履歴書を手書きで書くのはくだらない?時代遅れな考え方に「頭おかしい」と言う人の声

就活を始めるにあたり、履歴書は手書きすべきか、パソコンで作成すべきかを悩む学生が少なくありません。近年はそうした議論すらくだらないという、風潮もあるようです。しかし時代遅れでも手書きの履歴書にこだわる企業もあります。そこで、手書きの履歴書はくだらないのかについて解説します。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

履歴書で見るポイント

新卒採用にあたり、企業の採用担当者はまず書類選考を行います。選考にはESと呼ばれるエントリーシートを使いますが、人事データとして履歴書も必要です。

履歴書の内容はESと重複しても構いませんが、それ以前にチェックするポイントがあります。ここでは企業の採用担当者がチェックする、履歴書のポイントについて説明します。

目次

①マナーを守っているかどうか

履歴書は、人事部に残る公的文書です。そのため、社会人に不可欠なマナーが守られていることが前提となります。気をつけるべきポイントは、以下の通りです。

  • 日付が提出日になっている
  • サイズの合った写真が貼られ、裏面には氏名と大学名が記載されている
  • 略称を用いない
  • 誤字脱字がない
  • 修正部分がない
  • 印鑑が曲がっていない

特に「するべきでない」ことに気をつけ、履歴書を作成してください。

②志望動機にオリジナリティがあるか

企業の採用担当者が、履歴書の志望動機欄をチェックするポイントは以下の通りです。

  • 自分の言葉で企業の魅力を語れている
  • その就活生にしか語れない志望動機が書かれている

「企業理念に共感した」「御社の商品やサービスに魅力を感じた」といった通り一遍の志望理由に、心を動かされる採用担当者はいません。

応募企業の公式ホームページに書かれていない、小さなニュースや取り組みに着目し、それを自分の経験を重ねるなどの努力をすると、オリジナルの志望動機が書けるはずです。

履歴書の手書きが求められてる人はボールペンで書く

履歴書を手書きする際には、ボールペンを使うのがマナーです。アルバイト先に鉛筆やシャープペンシルで書いた履歴書を提出した際に受理された経験があっても、社会人としては非常識な行為と言えます。

履歴書をボールペンで書くべき理由については、以下の記事にまとめられています。ぜひ参考にしてみてください。

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履歴書を手書き/PCで書くことのメリット・デメリット

履歴書を手書きにするか、PCで書くかについては、双方にメリットとデメリットがあります。また、応募する企業によっても好ましいと思う履歴書は異なります。

ここでは履歴書における、手書きとパソコン書きのメリット・デメリットを紹介します。

履歴書が手書き

大手企業の中にも、手書きの履歴書を郵送するよう求める会社があります。ここでは、履歴書を手書きするメリットとデメリットについて、説明します。

メリット①きれいな字であれば好感度が高い

手書きの履歴書に書かれた文字がきれいだと、それだけで採用担当者の第一印象が良くなります。それは、「字は体を表す」という認識が採用担当者側にあるからです。

そして履歴書を手書きするためには、時間が必要です。手間暇かけて手書きした履歴書は、丁寧な仕事ぶりを連想させます。また、就活生の本気度をアピールすることにもつながります。

メリット②記入ミスが減る

手書きの履歴書は、修正なしの状態で提出しなければなりません。さらに間違わないよう細心の注意が必要なので、辞書を引きながら書く就活生も多いようです。

時間をかけて手書きし、推敲を重ねるので、記入ミスが減るというメリットがあります。パソコンのように、誤変換することもありません。

デメリット①作成に時間がかかる

1通の履歴書を手書きするだけでも、相当の時間がかかります。さらに履歴書は応募企業ごとに作成しなければならないので、その用意に追われることになりかねません。

1文字でも間違うとやり直しになるため、予備も含めてそれなりの枚数の履歴書を用意しておく必要があることも、デメリットと言えるでしょう。

デメリット②字が汚いと読んでもらえない

手書きの履歴書に書かれた字が汚いと、読みにくくなるのは否めません。字が汚いと、採用担当者がきちんと目を通してくれないケースもあるようです。

また汚い字で書かれた履歴書をみて、「大雑把」「適当な仕事をしそう」という悪印象を与える可能性があるので注意が必要です。

履歴書がパソコン

パソコンで作成した履歴書の方が読みやすいと、奨励する企業も少なくありません。ここでは、履歴書をパソコン作成するメリットとデメリットについて、説明します。

メリット①作成時間を短縮できる

パソコンで履歴書を作成するメリットは、時間を短縮できることです。履歴書は応募企業ごとに内容を変える必要がありますが、パソコンであればベースの履歴書を作成しておき、部分修正をするだけと簡単です。

