職する方が望ましいですが、やむを得ず無職になるケースも少なくありません。無職になることを悲観視する人もいますが、案外なんとかなるようです。そこで今回は、日本における無職者の概況からなんとかなるといえる理由まで、様々な視点から解説します。
弊社bizualでは、就活で業界選び、面接対策、ES対策などにお悩みの方向けに無料サポートを実施しております。
無料登録後、下記就活サポートが完全無料で受けられるようになっているため、就活生の方はぜひご活用ください。
bizualのサポートに無料登録しておくと・・・
- 就活生専門のコミュニティに無料参加できる!
- 面談後参加できるコミュニティで近年の就活業界の傾向などの情報を受け取れる!
- ES免除・1次面接無しの選考ルートも選べる!
- 選考対策(ES添削・模擬面接)を無料サポート!
- 面接官からの合否フィードバックを共有!
この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
日本における無職者の概況
少子高齢化の影響もあり、新卒・中途採用共に市場は活性化しています。しかし、それでも無職の人は一定数います。ここでは、日本における無職者の概況について説明します。
無職になる理由は人それぞれ
会社員が無職になる理由は様々です。自分の意思で決断するだけでなく、会社の都合で無職になってしまう人もいます。ここでは、無職になる理由の具体例を紹介します。
自己都合の場合
自己都合で無職になる理由には以下のものがあります。
- 給与や福利厚生に不満がある
- 職場の人間関係が悪い
- 残業や休日出勤が多すぎる
- 仕事にやりがいを感じられない
- 勤務先に将来性や安定性を感じられない
- 会社や上司に正当に評価してもらえない
- 経営理念や社風になじめない
- 労働環境が悪い
会社都合の場合
ハローワークが会社都合の退職と認める事例には、以下のものがあります。
- うつ病を含めた心身の不調並びに体力不足
- 勤務地が遠くなった
- 入社前と雇用条件が違う
- 給与が85%以上減額された
- 月に45時間以上の残業が3ヶ月以上続いた
- 業務内容の変更
- 前提だった雇用契約が更新されなかった
- 長期間勤務しても雇用契約が更新されない
- セクハラ・パワハラ・モラハラ
- リストラ
- 会社の倒産
日本人の無職(完全失業者)の数は145万人
総務省統計局が発表したの「労働力調査(基本集計)2019年(令和元年12月分結果)」によると、2019年の平均完全失業率は2.4%でした。その数は、何と145万人にものぼります。
完全失業率とは、15歳以上の全労働人口に占める完全失業者の割合のことです。完全失業者とは、働く意思があり求職活動を行っているにも関わらず、無職の人をさします。
2017年の完全失業率は2.8%でしたので、それよりは改善されています。しかし2018年も2.4%だったので横ばいが続いています。
無職者の自殺数が一番多い
厚生労働省社会・援護局総務課自殺対策推進室と警視庁生活安全局生活安全企画から連名で発表した「平成30年中における自殺の状況」によると、2018年の自殺者数は2万840人でした。職業別内訳は以下の通りです。
- 無職者/1万1,776人
- 被雇用者・勤め人/6,447人
- 自営業者/1,483人
- 学生・生徒等/812人
- 不詳/322人
こう見ると無職者の自殺が多いように感じますが、自殺の理由は必ずしも仕事がないことではないようです。1万1,776人の無職者の自殺の理由は、以下の通りです。
- 健康問題/7,460件
- 家庭問題/1,742件
- 経済・生活問題/1,545件
- 勤務問題/201件
- 男女問題/176件
- 学校問題/20件
- その他/615件
無職者は不安と隣り合わせ
無職になると、安定的な固定収入がなくなります。一定期間は失業保険が給付されますが、会社員でいた時と同額というわけにはいきません。また、生産性のない生活を送ることになります。そのため、無職者の中には常に不安と隣り合わせでいる人も少なくありません。
無職ニートが羨ましいとかよくいうけど、無職は無職で金の減る不安や後ろめたさや、人から働け働け言われるストレスあるから生きてる以上、よっぽどの大金持ち以外は人生の恐怖からは免れないんだよ
— こう (@kou0987) December 9, 2019
いくら気を紛らわしたりはしていても、現実から逃れられはしない…。40歳長期ひきこもり無職…これから先の事を考える不安と恐怖、絶望しか感じられない…
— べる (@gemini7906) January 19, 2020
ニートや引きこもりの大半は無職で、他者との関りを最小限にして生活しています。一見、気楽に生きているように見えますが、実際には無職で収入がない状態が続くことに不安や絶望を感じている人も多いようです。
結論|無職でも人生はなんとかなる
自己都合・会社都合を問わず、転職先が決まらずに一時的に無職になる人は案外多いものです。転職活動ではブランク期間が長いと不利になると、不安に思う人もいることでしょう。しかし実際には、無職になってもなんとかなるものです。実際に無職でもなんとかしている人も、たくさんいます。
