化学メーカーはホワイト業界であると言われています。なぜホワイトと言われているのか理由を徹底解明しました。また、化学メーカーを目指している文系の学生でも入社のチャンスがある職種も紹介しています。文理問わず化学メーカーに関心のある就活生の方はこの記事を参考に、業界理解を深めてください。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
化学メーカーとは
化学メーカーとは、医薬品などの化学製品を開発・製造している業種を指します。
化学メーカーの中には最終的に消費者に渡る分野を担当するいわゆるB to Cのメーカーもあるものの、多くの化学メーカーは完成品までの中間製品を作り別の企業へやり取りされる、B to B事業が主流です。
化学メーカーの仕事内容
化学メーカーの多くは、上記でも触れたように消費者の手に届く完成品の前の素材や原料となる中間製品を作り、別の企業へやり取りするB to B事業が中心です。
ここで製造される中間製品のことを、専門用語では「中間財」と呼びます。中間財を作る際に研究・開発等の化学的な実験等が必要なため、化学メーカーと呼ばれます。
研究開発から企画、生産、そして次の企業への営業を行うまでが大まかな一連の流れです。各企業でこのような動作が繰り返し行われ、最終的に消費者の元へ完成品として流通します。
化学メーカーの職種
化学メーカーには一連の流れを行うために様々な職種が存在します。代表的な職種を紹介します。
- 研究職:素材の研究や新製品の開発等を担当
- 開発職:実際に研究職によって実証された成果を製品に生かす
- 生産管理職:製品の生産管理や品質管理を担当
- 営業職:実際に製品化されたものを企業へ購買・使用を推進
研究職や開発職は理系が優遇され、場合によっては理系採用しかしていない企業もありますが、営業職などでは文系にもチャンスがあります。
化学メーカーがホワイトと言われる4つの理由
化学メーカーはホワイトと言われています。それには4つの理由があります。以下で詳しく解説します。
①個人の頑張りで売上が上がるものではない
B to C事業では、個人の頑張りで成果が変わりますし、そのためノルマが多い企業も多数存在しますが、化学メーカーはB to B事業のため極端なノルマは存在しません。
それはB to B事業であることに大きく起因します。化学メーカーはあくまで中間財を企業に販売するため、個人が頑張ったからと言って売上が上がるものではありません。
最終形の製品の需要が高い時は自然と原料元となる化学メーカーも活気付きますが、需要が低い時は売れないと割り切るしかありません。
②意外と生産性は高い
公共財団法人 日本生産性本部が行った「労働生産性に関する調査」があります。この調査の2ページ目によると、産業別にみると化学業界は唯一、アメリカよりも生産性が高い業界であることがわかります。
日本は「加工大国」とも言われ、生産性が低い国というイメージがありますが、化学業界だけはアメリカよりも生産性が高く、日本において重要な製造産業の一つと言えるでしょう。
③堅実で落ち着いた社風がある
先ほどお伝えした通り、個人の頑張りでどうにかなるわけではありません。他の一般的な企業と比べてノルマ競争が少ないために、ガツガツ営業をしている人は比較的少ないと言えます。
さらに、理系出身者が多いため、大学でもコツコツと研究を重ねてきたような真面目で穏やかな気質の人が多く在籍しています。そのため、企業全体で見たときに堅実で落ち着いているように捉えられることが多くあるのです。
④高水準の年収・福利厚生がある
例として「積水化学工業の2018年度有価証券報告書」をご覧ください。この報告書の11ページによると、平均年収は911万円ほどあり、非常に高水準と言えるでしょう。
さらに化学メーカーは福利厚生が充実している企業も多く、高い年収と併せて非常に働きやすく、ライフプランも立てやすい職場と考えることができます。
今回は例として積水化学工業を挙げましたが、他の化学メーカーも同水準の待遇が期待できます。
化学メーカーは将来的にもホワイトだと言える5つの理由
化学メーカーは将来的にもホワイトだと言われています。それには5つの理由が考えられます。以下で詳しく紹介します。
①参入障壁が高くて競合が増える心配がない
化学メーカーを新たに立ち上げるには莫大な資金が必要です。数百億円単位の投資が必要ともいわれています。そのため、新規参入をするにはリスクとリターンが見合わないため、今後競合が増えることはほぼありません。
加えて、技術分野が非常に優れていないと成り立たないのが化学メーカーの強みでもあります。長年培ってきたこれまでの化学メーカーに太刀打ちできる技術力を十分に確保するのは難しいという問題もあります。
