品質管理は、製造業において特に重要な仕事ですが志望動機で何を書けば良いのかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。志望動機は採用担当者が特に注目するポイントであるため、適切な志望動機を考えたいものです。この記事では、品質管理の志望動機を考える手順、ポイントやテンプレをご紹介します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
品質管理とは
製造業では、製品の生産工程ごとに基準となる品質が決められており、それらをクリアした場合のみ次の工程へ進むようになっています。
この、提供する製品やサービスの品質が一定水準以上であることを保証するための作業を「品質管理」と言います。
仕事内容
品質管理の仕事は、PDCAの4プロセスに分かれており詳細は以下となります。
- Plan: 不良発生時の報告書や防止策を予め策定する
- Do: 策定した防止策を実施する
- Check: 定期的に製造工程や防止策の不備がないか確認する
- Action: 発生した問題の解決と、問題発生の原因分析をする
品質管理では、製品の品質レベルを維持することと発生した問題の早期解決が重要となります。問題が発生しなくても、より厳しい品質管理目標を設定し取り組みます。
品質保証との違い
品質管理と混乱して誤解しやすい仕事は、品質保証です。以下では、両者の仕事を比較しておりますので、混乱しないように正しく理解しておきましょう。
- 品質管理: 不良品が生産されたり市場へ流通されたりないように管理する
- 品質保証: 流通した不良品の原因究明や顧客からのクレーム対応をする
品質管理と品質保証は似て非なる仕事ですが、最大の違いは不良品が流通する前か後の対処となります。未然に防ぐのが品質管理で、既に発生したものへの対処が品質保証になります。
品質管理が重要な業界
品質管理が重要な業界として、製造業の中でも以下の業界が挙げられます。
- 自動車業界: 300近くもの部品から作られており、人々の安全にもかかわる
- 化粧品業界: 薬品なども一部用いており、人間の人体に影響を及ぼす
- 飲食品業界: 人々に摂取され健康状態の直接原因になる
- 医薬品業界:薬品を扱い、人々の健康に大きく影響する
以上のように、製造業の中でも人との結びつきが強い業界では品質管理が重要です。これらの業界では、厳格な品質管理がなされています。
品質管理が求めるスキル
品質管理では、以下のようなスキルが求められます。品質管理がきちんと行われているか否かが、売上高や顧客からの評価に直結するため極めて重要なスキルと言えます。
品質管理の仕事に興味がある方は、自身に以下4つのスキルが備わっているかを考え、適性を検討してみて下さい。
細かい点も抜け漏れなく確認できる管理能力
品質管理に求められる1つ目のスキルは、細かい点も漏れなく確認できる管理能力です。品質管理をする際、不良品の発生原因となりうる点を網羅的にチェックする必要があります。
コンサルティング業界では、これをMECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)と呼んでいますが、品質管理では極めて重要なスキルです。
製造工程において、前後の工程との繋がりを論理的に考えて、細かい点も漏れなく確認することが求められます。
幅広い人とやりとりできるコミュニケーション能力
品質管理に求められる2つ目のスキルは、幅広い人とやりとりができるコミュニケーション能力です。品質管理は、主に以下の部門の人たちと仕事を共にします。
- 購買部門
- 開発部門
- 生産部門
製造業では、モノづくりを中心として協力をし合いますが、各部門が果たす役割はそれぞれ異なっています。そのため、幅広い人とコミュニケーションをとり品質管理を行います。
問題点を発見し論理的に解決する問題解決能力
品質管理に求められる3つ目のスキルは、問題解決能力です。品質管理の仕事は製品が製造されてから顧客の元に届くまで、さまざまな工程に携わっています。