次章では、無職でもなんとかなる理由について詳述します。
無職でもなんとかなる理由
転職先を決めずに一時的に無職になったとしても、なんとかなる理由が2つあります。そして、そこにはきちんと根拠があるのです。
ここでは、無職でもなんとかなる理由の根拠を紹介します。
理由①|数ヶ月の無職期間くらいなら転職に影響はない
無職の期間が数ヶ月に及んでも、転職活動には大きく影響は出ません。激務の業界や職種の場合、在職期間中に転職活動が行えないことは、企業側も理解しています。
無職期間が年単位になると書類選考で不採用になる可能性が高まるので、数ヶ月のうちに転職活動を始めることをおすすめします。
理由②|無職であることで自分とじっくり向き合える
退職した理由が企業理念や社風と合わない、業務内容が向いていないなどの場合は、転職にあたってキャリアの棚卸しと自己分析をする必要があります。自分が転職する企業や職場、仕事内容に何を求めるのかを明確にしなければ、マッチする求人を見分けられないからです。
無職になると時間ができるので、自分とじっくり向き合うことができます。自分を見つめ直したうえで、転職エージェントなどを活用すると、入社後のミスマッチを避けられるはずです。
無職でもなんとかなる人の6つの特徴
とはいえ、無職の人すべてがなんとかなるわけではありません。一定の条件を満たしていなければ、大らかな気持ちで生活するのが難しいからです。
ここでは無職でもなんとかなる人の特徴を6つ、紹介します。
特徴①|十分な貯金がある
無収入の状態が数ヶ月に及んでも困らないくらい、十分な貯金があることです。在職期間中にきちんと貯金していれば、生活の心配をすることなく、じっくり仕事を探せます。
特徴②|副業の収入がある
毎月の給与がなくなっても、副業の収入がある場合は気持ちにゆとりが持てるものです。失業保険を受給しながらでも、会場調査の謝礼などハローワークで申請不要としている副収入の方法があるので探してみるとよいでしょう。
特徴③|失業保険を貰っている
失業保険を受給できれば、当座の生活に困ることはありません。しかし失業保険を受給するためには、自己都合なら1年、会社都合なら6ヶ月の勤務実績が必要です。ただしこの場合、受給できる失業保険は90日なので注意が必要です。
特徴④|何らかの手当を貰っている
民間の収入保障保険金や傷病手当金、障害年金といった何らかの手当を貰っていれば、生活に困ることはありません。遺産相続することも、この事例に含まれます。
特徴⑤|実家で生活している
実家で生活していれば、家賃や光熱費、食費などを負担しなくて済むので問題ないでしょう。しかし、生活費を負担してもらっている分、家事を積極的に行うなどの配慮は必要です。
特徴⑥|引きこもらず積極的に外出している
無職になっても自宅に引きこもらずに、積極的に外出できる人も心配はありません。人に会うのが億劫、外に出るのが面倒くさいと感じるようになると、転職活動に支障をきたす可能性が高まります。
無職でも「なんとかなる」ためにやっておくべきこと
終身雇用制度がなくなった現代は、大手企業に就職できても、いつ無職になるかわからないのが現実です。会社都合で無職になる可能性もあるので、なんとかなると思えるように準備しておくに越したことはありません。
ここでは、無職でも「なんとかなる」ためにやっておくべきことを紹介します。
①退職前に出来るだけ貯金をする
自己都合で転職先が決まらないうちに会社を辞める場合には、退職前にできるだけ貯金をしておくことをおすすめします。無収入でも数ヶ月は暮らせる金額を貯めておけば、ゆとりをもって転職活動できるようになります。
②複数の収入源を持つ
働き方改革が進む今、副業を認める会社も増えています。その場合は、会社を退職する前から副業を始めておくのもよいでしょう。複数の収入源があれば、一つがなくなっても受ける影響が少なく済みます。
③余分なお金を節約する
無職になっても副業や失業保険を受給することで、収入を得ることはできます。しかし、会社員でいた時と同額とはいえません。そこで、余分なお金を節約することをおすすめします。具体策は以下の通りです。
- 電話料金や電気・ガスなどの固定費を削減する
- コンビニではなくスーパーで買い物するなど、浪費をやめる
- 自炊する
④実家に帰る
無職になって経済的に厳しいと感じるなら、一度実家に帰るのも選択肢の一つです。家賃や生活費を心配せずに、転職活動に勤しむことができます。
⑤失業保険等の申請
退職した会社から離職票が届いたら、すぐにハローワークに行き、失業保険を申請しましょう。また、社会保険を任意継続しない場合には国民健康保険への加入手続きが必要です。同様に厚生年金から、国民年金に切り替える手続きも行ってください。
⑥生活保護も視野に入れる
過労やストレスで心身に不調をきたしたことが原因で、退職を余儀なくされることがあります。もし実家にも頼れず、貯金もなく、失業保険も受給できない場合は、生活保護を申請することを検討した方がよいかもしれません。まずは居住する市区町村の担当部署に、相談してみましょう。
無職でも確定申告はした方が良い
