住友商事とは、住友グループの大手総合商社です。主力製品として、金属、資源や化学品などの卸売業を行っています。5大商社にも数えられ、就活生から圧倒的な人気を誇っています。今回は、そんな住友商事をより詳しく知るためにその子会社を紹介します。住友グループとして併願先を検討してみてはいかがでしょうか。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
住友商事は総合商社
住友商事は、戦後に住友本社が解体されたことで設立された総合商社です。東京都千代田区大手町に本社があり、売上は単体で約3兆円にものぼりっており、さらなる事業成長が期待されます。
また、総合商社として幅広い商品や商材の卸売を行っていることに加えて、年収や知名度の高さも就活生による人気の要因と言えます。
業界4番手
住友商事は、5大商社の中で業界の4番手にあたります。5大商社とは三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅から構成される国内大手商社5社のことです。
住友商事は、その事業セグメントの中でメディア・生活関連、資源化学品や環境インフラに力を注いでいます。世界的な経済的影響を受ける商社にとって、事業の多角化は必須の戦略であると言えます。
売上規模や営業利益率など、財務情報によると住友商事は競合の商社に劣っています。しかし、現時点で業界4番手であっても特筆すべきその企業文化で、さらなる飛躍が期待されます。
堅実な社風
上述の通り、住友商事は他社とは異なる堅実な社風があります。それは、住友商事は石橋をたたいてでも渡らないと言われるほど、リスク管理に慎重な商社だと言われているからです。
一方で、社の方針として「飽くなき挑戦」を掲げており、事業投資には積極的な姿勢を見せています。リスクと利益を適切に判断し、状況に応じて強気で攻めの姿勢が出せるのも堅実な社風があってこそです。
コンサルティングファームのPwCによると、資源の価格はグローバルメガトレンドにより大きく変化すると言われています。その中で、住友商事の社風がどのように影響を及ぼすか注目されます。
子会社とは
「子会社」とは、議決権のある株式の50%超を親会社が有している会社です。子会社は、役員の派遣、営業方針の決定や財務管理等が、親会社によって実質的に支配されている状態です。
また、子会社の中で親会社が50%越の議決権を有している会社を「連結子会社」と言います。親会社が議決権の100%を有している会社は「完全子会社」です。
住友商事と子会社の関係
住友商事は議決権の50%超を有している子会社を保有しています。そのため、それら子会社の経営方針や人事権を有しており、必要であれば直接的な関与もします。
例えば、商社という業界では親会社の人員が子会社に出向して事業に携わることも多く、事業の実行が可能となります。
住友商事の主要子会社
以下は、住友商事の主要な子会社一覧です。
住友商事グローバルメタルズ
住友商事グローバルメタルズとは、金属製品事業を展開する住友商事の子会社です。住友商事が有する経営リソースと、総合力を生かしている専門商社でもあります。
2003年に設立され、従業員はおよそ500名ほどです。鉄鋼に特化した専門商社として、親会社である住友商事と連携し事業を営んでいます。
住友商事グローバルメタルスの事業内容
住友商事グローバルメタルズでは、鉄鋼、非鉄金属やそれらの製品に関する輸出入や製造、加工や販売といった包括的な事業経営を行っています。
一般的に、鋼材を扱うメーカーでは採掘から加工販売までしか行いません。製造工程を制限することで、特定の事業に特化した優位性を保持し、同業他社との差別化を図ります。
一方で、住友商事グルーバルメタルズはいわばサプライチェーン全体に及ぶ事業を展開してると言えます。これは、住友商事の持つ圧倒的な財務基盤に基づく違いです。
住友商事グローバルメタルスの採用情報
住友商事グローバルメタルズの採用HPによると、大学3年生および大学院生を対象とした新卒採用を行っています。また、選考に先立ち1dayインターンシップも行っています。
社風としては、目標達成に向けた熱意を持った社員が多く見られます。時代の先を読み、目標とする事業を1つずつ形にしていく地道な交渉が求められています。
年収は30代でおよそ600万円で、福利厚生も充実しています。また女性社員への支援として産休や育休といった制度も数多く用意されています。
住友商事ケミカル
住友商事ケミカルは、住友商事グループの子会社で化学品を担う商社です。化学品はさまざまな業域に影響力を持つため、多くの業界へ大きな変革をもたらしています。
およそ半世紀にわたって積み重ねてきた顧客とのパートナーシップを用いて、新たな付加価値を創出するだけでなく、そのネットワークを広げる一助を担っています。