履歴書作成作業にとられる時間を企業研究に充てれば、より採用担当者の気持ちを動かす内容にできそうです。

メリット②相手が読みやすい

パソコンで作成された履歴書は、手書きよりずっと読みやすいです。他の就活生と差別化するのは難しいですが、読みやすさゆえに採用担当者にしっかり目を通してもらえる可能性が高まります。

さらに文章を羅列するのではなく、箇条書きを用いるなどの工夫を凝らすと、採用担当者への配慮をアピールできます。

デメリット①使いまわしを疑われやすい

企業や採用担当者によっては、パソコンの履歴書は使いまわしだと疑ってかかるケースもあります。特に履歴書に書かれた内容が通り一遍だと判断されると、書類選考通過が難しくなります。

パソコンの履歴書にするかどうかは、応募企業の考え方をリサーチしたうえで決めることをおすすめします。

デメリット②誤字・脱字を見つけにくい

パソコンで履歴書を作成する時に、推敲しない就活生はいないでしょう。しかし、パソコンの誤変換を見つけられない就活生も珍しくないようです。

履歴書に誤字・脱字があると、その就活生の評価を下げることになるので、注意が必要です。

履歴書の手書きがくだらないと言う人の声

履歴書は手書きかパソコン作成かについての論争が、近年再燃しています。そのきっかけは、2015年3月7日に公開された匿名記事とされています。

ここでは履歴書の手書きがくだらないと言う人の声を、いくつか紹介します。

採用担当者は、履歴書の内容で選考します。手書きする就活生の熱意は理解しつつも、中身の乏しさを作業で補うのは「頭がおかしい」とさえ感じてしまうのは当然の成り行きです。そうした思いが伝わるコメントでした。

近年の就活は、メディアからWEBエントリーすることから始まります。そして履歴書を手書きするには、時間がかかります。内容を重視する採用担当者にとって、無駄な作業をするのはばかばかしいと感じるのでしょう。

業務の効率化が叫ばれる現代において、手書きの履歴書を求める企業が時代遅れだと指摘する声が上がっています。熱意を手間や時間で測る時点で、企業体質が古いと明言しているように感じるのかもしれません。

現代は、社会人が手書きで文書を作成することは稀です。そう考えると、手書きの履歴書を求めること自体がくだらないと考える人がいるのも頷けます。パソコンスキルが必須の現代において、手書き履歴書文化に疑問を持つのは不思議ではありません。

就活生の最低エントリー社数は30社といわれる現代において、手書きの履歴書を書かせることがありえないと感じるのでしょう。コピーでも内定が出たと聞くと、手書きの履歴書を提出する意味を問いたくなります。

履歴書が手書きで有名な企業

近年は就活メディアを通してエントリーするのが一般的なので、パソコンで作成した履歴書を送る就活生が増えています。しかし企業の中には、手書きの履歴書を送付するよう条件付けしているところもあります。

ここでは手書きの履歴書を提出させることで有名な企業を2つ、紹介します。

日本郵船

海上のみならず、陸上・航空の輸送も手掛ける日本郵船株式会社は、「安全なくして信頼なし。信頼なくしてビジネスなし」という考えに基づき、安全のためには時間も手間も惜しまないという社風があります。

手書きの履歴書を郵送させるのは、同社が大切にしている「誠意」「創意」「熱意」を持った人材かどうかを見極めるためです。履歴書の内容は一般的なものですが、字のきれいさを見られると言われています。

カゴメ

トマトの加工品では国内最大手であるカゴメ株式会社は、言わずと知れた食料品メーカーです。

手書きの履歴書を郵送させるのは、就活生の本気度を測るためだと言います。字の上手い・下手ではなく、熱意がこもっているかどうかを重視するようです。

履歴書でチェックされるのは、「志望動機」「カゴメのイメージ」「応募者のセールスポイント」です。50文字以内で書かなければならないので、しっかり対策しましょう。

まとめ

企業によって、手書きとパソコン作成どちらの履歴書を好むかは異なります。IT業界を筆頭に業務効率を重視する企業は、手書きの時点で履歴書を読まない可能性が高いです。一方で手書きの履歴書を推奨する企業の中には、文字を見ることで性格や性質を判断するところもあります。企業研究を徹底したうえで、適切な方法を選びましょう。

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