ユーグレナは知らなくてもミドリムシは聞いたことがあるかもしれません。今回はユーグレナというベンチャー企業を創業し、困難を乗り越えて上場した出雲社長にスポットをあてます。同級生やホリエモンこと堀江貴文氏など彼に影響を与えた人たちについても解説します。出雲社長の経営者としてのリーダー像もぜひ参考にしてください。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
ユーグレナの社長は出雲充氏
「出雲充(いずもみつる)」氏は株式会社ユーグレナの創業者、代表取締役社長です。ユーグレナは日本を代表するバイオベンチャー企業の一つになりつつあります。今回はこのユーグレナの創業者で社長の出雲氏を取り上げます。
ベンチャー企業への就職も一つの選択肢です。就活生はこの記事を参考に検討してみましょう。
ユーグレナはバイオベンチャー
ユーグレナはいわゆるバイオベンチャーですが、一つの領域に止まらず幅広い事業活動を展開しています。
食料品や化粧品関連事業は商業化の域に達していますが、バイオ燃料などのエネルギー・環境分野はこれから実用化される領域です。
では、ここでユーグレナの様々な事業の概要を見てみましょう。
ユーグレナの企業情報
まずはユーグレナの公式HPを参考に、ユーグレナの企業情報を紹介します。
創業年数が若く、従業員数もそこまで多くはありませんが、将来が大きく期待されているベンチャー企業の1つです。
ユーグレナの事業
ユーグレナの事業は基本的に全てミドリムシが出発点になっています。ミドリムシは59種類の栄養素を持つ画期的な素材です。ユーグレナはこれを様々な形で商品化し多分野に展開しています。ユーグレナはミドリムシの英語「euglena」が由来となっています。
ユーグレナの事業が成功した契機は、それまで研究室レベルでしか培養できなかったミドリムシを屋外で大量培養することに成功したことです。
ユーグレナが展開している主な事業としては、健康補助食品などのヘルスケア事業、化粧品関係のビューティケア事業、バイオ燃料としてのエネルギー・環境事業があります。
ヘルスケア事業
ミドリムシは藻の一種ですが、光合成をする植物的特性と鞭毛(べんもう)運動をする動物的特性の両面を備えています。このため野菜に含まれるビタミンやミネラルに加えて、魚に含まれるDHA、EPAなどの両方の栄養素59種類を持っています。
バランスの取れた優れた栄養素材ではありましたが、これまで実績のないことが影響し当初は何処にも相手にしてもらえませんでした。
やがてその素晴らしさが認められ、ミドリムシはバランス栄養補助素材として緑汁や飲料品、固形栄養補助食品など様々な形で商品化されています。
エネルギー・環境事業
エネルギー問題は地球規模の大きな課題です。化石燃料にこれ以上頼ることはできず、原子力も夢のエネルギーではないことが次第に明らかになりつつあります。
そこで注目されているのが生物資源を活用するバイオマス燃料です。これまでバイオマス燃料の原料としては大豆やトウモロコシなど人や家畜が食するものが大半でした。
ミドリムシはエネルギー効率が高く、しかも食料との競合がないという特徴を持っていますので、次世代のエネルギーとして大いに注目を浴びているのです。ユーグレナは2020年までの実用化を目指しています。
その他
ミドリムシは5億年前から生きていたとされています。それだけ生命力が強いのです。この生命力は生体内でエネルギー生産に寄与するミトコンドリアを豊富に含むミドリムシならではです。ユーグレナはこのミドリムシの生命力を活用した化粧品開発でも一定の成果をあげています。
ユーグレナは石垣島に「ユーグレナガーデン」というアンテナショップを開設しています。石垣島で生産されている石垣産ユーグレナを中心に展開するユーグレナの商品情報を発信すると同時に、石垣島と周辺地域の観光情報も発信して地域に貢献しています。
ユーグレナは第1回ベンチャー大賞を受賞
ユーグレナは2015年の第一回日本ベンチャー大賞において、最優秀賞である内閣総理大臣賞を受賞しました。日本ベンチャー大賞は日本に起業を根付かせる意識改革のために経済産業省が始めたもので、ユーグレナの先進的な取り組みが高く評価されました。
表彰式に出席したで安倍首相は「ベンチャー企業が日本企業の産業変革の担い手となる」とした上で、「この賞の創設が起爆剤となり、世界をリードする新産業が作り出されれば、経済の好循環は力強く回転する」と述べました。
ユーグレナの社長(出雲充)の出身や経歴
ユーグレナの創業者社長出雲氏は東京大学を卒業していますが、いわゆる一般的なエリートとは全く異なる波瀾万丈の人生をおくっています。
では出雲氏の出身から多くの人との出会いに彩られた経歴を順に見ていきましょう。
ユーグレナの社長(出雲充)は広島県出身で東京大学を卒業
ユーグレナの社長出雲氏は1980年呉市で出生します。2歳まで川崎市で過ごした後、多摩ニュータウンに引っ越しします。中学・高校は中・高一貫校である駒場東邦中学校・高等学校に進学します。
1998年東京大学の文科三類に進み、インターンとしてバングラデシュを訪れた際、深刻な栄養失調の現場に直面します。これがミドリムシビジネスのバックボーンになりました。
サークルでの鈴木健吾氏との出会いが切っ掛けになり、出雲氏は鈴木氏が在籍するの農学部へ転部します。ミドリムシとの出会いも鈴木氏との会話が切っ掛けでした。
三菱東京銀行(現三菱UFJ銀行)を1年で退職