品質管理は製品の品質の保守・向上が求められますが、それを限られたコストの中で達成しなくてはいけません。決められた条件下で必要な品質が確保できていない場合、生産工程を見直さなくてはいけません。
なにが問題なのか、そうすれば解決できるのかという問題の本質を見極め、解決策を提示したうえでそれを実行できる能力が非常に重要になります。そのため品質管理の仕事には問題解決能力が必要となるのです。
消費者や市場のニーズを把握できる洞察力
品質を常に維持するためには、製品が市場のニーズに対応できているかを観察する力が非常に重要です。もし顧客満足度が低い場合、その原因は何なのか考えなくてはいけません。それには市場の動向を把握できる鋭い洞察力が必要となります。
洞察力は、物事を細かく観察すること、それを深く分析すること、失敗が起きたときに何が問題だったのかを勧化、改善策を模索し、次に活かしていくことで向上します。日々の生活から、意識しすると良いでしょう。
また、以下の記事では品質管理に向いている人の特徴・向いていない人の特徴をまとめて紹介しています。興味のある方はこちらも併せてご覧ください。
品質管理の志望動機のポイント
品質管理では、求められるスキルがいくつかあることがわかりましたが、志望動機ではどのようなポイントを盛り込むべきか知りたいと思った方もいるのではないでしょうか。
本見出しでは、品質管理の志望動機でのポイントを3つご紹介します。
責任感の強さをエピソードを交えて話す
品質管理の志望動機での1つ目のポイントは、責任感の強さをエピソードを交えて話すということです。
前述の通り、品質管理がきちんと行われていないと外部からのクレームにも繋がります。そのため、品質管理を志望する場合には責任感の強さが伝わるエピソードを交えましょう。
- ゼミ長として、ゼミメンバーを取りまとめて教授のために働いた
- アルバイトでは、新人の研修担当を自発的に買って出た
品質管理は、製造工程における中枢というポジションを担うので、組織の歯車として責任を果たしたエピソードが推奨されます。
どこにモチベーションを感じるかを伝える
品質管理の志望動機での2つ目のポイントは、どこにモチベーションを感じるかを伝えるということです。品質管理は製品の品質を維持するためにモチベーションの維持が不可欠です。
品質が管理されていないと批判を浴びますが、品質が十分に管理されていても評価される機会は少ないです。そのため、品質管理の仕事を理解したうえで、どこにモチベーションを感じるのかを伝えましょう。
なぜその製品の品質管理がしたいかを明確にする
品質管理の志望動機での3つ目のポイントは、なぜその製品の品質管理がしたいかを明確にすることです。このポイントを考えるにあたり、応募する企業の製品を詳しく理解する必要があります。
特に、同じ製品を複数の企業が生産している場合、なぜその製品の品質管理がしたいのかを明確にしなければなりません。
品質管理の志望動機を考える手順
品質管理の志望動機でのポイントがあるとわかりましたが、志望動機を考える手順が気になった方もいるのではないでしょうか。
本見出しでは、志望動機を考える手順を2つご紹介します。志望動機を効率的に考えて、選考突破に繋がる志望動機を準備しましょう。
①なぜ品質管理か
志望動機を考える手順の1つ目は、なぜ品質管理かを考えるということです。志望動機を考えるにあたり、数ある職種の中から品質管理の仕事がしたい理由を明確にしなければなりません。
専攻や学部の就職実績を参考に、就職できる職種の中でどのような魅力を品質管理に感じたのか考えましょう。志望動機は、配属先の決定にも考慮されることがあります。
②なぜ御社か、なぜその製品か
志望動機を考える手順の2つ目は、なぜ御社か、なぜその製品かを考えるということです。市場では、1つの製品が1社のみによって供給されることは少なく、複数の企業や類似製品があります。
そのため、志望動機ではなぜその御社か、なぜその製品かを論理的に考えることが求められます。企業研究をしながらベンチマーキングを行い、特徴を掴むことを心がけましょう。
【テンプレ】品質管理の志望動機
