スカイプ面接やweb面接に苦手意識をもっている人は多いかと思います。断ることを考えている人もいるかもしれません。しかしスカイプ面接は、ポイントを押さえれば決して難しくありません。スカイプ面接を受けるときに大切なのは、事前の準備です。この記事ではスカイプ面接で合否をわける事前準備のポイントを解説しています。

スカイプ面接とは

「スカイプ面接」という言葉をきいたことがあるでしょうか。最近、採用の現場で取り入れられている面接方法です。

スカイプ面接はポイントを押さえれば、就職活動を非常に便利にしてくれます。

ここではスカイプ面接とは何か、どのような企業で導入されているのかなどを解説します。

web面接の1つ

スカイプ面接は、web面接の一種です。先進的な企業で、主に学生の負担軽減を目的に導入されています。

スカイプとは、マイクロソフト社が提供するインターネット通話サービス。世界中と無料で通話できるのが特徴です。カメラでお互いの姿を見ながら話すことができるので、表情や服装もしっかりチェックされます。

スカイプを普段使い慣れていない人は、苦手意識があるかもしれませんが、慣れればたいしたことはありません。

web面接には、スカイプ以外にもLINEやFacebook、Chatworkなどのツールが使われます。

一般的な面接との違い

スカイプ面接は会社が遠方にあっても、自宅で面接を受けることができます。

実際に面接に行く場合、企業が遠方にあるほど交通費の負担が大きくなります。しかし、スカイプ面接は、交通費を気にせず、遠方の企業の受験をすることが可能です。

またスカイプ面接は交通状況が関係ありません。「電車の遅延で面接に遅刻した」というトラブルは、スカイプ面接には無縁です。

後述しますが、ネット環境さえあれば自宅以外でもカラオケやホテルといった場所でもweb面接であるスカイプ面接を受けることが可能です。ただし、ネット環境を利用するので、回線トラブルには気をつけなくてはいけません。

IT企業や転職面接で多い

スカイプ面接は、主にIT企業や転職面接で導入されています。広範囲から多くの人材を募って面接をしたいという企業の意図があるようです。

その他、外資系企業で本社が海外にある場合や、学生が海外に留学中のときにスカイプ面接を利用することが多いです。

web面接を導入している企業の代表例は、Googleです。Googleハングアウトというメッセージツールを使って面接を受ける方法があります。

Googleの実際の人材募集サイトを見ると、web面接についてどのようなことが書かれているか確認できます。

スカイプ面接の流れ

スカイプ面接は通常の面接と違って、面接前に準備が必要なことがあります。慣れればたいしたことはありませんが、初めてのときは少し戸惑うかもしれません。

ここでは、スカイプ面接のスケジュール調整から面接終了までの手順を簡単に解説しています。要点を抑えて、面接当日を落ち着いて迎えましょう。

①スケジュール調整

まずは面接の日程調整です。先方からメールが来たら、できるだけ早く返信しましょう。すぐに回答できない場合は、いつまでに返信するかだけでも先に伝えておくべきです。

このとき、先方に提案された日程から選ぶ場合は、できるだけたくさん候補日を返信したほうが親切でしょう。相手もそのほうが調整しやすいです。

もし候補日が全部無理な場合は希望日を伝えましょう。できるだけ候補日に近い日程を、複数伝えるのがポイントです。候補日に行けない事情を具体的に伝えて謝罪すると、相手に誠意が伝わります。

②事前の確認・準備

面接10分前にはパソコンの前に座って、全ての準備を完了させておきましょう。

直前に準備をはじめると、もし何か問題が発生したときに対処できません。早めに準備をはじめるべきです。

「必要なものは揃っているか」「PCに不具合はないか」「回線は安定しているか」など、しっかり確認しておきましょう。

面接前の事前準備に関しては、あとで詳しく紹介します。面接の前にはこの記事を見ながら、全てのものが揃っているかもう一度確認しましょう。

③準備が完了したらメッセージを送る

準備が整ったら、担当者にメッセージを送ります。メッセージの内容は、簡単な挨拶と準備ができていることの報告です。

メッセージを送る時間の目安は、面接の予定時刻の3～5分前。早すぎると面接官の準備ができていないので、困らせてしまう可能性があります。

メッセージを送るのが予定時間よりも後、担当者が予定時刻に通話をかけても出ないというのは、遅刻と同じです。マイナス評価は逃れられないので、気をつけましょう。

④スカイプ面接開始

企業からスカイプに着信が来ると面接スタートです。通話が始まった瞬間に、相手から自分の姿は見えています。

もし面接中に回線トラブルが発生して、通信が途絶えてしまった場合は、すぐに別の連絡手段で謝罪と状況の報告をしましょう。

回線が途切れたときは学生の側が謝罪するのがマナーです。落ち着いてもう一度通話をはじめましょう。

もしすぐにトラブルが解決しそうになければ、謝罪してスケジュールを再設定してもらいましょう。

面接終了後はメールやスカイプのチャット機能で、面接をしてもらったお礼を伝えましょう。

スカイプ面接で事前に準備しておくもの

ここではスカイプ面接の前に準備しておくものをご紹介します。スカイプをよく利用している人にとっては当然ということもあるかもしれません。しかし、スカイプ面接ならではのこともあるので、今一度スカイプ面接の前に準備するものを確認しておきましょう。

