公務員や大手企業では、内々定取り消しの確率が一定程度あると言われています。内々定の取り消し理由として、経歴の嘘やSNSでの不適切な発言などが考えられます。本記事では、まず内定と内々定の違いをご説明します。その後、内々定の取り消しの確率や理由について詳しくご紹介します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
内定と内々定の違いと内々定を出す意図
これから就職活動を行う学生の皆さんにとって、内定と内々定の違いはわかりにくいかもしれません。
本見出しではまず内定と内々定の違いについて説明します。その後、企業が内々定を出す意図についてみていきます。
内定と内々定の違い
厳密に言うと、内定と内々定は違うものです。
- 内定: 学生が企業から採用通知を書面で受取り、入社承諾書を提出をした状態
- 内々定: 企業が学生に対して、10月に内定を書面で出すといった口約束をした状態
すなわち、内々定とは「内定を約束するもの」という事実であり、まだ内定が確約されたわけではないのです。
両者の違いを表にすると以下のようになります。
企業が内々定を出す意図
内々定に関する2つ目のポイントは、企業が内々定を出す意図です。企業の意図として、以下の2つが考えられます。
- 自社で働きたいと感じる動機をもってもらう
- 競合の企業での就職活動をやめるインセンティブを与える
採用活動では、どの企業もできるだけ優秀な学生を確保したいという目標があります。内々定を企業が出すのは、学生がその企業への就職を決めるためのきっかけ作りです。
内々定が取り消しになる確率と違法性
内々定の基礎知識について紹介したところで、次に内々定の取り消しについて見ていきましょう。
内々定を出された就活生は以下の知識を頭に入れておくといざというときに役立つはずです。
内々定が取り消しになる確率は低い
就職活動では、内々定の取り消しがどの程度の確率で生じるか気になる方もいらっしゃいます。結論としては、内々定が取り消しになる確率は低いです。
- 内々定の取り消しは企業の信頼にも関わる
- 内々定を取り消すような事態になる確率が少ない
- 内々定を取り消した場合、再び、優れた学生を見つけられる確率は高くない
- 代わりとなる学生を見つけても、内々定で囲い込める確率は高くない
以上のような理由から、企業側にとって内々定を取り消すことはリスクが高いと言えます。そのため、学生の内々定が取り消される確率は低いと考えられます。
また、国内の労働経済を概観できる、厚生労働省による「令和元年版 労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-」には以下のような記述があります。
2013年に過剰から不足に転じた後、人手不足感は趨勢的に高まっており、直近の2019年3月調査では1990年代初頭のバブル期に次ぐ 高い水準となる中、いずれの企業規模又は業種においても人手不足感は高い状況にある
ここからも人手不足故に学生を早期に囲いたい内々定が取り消しになる確率は低いと言えます。
内々定が取り消しが違法となった判例
企業の一方的な内々定の取り消しが違法になった事例として、2010年のコーセーアールイー事件があげられます。
本事件は、福岡にある不動産会社コーセーアールイーより内々定の取り消しをされた就活生による損害賠償請求事案です。
事件の経緯は以下の通りです。
- 2008年5月、女子就活生が当社より内々定を受け、入社承諾書に承諾
- 同年9月下旬、リーマンショックの影響により経営取締役会で新卒採用の見直しを実施
- それを知らない人事担当者は予定通り10月初めに内定通知を授与することを内々定者に連絡
- 9月末、会社側より内々定者に取り消しの通知が発送される
- 女子就活生は会社側に抗議したが応答なし
これを受けて裁判所は、
内々定の合意の実体は、内定までの間に新卒者が他の企業に流れることを防止することを目的とする事実上のものであって、直接的かつ確定的な法的効果を伴わないもの
とした上で、しかしながら今回の対応は以下のように信義則違反として企業側に就活生への慰謝料支払いを命令した判決を出しました。
このようなY(企業)の対応は、労働契約締結過程における信義則に照らし不誠実といわざるを得ない
内々定・内定の取り消し理由
前述の判例で見たように、企業側もやむを得ない事情で内々定を取り消す場合もあります。
就職活動中の学生の皆さんにとって、あらかじめ取り消し理由を把握しておくことは、トラブルの防止に役立ちます。
内々定の取り消し理由
内々定の取り消し理由には、コーセーアールイーのような経営状況悪化も含めて以下のものが挙げられます。
- SNS上における、学生の不適切な発言
- 企業側の経営状況悪化に伴う、採用活動の取り消し
