アクチュアリーとは不確実な将来を数字を使って分析する職業です。高度に専門的な知識と思考力を必要とするアクチュアリーという職種について詳しく知りたい人も多いでしょう。この記事ではその仕事内容・活躍できる場所・求められる資質について紹介します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
アクチュアリーとは
アクチュアリーとは統計学や確率論などを使って、将来起こりうる出来事を予測・分析するプロのことを言います。
アクチュアリーは金融・保険・ビジネスコンサルティングなどの現場で活躍することが多く、その専門的な分析手法で将来予測のレポートなどを書くことがあります。
アクチュアリーは難易度の高い職種
アクチュアリーになるためには日本アクチュアリー会の試験に合格する必要があり、日本アクチュアリー会では準会員と正会員それぞれの試験に合格する必要があります。
準会員になるためには試験の5科目全てを合格し、正会員になるためには更に2科目の試験に合格する必要があります。
アクチュアリーが激務である理由
次はアクチュアリーの仕事に携わる人が激務になる理由を紹介します。
アクチュアリーが激務と言われる理由は人数の少なさ・仕事と同時進行で行うスキルアップのための勉強・仕事内容の幅の広さがあります。
理由①|専門性が高く代替性に欠ける
非常に専門性が高いが、マイナーな資格・職業のため代わりになる人材がおらず、必然的に激務になりやすい職業です。
アクチュアリーは独自の分析スキルを使って不確実な将来の予測を行いますが、日本国内に関してはその人数が5000人程度と少なく、仕事の内容が多岐にわたるので、効率的な仕事が求められます。
また、求められる知識も数学、会計・経済学、年金数理、損保数理という特有の知識も有するので、業務をアクチュアリー以外の人に任せることも難しく、代替性も低いので激務に繋がりやすくなっています。
理由②|仕事と並行して勉強する
アクチュアリーが激務と言われる2つ目の理由は、仕事と並行して勉強をする必要があることです。
アクチュアリーになるためには平均して7〜10年程度かかると言われていて、この期間中本職の仕事を続けながら、アクチュアリーの準会員・正会員になるための勉強を続けます。
さらに、アクチュアリーになってからもその時々の国内外の政治経済についての情報収集をしながら、独自の分析手法に照らし合わせて分析を行うので、継続的にあらゆる情報源から最新の情報を追う必要があります。
理由③|仕事内容が多岐に渡る
アクチュアリーが激務だと言われる3つ目の理由は、仕事内容が多岐にわたっていることです。
現在はコンピューターによって計算は容易にできていますが、その分アクチュアリーに求められる分析の領域も拡大しており、より多角的な視点からの将来予測が求められています。
具体的な職務内容は、発生率分析・契約内容や各種コストから顧客の契約料計算・金融商品に応じた妥当な準備金の予測・販売した金融商品の収益性分析・自社商品から発生しうる経営リスク分析などがあります。
アクチュアリー志望が活躍できる就職先
次はアクチュアリー志望の方が活躍できる就職先を紹介します。
結論から言うと金融関係かリスクマネジメントに関する分野が活躍の場となります。どちらも正確な将来予測が求められる仕事です。
金融機関
アクチュアリーが活躍できる場としてまず考えられる場所は金融機関です。具体的には生命保険会社・損害保険会社・信託銀行などです。
どの業種もお客様から保険料を集めて、それを運用して準備金を確保し、お客様の要望に応じて保険金を支払ったり、融資を行ったりする仕事です。
集めた資金を運用する場合は現在と将来の経済の動向を分析して、運用に使う金融商品を決める必要がありますし、融資の際も金利や経済動向を確認しながら利益性を分析する必要があります。
生命保険会社
アクチュアリーが活躍する1つ目の場所は生命保険会社です。
生命保険はその特性上適切に保険料を徴収し、運用資金が溶けることのないように管理したり、社会の動向に応じて新しい保険商品を開発する必要があります。
例えば新しい金融商品の価格設定でも、顧客に起こりうる様々なリスクを考慮した上で適切に保険料を徴収し必要に応じて保険金を支払える体制を整えておく必要があり、この業務がまさにアクチュアリーが活躍する場となります。
損害保険会社
アクチュアリーが活躍する2つ目の場所は損害保険会社です。
損害保険とは自然災害・人災で引き起こる事故による損害を補償するための金融商品で、ここでも生命保険と同じように徴収する保険料・運用方法・経営的な利益評価・商品の価格設定を適切に行うための計算や計算式そのものの考案を行います。