本見出しでは、テンプレとして使える品質管理の志望動機を6つご紹介します。志望動機を考える手順を参考にしても上手く書けないという方は、参考にしてください。
タイプ別|品質管理の志望動機
本見出しでは、応募者のタイプを2つに分けて品質管理の志望動機をご紹介します。
未経験|196文字
私が品質管理を志望する理由は、大学院での研究を生かして働きたいからです。大学院では機械工学を専攻しており、切削速度や治具の種類が製造工程にもたらす影響について研究していました。
品質管理では、既存の管理水準を維持するだけに留まらずさらに高い水準の規定も求められると考えています。品質管理の職務経験はありませんが、関連部署や取引先企業と協力しさらに高品質の製品を提供できるよう取り組んで参ります。
高校生|217文字
私が品質管理を志望する理由は、職業体験ツアーに参加し品質管理の仕事に興味を持ったからです。体験ツアーでは、金型プレス機を製造するメーカーを訪れ、どのようにプレス機の品質管理が行われているかを学びました。
20から30ものプレス工程では、徐々に違う形を成型していくため、プレスする製品の耐性や金型のプレス向きなどを調整し、不良品が出ないよう管理していることが印象的でした。入社後は、品質管理の実務経験を積みながらQC検定の取得にも取り組みます。
メッセージ別|品質管理の志望動機
本見出しでは、メッセージ別に品質管理の志望動機をご紹介します。志望動機の中で、1番伝えるべきメッセージが何かを意識しましょう。
地味で細かい作業でも取り組める|202文字
私が品質管理を志望する理由は、地味で細かい作業でも取り組める強みを生かして働きたいからです。大学では電子工学を専攻しており、電子基板のはんだ付け不良原因の解析について研究をしました。
これは電子回路に微量の電気を流し、電気抵抗をもとに不良原因となったはんだ部を見つけるので、地道で細かな作業を重ねて原因を見つける忍耐強さが求められました。御社では、大学で培った強みを生かしたいので品質管理を志望しています。
問題解決能力の高さ|189文字
私が品質管理を志望する理由は、問題解決能力の高さが求められる仕事がしたいからです。品質管理では、大きく分けて不良の発生防止と発生した不良の改善をすると考えています。
これらは、どちらも因果関係を論理的に考えるので高い問題解決能力が求められると考えています。私は、目に見える事象をもとに原因究明や解決策を考えることにやりがいを感じるため、御社で品質管理として働きたいと思っています。
NG例|品質管理の志望動機
本見出しでは、品質管理の志望動機としてNGな例を2つご紹介します。書類選考で不合格とならないよう、どのような志望動機がダメかを把握しておきましょう。
例①品質保証との混同
私が品質管理を志望する理由は、トラブルに対するお客様からのクレームに対処したいからです。製造業において、製品やサービスの品質管理は極めて重要ですが、不良の発生をなくすことは実質的に難しいと思います。
そこで、御社では既に発生してしまった不良品に対してお客様がどのような懸念を抱いたかをヒアリングし、然るべき対処をしてクレームを解決する仕事をしたいと考えています。
例②品質管理を学びたい
私が品質管理を志望するのは、どのような方法で製品の品質管理をしているのか興味があるからです。日本は、海外のメーカーと比べても優れた商品が多いと言われていますが、その製品管理方法がどうなっているのかを学びたいと思います。
品質管理では、製品の工程管理だけでなく不良を防止する仕組みを日々学ぶことができると考えています。そのため、御社では品質管理として働きたいです。
まとめ
品質管理は、消費者のニーズを読み取ったり品質を維持したりと、企業内で非常に重要な役割を担っている反面、とてもやりがいのある仕事です。
品質管理は、綿密な管理能力や高いコミュニケーション能力が求められる仕事です。品質管理の仕事で自分が活かせるスキルは何か良く分析し、紹介した手順や例文を参考に志望動機を書いてみてください。
モノづくりを陰から支える仕事に興味がある方は、品質管理を検討してみてはいかがでしょうか。