会社員の場合は、年末調整の書類を出すだけですべての処理が終わります。しかし無職の場合は、自分で確定申告しなければならないケーズがあります。
ここでは、無職でも確定申告はした方が良い理由を説明します。
現在無職でも年度内に退職した人は確定申告をする必要がある
年の途中で無職になった場合には、必ず確定申告をしなければなりません。それは、正しい所得税額を算出し、税金の追加徴収または還付を行う必要があるからです。
無職の期間が1年状の場合は、確定申告をする義務はありません。しかし、確定申告をすることで受ける恩恵があるので、行うことをおすすめします。
確定申告をすることで生じるメリット
無職でも確定申告することで、以下の3つのメリットが生じます。
メリット①|所得税が還付される
年の途中まで会社員だった場合は、確定申告することで所得税が還付される可能性があります。会社員は毎月の給与から、概算の所得税が天引きされており、生命保険料控除などの手続きを行うことで、還付金が戻ることが多いです。
メリット②|住民税が安くなる
確定申告しても還付金が戻らない人でも、前年より年収が下がっていることを証明できるので、住民税が安くなる可能性があります。
メリット③|国民健康保険料が安くなる
住民税と同様に、国民健康保険料も年収によって納付金額が異なります。確定申告をすると、国民健康保険料も安くなることがあります。
無職でいる間の様々な過ごし方
数ヶ月は無職でいても大丈夫な人は、仕事をしない期間を有効に活用することをおすすめします。ここでは、無職でいる間の様々な過ごし方を紹介しておきましょう。
①留学して海外に行く
無職の期間に、海外留学するのも一つの方法です。日本より物価が安い国であれば、長期留学も夢ではありません。視野を広げる、専門スキルをあげる、語学力を磨くなど、自分の目的に合わせて留学先を選定し、異文化を体験することは、将来きっと役立つはずです。
②大学院に行って勉強しなおす
スキルアップやキャリアアップを目指すなら、大学院に入学し勉強しなおすのもよいでしょう。社会人を経験したからこそ、学びたいあるいは学ぶべきことを明確にできます。未来の自分への投資にもなるはずです。
③資格や副業の勉強をする
転職活動を有利にするために資格取得を目指したり、副業で安定収入を得るための勉強をするのもおすすめです。そうした時間を設けることは、転職活動にもプラスに働くはずです。
④心身の休養
激務の業界や職種、ブラック企業で働いていた人は、心身の休養を優先しましょう。慢性疲労の状態では、自分についても冷静な判断が下せません。心身が回復するまで、自分に優しくするよう心掛けてください。
⑤転職活動
ミスマッチのない就職を果たすためにも、じっくり時間をかけて転職活動するという選択肢もあります。転職エージェントを複数活用することで、自分では気づかない長所や志向性が見えてくるかもしれません。妥協せずに、希望がかなう転職を目指しましょう。
無職で「なんとかならない」と思う時の気持ちの持ち方
十分な貯金や収入の見込みがあっても、無職では「なんとかならない」と悲観的になる人もいます。無職の期間が長期化し、孤独と絶望感に苛まれることもありえます。
ここでは、無職で「なんとかならない」と思う時の気持ちの持ち方を、いくつか紹介します。
①無職であることを開き直る
自己都合であれ会社都合であれ、無職である状況を覆すことはできません。それならば、無職である事実を受け止め開き直るしかないです。自分が無職であることを隠さない方が、転職活動もスムーズにいくはずです。
②無職でも絶望しない
リストラや会社の倒産、心身の不調などで退職を余儀なくされた人の中には、無職である現実に打ちのめされているケースも少なくありません。しかし、無職であるからといって絶望する必要はないのです。人生における長期休暇だと考え、心身が回復するまで休むのもおすすめです。
③無職である自分を責めない
リストラや企業に解雇された人は、自分の意思での退職ではないがゆえに、気持ちの持っていき場がないことも多いでしょう。家族がいる場合は生活に影響を及ぶので、より自分を追い詰めがちです。しかし、無職である自分を責めても状況は改善しません。ネガティブ思考に陥るだけなので、できることから始めるようにしましょう。
④周囲と比較しない
無職の人にとって、イキイキと働いている人はまぶしく映ることでしょう。毎日することがない自分の状況をふり返り、落ち込むこともあるかもしれません。しかし、自分と周囲を比較しても何も変わらないはずです。自分らしく、自分のペースで進むことを考えましょう。
⑤世間体を気にしすぎない
親戚や友人、近所の手前、無職であることをオープンにしたくないと考える人も数多くいます。無職では世間体が悪いと考えがちですが、家族以外の人には何の迷惑もかけていません。世間体を気にしすぎることで自己嫌悪に陥る方が転職活動にはマイナスだと、割り切りましょう。
まとめ
今回は、日本における無職者の概況からなんとかなるといえる理由、気持ちの持ち方まで幅広く解説しました。
無職にはどうしてもマイナスのイメージがついて回りますが、その期間の過ごし方によってはその後の人生にプラスに作用します。
無職期間を充実させられるよう、できることから始めてみることをおすすめします。