その計算のためには損害が発生する確率・損害発生時に支払うべき適切な保険金額・起こりうる損害の発生件数など多岐にわたる分析を行う必要があるので、専門的な将来予測スのスキルを持つアクチュアリーが活躍しやすくなります。
信託銀行
信託銀行もアクチュアリーが活躍できる場所と考えられます。
信託銀行とは通常の銀行業務に加えて、信託業務・併営業務なども行います。信託業務や併営業務とは委託者の意思に沿った資産の受け渡しに関する業務です。
アクチュアリーは信託銀行では年金関係の部署に配属され、企業から受けた年金関係の資金を様々な年金制度に適用して活用する業務に当たることが多くなります。
リスクマネジメント分野
アクチュアリーが活躍すると考えられる2つ目の分野はリスクマネジメントに関わる分野です。
ここでは、将来起こりうるリスクの特定・そのリスクの回避方法の考案・リスクが起こった場合の対処案の考案などを行う、アクチュアリーの仕事が生きるコンサルティングファームと総合商社に焦点を当ててみます。
どちらも不確実な将来を扱う仕事なのでアクチュアリーが活躍する機会にあふれています。
コンサルティングファーム
コンサルティングファームはアクチュアリーが活躍できる場の1つとして考えられます。
1つ目の理由は特に総合コンサルティングファームで働く機会が得られた場合には、金融関係のクライアントを担当した時に、クライアントのビジネスモデルや利益構造を、専門的な視点から分析しやすくなることです。
コンサルティングをする場合は当然クライアント業界に関する専門的な知識も必要で、その中でアクチュアリーの知識はまさに金融業に不可欠な将来予測のスキルなので、重宝される能力になります。
総合商社
2つ目に考えられるのは総合商社です。
総合商社も常に将来のリスクと隣り合わせの職業です。商品の輸出入には天候・為替・取引先企業の国内の政治や経済情勢など、多岐にわたる事象が商社の利益に関わる事象として考えられます。
そういった将来のリスクを適切に分析して、最適な取引を目指すために活躍し、集めた情報を数値化・モデル化して利益につながる方法を考えるためにアクチュアリーが重宝される事が考えられます。
アクチュアリーに向いている人
ここまでに紹介したアクチュアリーの仕事内容からも予測できますが、アクチュアリーに向いている人に必要な資質は、勉強に抵抗がない人・話すことが好きな人・多角的な視点を持って物事を見られる人です。
資質①|勉強に抵抗のない人
アクチュアリーに求められる1つ目の資質は、勉強に抵抗がない人です。
アクチュアリーはまず正会員になるために7〜10年という長期間を勉強(インプットとアウトプット)に使います。そこでは膨大な知識を覚えて、その知識を使う方法についても実務を通して学ぶ必要があります。
更にアクチュアリーの正会員になった後も、より正確な将来予測をするために常に政治・経済・社会に関する情報を国内外問わず収集し続ける必要があります。
資質②|話すことが好きな人
アクチュアリーに求められる2つ目の資質は、話し好きな事です。
アクチュアリーの主な業務は数字の分析ではあるものの、顧客や経営にプレゼンを行う機会も多く、自分の高度な専門知識を使った分析結果を、専門知識を持たない相手に対してわかりやすく説明する必要があります。
つまり、内容を咀嚼・整理してわかりやすく伝える能力が求められ、論理的に分かりやすく話す能力は一朝一夕で身につけられる能力ではないので、アクチュアリーを目指す方は普段からこうしたコミュニケーションを意識しておく必要があります。
資質③|多角的な視点を持つ人
アクチュアリーに求められる3つ目の資質は、多角的な視点を持てる事です。
関わる業界に限らず、不確実な将来予測という業務の根幹にあるアクチュアリーは、経営、顧客、社内等、様々な視点から数字を判断する必要があります。
「数字の判断」という一見無機的に見える仕事を、何と関わる数字なのか客観的に見極め、その数字を使う人が納得できる論理を組み立てる必要があり、1つの数字をステークホルダーに合わせて見方を変え、抜け漏れのない分析をした上でプレゼンする必要があるということです。
まとめ
今回はアクチュアリーという仕事について紹介致しました。
アクチュアリーは高度に専門的な知識が必要で、論理的思考力・情報量・対人感応性など幅広い能力が求められる職種です。
その代わり、人に与えられる価値は非常に高くやりがいを得やすい仕事なので、目指す価値のある仕事だと言えるでしょう。