住友商事ケミカルの事業内容
住友商事ケミカルでは、大きく分けて4つのビジネスユニットにて事業を展開しています。その企業理念では、変化を先取りし新たな価値を創造することで、広く社会に貢献することを掲げています
- 合成樹脂ビジネスユニット
- 有機化学品ビジネスユニット
- 機能化学品ビジネスユニット
- エレクトロニクス・マテリアルビジネスユニット
化学品事業の中においても以下の製品を提供しています。これらは、単にお客様へ提供される製品という役割に留まらず、幅広い製品の実現を可能とします。
- 合成樹脂
- 合成ゴム
- コーティング原料
- 有機化学品
- 無機工業薬品
住友商事ケミカルの採用情報
住友商事ケミカルの採用HPでは、4年制大学・大学院を卒業見込みの学生を対象に採用活動を行っています。年収は、およそ350万から470万円程となる見込みです。
住友商事ケミカルの社風は、現状に満足することなく新たな挑戦をするというものです。また、求める人物像は常に目標をもって行動をすることができる人といえます。
住友商事ケミカルは、住友商事グループの中でも化学品に特化した専門商社です。文系の学生にはなじみが薄いかもしれませんが、企業研究をすると新たな発見があるはずです。
サミット
サミット株式会社とは、住友商事グループに属するスーパーマーケットです。その事業精神として「信用を重んじ、いやしくも浮利を追わず」としています。
サミットは、総合商社である住友商事の強みを生かして、資源価格に左右されない小売りを目指しています。
サミットの事業内容
サミットは、スーパーマーケットとして小売業を営んでいます。一般消費者の生活を支える役割がある一方で、スーパーマーケットは余剰な規模であり再編も必要とされている状況です。
そのため、サミットは住友商事グループ全体の経営資源を最大限活用しています。食品の仕入れ、物品の物流や製品販売に至るまで、オール住商で他社との差別化を図っています。
余剰にスーパーマーケットが乱立する中、サミットはオペレーションの最適化をするだけでなく、消費者の要望により近づくための事業発展を目指しています。
サミットの採用情報
サミットの採用HPによると、大学・大学院生を対象とした新卒採用に加えて、社会人を対象としたパート、アルバイト採用を行っています。その年収は、200万から400万円程の範囲となる見込みです。
小売業では、消費者が必要とする食品の調達、在庫管理から販売までを業務とします。そのため、需要と供給のバランスをとりながら、品質や価格面で価値を提供しなければなりません。
社風としてはお客様の立場で考えて行動ができる人が多い印象です。また、採用においては採算意識に加えて業務効率をアピールすると良いでしょう。
住友商事フィナンシャルマネジメント
住友商事フィナンシャルマネジメント株式会社は、住友商事グループの中でも金融業務に特化した子会社です。その他の子会社とは異なり、独立性をもっていることが特徴といえます。一方で、住友商事グループの一員として住友商事と同じ経営理念や行動指針を共有しています。
住友商事ファイナンスマネジメントの事業内容
住友商事フィナンシャルマネジメント株式会社は、住友商事および住友商事グループの財務業務や経理業務を行っています。いわば住友商事グループの財務・経理プロフェッショナルなのです。
住友商事グループでは、世界を視野に事業を展開する企業が多くあります。そのため、財務・経理業務においても国際基準での知識と経験をベースとした、バックアップ力が必要とされます。
例えば、国内外で展開する様々なビジネスに伴う資金決済や輸出入取引、金融取引や市況商品取引のバックオフィス業務にもなっているので、高い専門性と処理能力が不可欠です。
住友商事フィナンシャルマネジメントの採用情報
住友商事フィナンシャルマネジメント株式会社の採用HPによると、大学・大学院を卒業見込みの学生を対象として採用活動を行っています。業種としては、経理や財務のオフィス業務となります。
選考においては、経理や財務の実務経験などが求められることはありません。しかし、重要な取引の一旦を担うため、責任感と誠実さを持っていることが求められると言えます。
また、社風としては住友商事グループのビジネスを影で支える、縁の下の力持ちタイプが多いです。世界規模での取引も、このようなバックオフィスによるサポートがあってこそなのです。
まとめ
住友商事は、日本を代表する5大商社の1つです。他社とは異なる堅実な社風があり、その子会社にも経営理念や行動指針として受け継がれていることがわかりました。
世界をリードする大規模なビジネスに携わりたいという方は、住友商事だけでなくその子会社である専門商社も併願先企業として検討してはいかがでしょうか。