- 企業からの指示に対して、学生が反抗して従わない
以下の記事では、内々定の取り消し理由としていくつかの例をご紹介しています。妊娠してしまった場合など、学生の盲点となるような事例も解説しているので、ぜひご覧ください。
内定の取り消し理由も合わせてチェック
内々定だけでなく、内定の取り消し理由も合わせてチェックしておきたいと感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。内定の取り消し理由としては、以下が挙げられます。
- 内定者研修や入社までに課せられた課題を行っていない
- 妊娠や健康問題など、新卒社員として働くことが難しい懸念が発覚した
内定式では、雇用主である企業と学生の間で雇用契約が結ばれます。内定の取り消しとなるのは、この契約違反となる事柄が発覚した場合です。
以下の記事では、内定の取り消しに関してご説明していますので、ぜひ合わせてご覧下さい。
内々定が取り消しされないため気をつけること
内々定の取り消しが起きる確率は低いとわかりました。しかし、内々定が取り消しされないために、あらかじめ気を付けておく必要はあります。
本見出しでは、内々定が取り消しされないため注意しておくべき3つのポイントをご紹介します。
SNSでの発言は控えめにする
1つ目のポイントは、SNSでの発言は控えめにすることです。大学生の間では、TwitterやFacebook、Instagramなどが流行っており、就活時も使用する人は大勢います。
- 選考過程や内定に関する事情をリアルタイムに報告する
- 特定の企業や人物に関する批評やコメントをする
- 就職活動中の企業に対する本音や不満を吐露する
以上は実際にSNS上で良く見られる発言です。学生にとっては、ほんの思いつきやその時の気分で行った行動が、何かしらのきっかけで企業側の人事の目に留まる可能性は捨て切れません。
そのため、就職活動中はできるだけSNSでの発言を控えめにしましょう。
経歴に嘘をつかない
2つ目のポイントは、経歴に嘘をつかないことです。前述の通り、過去の判例では経歴の詐称を理由として内定・内々定が取り消しとなったものがあります。
- 大会・コンテストなど公式記録に関する経歴
- 資格・成績など学業に関する経歴
行われがちな経歴の嘘として、上記が挙げられます。これらは、エントリーシートや面接の中で嘘をついていた場合、事実が露見すると内々定の取り消しに繋がる可能性があります。
たとえ顕著な経歴を保持していなくても、内々定を獲得することはできます。不用意に嘘をつくのはやめておきましょう。
企業からの指示に反抗しない
3つ目のポイントは、企業からの指示に反抗しないことです。企業から内々定が出されると、以下のような指示が学生に出されることがあります。
- 入社前の研修や説明会などへの参加依頼
- 業務に関係する資格の取得
- 事前課題への取り組み
これらは、企業に入社してから業務に取り掛かることを目的としたものであり、従う必要があります。
卒業旅行やゼミ活動などの理由であっても、企業からの指示に反抗をすると内々定の取り消しがなされる恐れもありますので、そのような場合は事前に人事に相談するようにしましょう。
内々定取り消しの実際
内々定の取り消し理由がどのようなものかわかりましたが、実際にはどうなっているか知りたい方も多いのではないでしょうか。
本見出しでは、内々定取り消しの実際に関する3つのポイントをご紹介します。
取り消しはいつまでにされるか
1つ目は、内々定の取り消しはいつまでにされるかというポイントです。内々定の取り消しは、理由によってその時期が異なりますが以下の2パターンが想定されます。
- 内々定の提示直後: TwitterやFecabookなどSNSでの不適切な発言発覚
- 内々定の提示数か月後: 経歴の詐称や指示への反抗
多くの企業では、内定が10月1日に提示されるため内々定の取り消しは遅くとも9月30日までになされます。しかし、具体的な日時は内々定の取り消し理由によると考えられます。
どのような連絡手段で取り消しされるか
2つ目は、どのような連絡手段で内々定が取り消しされるかというポイントです。内々定の取り消しは、以下の手段によって行われると考えられます。
- 電話: 口頭で内々定の取り消しを通達
- メール: 文面で内々定の取り消しを通達
内々定を取り消される場合、企業と学生の関係性はなくなります。そのため、会社に呼び出されたり、書面で正式な内々定の取り消しがなされたりすることは少ないと考えられます。
まとめ
内々定は内定と異なるものですが、理由によっては実際に取り消しがされることもあるとがわかりました。
内々定が取り消されると、再び就職活動をしなければならないため、不適切な言動に気を付けるだけでなく、採用担当者と小まめに連絡を取り続けると良いでしょう。