スカイプアカウント

スカイプ面接の前に、スカイプアカウントを準備しておきましょう。

• PCやスマートフォンに、スカイプをダウンロード
• スカイプを起動して「新規アカウントを作成」からアカウントを作成
• スカイプを開いて、登録した「スカイプ名」「メールアドレス」「電話番号」を入力してサインイン
• パスワードを入力して矢印ボタンをクリック

もうアカウントを持っている人は、表示名や画像を確認してください。表示名は本名、画像は就活用にしましょう。顔が正面から写っている写真が好ましいです。また、IDが不適切な場合は、新しいアカウントを取得しましょう。

PC、なければスマホ

スカイプ面接を受けるときには、基本的にPCを使いましょう。

PCは回線が安定していますし、画面がしっかりと固定されています。スマホだと試験中に別の電話がかかってくる危険もあります。

PCを準備できない場合は、できるだけ回線がいいところで、スマホをしっかりと固定して面接を受けましょう。スマホを手に持って面接を受けるのはNG。その状態でお辞儀をしたりすると画面が大きく揺れてしまって、相手に不快感を与えます。

web面接でスマホを固定させるためにケースやガジェットを用意しておくと間違いないでしょう。また、画面を固定する角度に気をつけましょう。固定する位置が低いと見下ろす角度で映ってしまって失礼です。

マイク付きイヤホン

あったら便利なのは、マイク付きのイヤホンです。お互いの声が聞き取りやすくなって、会話がスムーズに進みます。

カメラやマイクが内蔵されていないPCの場合は、カメラとマイクは必須。事前に準備してPCに接続しておきましょう。

また、イヤホンの代わりにヘッドフォンを使うのは、やめたほうがいいでしょう。ヘッドフォンは面接の場に不適切だと思われる可能性があります。

ヘッドフォンは普段おしゃれ感覚でつける人がいるので、そういうイメージと結びつきやすいです。イヤホンも華美なデザインはやめたほうが無難でしょう。

服装

スカイプ面接でもリクルートスーツは着用しましょう。

たまに上だけスーツで下は私服という人がいますが、なにかの拍子に下半身が映ることがあります。全身スーツを着用しましょう。

自宅で受けるスカイプ面接も、企業で受ける面接と何も変わりません。ここで気を抜いた姿を見せると1次試験の通過は難しいでしょう。

髪型やメイクも気を抜かずに、気合を入れて受けましょう。最近のカメラは優秀なので、ヒゲの剃り残しやノーメイクは見ればわかります。

ただし、先方から服装について何か指定があればそれに従いましょう。

静かな空間

web面接はじめスカイプ面接はできるだけ静かな場所で受けましょう。いちばん良いのは自宅ですが、自宅以外で面接を受ける場合は、ホテルなど静かな個室で受けるのが良いでしょう。カラオケやオープンスペースでweb面接を受けると、周りの音が思っている以上に相手に伝わります。

またweb面接のときは、音が出るものは切っておいてください。スマホは通知音がならないようにしておきましょう。

ただし、電源を落としてしまうのはオススメしません。急にPCの調子が悪くなったとき、すぐにスマホで先方と連絡が取れないからです。マナーモードにして、できればバイブ音も切っておきましょう。

スカイプ面接で事前に確認しておくこと

泣いても笑っても、面接は一度きりです。面接の内容以外のことで落ちるようなことは防ぎたいですよね。ここでは、スカイプ面接で事前に確認しておくことを解説します。当日になって「確認しておけばよかった」と後悔しないで済むように、早めに確認しておきましょう。

音声を確認

事前に音声チェックをしておきましょう。マイクが機能していないと、相手に自分の声が届きません。

まずはPCにマイクが内蔵されているか確認して、なければイヤフォンマイクを使いましょう。またスカイプで通話音声テストをして、スカイプがマイクの音を拾っているか確認しておきましょう。

同様にカメラが内蔵されているか、スカイプが映像を拾っているか確認しておきましょう。

加えて、カメラの角度や照明を工夫して、映りがよくなるよう研究しておくのもオススメです。

背景・画角に注意して固定位置を確認

最近のカメラは高性能なので、背景までくっきりと映し出します。

面接官は背景まで見ています。そこで合否が決まることはありませんが、だらしない部屋よりは、清潔な部屋の印象がいいことは当然です。

自分の部屋で面接を受けるとき、脱ぎっぱなしの服や、ぐちゃぐちゃのベッドが背景に映らないように気をつけましょう。

また、ポスターや洋服など、生活感があるものも映らないようにしたほう無難です。

スカイプ面接の当日までに、「背景が壁だけ」というような、余計なものが映らない角度を探しておくと良いでしょう。

スカイプ面接で合格率をあげるポイント

スカイプ面接はスカイプを使うというだけで、内容は普通の面接と変わりません。ただ、スカイプで面接をするときには、いくつかの合否をわけるポイントがあります。この点を抑えておけば、スカイプ面接で合格率をあげることができるでしょう。