②技術力で新興国に抜かれることは当分ない
先ほど触れた通り、日本の化学メーカーはアメリカよりも生産性が高く、非常に高い技術力を持っています。
化学メーカーでは危険品を取り扱うこともあります。世界の化学工場で爆発や火災が発生することもある中、日本の化学工場は安定して稼働できています。
高い技術力と安全性の観点からも、新興国に抜かれることは当分ないと言えるでしょう。
③品質勝負の世界
日本の技術力の高さは先ほど紹介した通りですが、そのため製品の品質も世界的にも高い水準を誇っています。
化学メーカーは品質勝負の世界です。他の業種のメーカーが生産性の観点などから海外に買収されることもある中、化学メーカーはあくまで品質が一番の武器になるため、日本にとってとても有利です。
④世界的にも需要は堅調
経済産業省が2019年に発表した「世界の石油化学製品の今後の需給動向」の3ページ目を見ると、海外での需要は堅調に伸びつつ推移していることがわかります。
さらに、海外に工場を持っていた企業が日本に工場を移す計画などもあり、国内での化学工場が今後さらに増えていくことで、日本での化学メーカーの活性化にも繋がります。
⑤さらなる生産性向上の余地がある
化学メーカーは現状でも、高い技術力と資本力のおかげで生産性は高水準を推移しています。
しかし、営業活動はIT業界などと比べると古くからの方法を未だに採用している企業が多いのも事実です。例えば、注文はFAXで取っていることなど、今日でも紙ベースの仕事が多くなっています。
このような資源にかかる経費を削減し、効率化を目指せばさらなる生産性の向上が認められると言えるでしょう。
代表的な総合化学メーカー
日本の代表的な化学メーカーをいくつかピックアップしてご紹介します。ご自身のキャリア選択において参考にしてみてください。
全ての企業情報は各企業の有価証券報告書を参考に作成しております。
①旭化成
旭化成は化学製品から医薬品まで様々な事業を扱う日本を代表する総合化学メーカーです。
化学メーカー業界の中でも福利厚生が非常に充実しており、業界の中では最も働きやすい企業の一つと言えます。
②三菱ケミカル
三菱ケミカルは国内最大の総合化学メーカーで三菱グループに属する企業です。
化学メーカー業界の中で、売上、年収共に第一位の業績を誇り、まさに業界の顔ともいうべき企業です。
③三井化学
三井化学は石油化学が得意分野の総合化学メーカーで、三井グループに属する企業です。
年収、売上ともに化学メーカー業界内のトップ5に入る大企業で、海外事業への展開も積極的に行っており、今後も躍進が期待されます。
④住友化学
住友化学は住友グループに属する総合化学メーカーで、大手製薬会社の大日本住友製薬は住友化学の子会社にあたります。
売上では三菱ケミカルに次ぐ第二位の業績を誇り、年収も業界トップ5に入ります。業界内では平均年齢も比較的若い水準になっています。
⑤カネカ
カネカは大阪と東京に二つ本社を構える企業で、資生堂や小林製薬などに原料の提供を行っています。
部署にもよりますが残業が比較的少なく、住宅手当なども充実しており、ライフワークバランスのとりやすい会社と言えます。
⑥積水化学工業
積水化学工業は本社を大阪に置き、樹脂製造を得意とする化学メーカーです。
売上は業界トップ10に入ってはいませんが、年収はトップ3に入り、利益等をかなり社員へ還元できている企業だと考えられます。
⑦東レ
東レは大阪と東京に二つ本社を置く企業で、合成繊維や情報関連素材に強みをもつ化学メーカーです。
売上は業界トップ10に入る業績を誇り、平均年齢も業界水準と比べると非常に若い水準で勢いのある企業と言えるでしょう。
消費財・化粧品メーカーも化学業界に分類される
消費財や化粧品メーカーなどのB to C企業も化学メーカーに分類されます。代表例をピックアップしました。
- 花王
- 資生堂
- ユニチャーム
- カネボウ
- コーセー
一般的な化学メーカーと違い顧客が一般消費者のB to C企業ですが、他のB to C企業と比べると比較的ホワイトな業界に分類されます。特に化粧品メーカーは女性が多く、女性にとって働きやすい職場であることも多くあります。
まとめ
化学メーカーはホワイトと言われる由縁を紹介しました。理系のイメージが強く職種によっては理系でしか就職できないところもありますが、営業職などでは文系でも就職を狙えます。
将来性も抜群に安定している業界なので、就活生の皆さんにぜひ一度は検討していただきたいおすすめの業界です。興味のある方はこの記事を参考に業界研究を進めてみてください。