事前の確認・準備は抜かりなく

スカイプ面接は通常の面接対策に加えて、面接を受ける環境を整えることも大切です。機器トラブルのせいで、希望の企業に落ちたら悔しいはずです。

当日PCにトラブルが発生することも考えて、スマホにもスカイプはダウロードして使えるようにしておきましょう。

回線は安定していますか。音声テスト・カメラテストはしましたか。服装や髪型は大丈夫ですか。プロフィール画像や名前は適切なものですか。音が出るものは切りましたか。

ここまでの記事で学んだ内容をしっかりと確認して、早めに準備をしておきましょう。

いつもより明るくハキハキと話す

スカイプ面接では、意識して明るくハキハキと話しましょう。

対面で話すときよりも、電話で話すときには声が低く聞こえたり、こもって聞こえたりします。いつもどおりの声だと「暗い」「聞き取りづらい」といった印象を持たれてしまう可能性があります。事前にマイクテストで自分の声を確認しましょう。

場合によっては音質が良いマイクに変えることも必要かもしれません。

また、自分の声量が適切かも確認しておきましょう。

画面越しだと表情も伝わりにくいので、表情も意識的に明るくしたほうが印象は良いです。

相槌・アイコンタクトなど細部にも気をつかう

話の内容だけでなく細部まで気をつけて面接を受けましょう。

例えば、相槌やアイコンタクトは大切です。面接は会話です。面接官も自分が話をしているときに無反応だと話しにくいです。また「それほど会社に興味がないのかな」と思うかもしれません。画面越しでも会話の基本は大切にしましょう。

アイコンタクトをしたいときは、画面見るのではなくカメラを見るようにすると、相手の画面をまっすぐ見ているように映りますよ。

また、慣れない状況で挨拶を忘れてしまうことがあります。最初と最後はしっかり自分から挨拶をしましょう。

スカイプ面接に関して知っておくべきこと

スカイプ面接を導入する企業が増えて、現地に行かなくても面接が受けられるようになりました。しかし、やはり現地に行って面接を受けたいという人もいるでしょう。

ここでは、スカイプ面接の現状をご紹介します。

断ることができる企業もある

スカイプ面接を導入する企業は増えていますが、多くの場合は選択式です。もし「スカイプ面接は嫌だ」と思うなら、会社まで面接を受けにいくことを選択すればよいのです。

スカイプ面接は多くの場合、「遠方の方」「時間の都合がつかない方」のために企業が用意してくれている配慮です。

スカイプ面接は便利ですが、会社の雰囲気を直接見られないというデメリットもあります。

早めに企業の職場風景などを確認したい場合は、実際にいくことを選択するのも良いでしょう。

英語で行われる企業もある

外資系や海外の企業を受ける場合は、英語で面接が行われることがあります。スカイプを使うことで、本社が海外にあっても日本で面接を受けることができるようになりましたが、英語面接は乗り越えなければいけません。

スカイプで面接ができるようになって、一度もその国に行ったことがないのに、外国の企業を受験することができるようになりました。現地の情報や、企業の雰囲気は行ってみないとわからないことも多いです。その点を理解したうえで、スカイプ面接は有効に活用しましょう。

スカイプ面接だけで内定は決まらない

スカイプ面接をはじめとするweb面接だけでは内定まで決まることはほとんどありません。一次面接など、選考者が多く採用コストをかけずに選別したい選考フェーズ用いられることが多く、最後は対面での面接が基本です。

web面接の印象と直接会った時の面接の印象になるべく齟齬がないよう、また最終面接に進むためにもweb面接で落ちることのないよう、良い印象を与えることが重要です。

一部例外的に、本社機能が外国にあり日本法人に人事決裁権がない外資企業などでは、web面接のみで内定まで決まることがありますが稀なケースです。

苦手意識がある人ほど模擬スカイプ面接をしよう

「スカイプ面接が苦手」「そもそもスカイプ面接を受けたことがない」という人ほど、準備をしっかりと行う必要があります。

最近は、スカイプを使って面接指導をしてくれるサービスがあります。例えば、モギメンは3千円で模擬スカイプ面接が受けられます。有料サービスを利用しなくても、友人同士でスカイプで面接しあうというのも勉強になります。

自分のスカイプ面接を見ている立場の人から意見をもらえば、大きな収穫があるはずです。

指摘された部分を直してスカイプ面接に臨めば、自信を持って面接当日を迎えられるでしょう。

まとめ

スカイプ面接は、スカイプを使い慣れていないと戸惑うかもしれません。しかし、準備をしっかりとしておけば、恐れる必要はありません。

この記事を見ながら、使用する機器や面接を受ける環境など、事前にしっかり準備をしておきましょう。合否をわけるポイントは、模擬面接や音声テスト・カメラテストを行って、印象がよい話し方や映り方を研究することです。

スカイプ面接は、準備することが多くて大変と感じるかもしれませんが、慣れれば便利です。機器の準備だけでなく、面接での受け答えの対策もがんばってください。