出雲氏は2002年に東大農学部を卒業後、東京三菱銀行(現在の三菱UFJ銀行)に入社します。しかしながらミドリムシへの興味を失うことはなく、銀行員として働く傍らミドリムシの研究を続けました。やがてわずか1年で東京三菱銀行を退職してしまいます。
2003年東京三菱銀行退社後、若者の起業支援の手伝いをしているときにホリエモンこと堀江貴文氏と出会います。2004年には中国青島市のとある会合で福本拓元と出会い、ミドリムシの培養に関心を持った福本氏からミドリムシの培養地として石垣島を紹介されます。
2005年に株式会社ユーグレナを創業
2005年出雲氏はついに資本金一千万円で株式会社ユーグレナを創業します。
培養プールを借りるため鈴木氏・福本氏に加えて堀江氏のライブドアや福本氏の実家であるハイクロレラ(現 エポラ)から出資を募ります。本社は、六本木ヒルズにあったライブドアの一角を間借りしました。
2005年の年末にはミドリムシの大量培養に成功しますが、ライブドア事件の影響で六本木ヒルズのオフィスを退去します。 その後ユーグレナは苦境が続きましたが、新たな支援者が現れ2012年には東京証券取引所マザーズへの上場を果たします。
テレビ朝日「あいつ今なにしてる?」に出演
ネプチューンがMCをしているテレビ朝日の人気番組「あいつ今なにしてる?」の2019年9月19日放送で出雲氏が登場しました。
「名門校の天才・奇才卒業生は今?」というコーナーで、東京屈指の進学校である私立駒場東邦中学校・高等学校の奇才卒業生として、出雲氏が紹介されました。
番組では出雲氏によるミドリムシの屋外大量培養の成功を世界初の偉業として紹介するとともに、出雲氏が文化祭でプリントシール機を自作して大行列ができたエピソードなどがとりあげられました。
この番組出演をきっかけとして、出雲氏のユニークな経歴が世の中に明らかになりました。
ユーグレナの社長(出雲充)と堀江貴文の関係
堀江氏はユーグレナの創業前後からミドリムシビジネスを高く評価していました。 出雲氏のプレゼンテーションで堀江氏は投資を即決しました。ライブドアのファンドから1千万円出資するとともに、4千万円を貸し付けました。
ユーグレナ創業後にはライブドアのオフィスを間借りしていたこともあるようで、現在に渡っても2人の関係が続いていることがわかります。
というかほんとユーグレナはいいところに入り込んでるよなあ。最初の構想にかなり近く動いている。ロケットの燃料でもお願いする予定です。
航空業界、迫られる環境対応 – https://t.co/ATtp5J8OVV— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) November 14, 2015
ユーグレナのバイオ燃料を、堀江氏が進めているロケット開発の燃料に使う構想もあるようです。
ユーグレナの社長(出雲充)の資産や年収
出雲氏の確かな資産や年収については公開された情報を見つけることはできませんでした。
ただ出雲氏はユーグレナの相当な株式を保有しているはずで、一説では100億円近いのではないかとされています。
また上場企業の社長の年収は4,600万円が平均とされていますので、出雲氏の年収もこれに近いと言うことができると思います。
ユーグレナの目指す未来とは
ユーグレナでは、バイオ燃料での航空機の飛行を目指しています。2020年の排出量を超えてはならないという協定がある一方で、2030年の航空機の路線は現状の倍以上になる予想です。
そのような環境下で、ユーグレナのバイオ燃料による航空機の飛行は大きな意味を持ちます。ただ、新規事業に対する厳しい目をもつ日本ではなかなか投資が得られないという側面もあるようです。
それを出雲社長は、過去の経験から跳ね返せると信じ、開発に取り組んでいます。堀江氏のロケット事業でも「燃料にお願いします」とのコメントを過去に寄せ、今後の協業が期待されます。
ロケット燃料としてもお願いします / ミドリムシの燃料工場建設=20年までにANAに供給-ユーグレナhttps://t.co/qbeFGCurjl #NewsPicks
— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) December 2, 2015
ユーグレナの社長(出雲充)をもっと知りたい方
ユーグレナや出雲氏に関しては幾つかの本が出版されており、ネット上にも様々な記事があります。
ここでは、出雲氏自身の執筆による代表的な書籍と2つの記事について概要を解説します。
本を読む
出雲氏の著書、「僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。」を読んでみてください。出雲氏はミドリムシとの出会い以前、海外や友人から様々な知的刺激を受けます。
やがてミドリムシとの運命的な出会いによって人生の方向性が定まります。サラリーマン生活を経て起業というチャンスと迷いの海に漕ぎ出し、ここでも刺激的な人たちと出会います。
そしてついにユーグレナ創業にたどり着きますが、そこから試練が続き伝える努力でそれを乗り切りました。今未来に向けてハイブリッドの大切さを語ります。
株式会社クライス&カンパニーによるインタビュー記事「ターニングポイント」で、その道のりについて知ることができます。
記事を読む
出雲氏のバックボーンは少年時代に読んだ漫画「こち亀」と「ドラゴンボール」です。両津勘吉からは人生哲学を学び、「ドラゴンボール」の「仙豆」から世界の食糧問題解決のヒントを学びます。
文化放送のNews Masters TOKYOの「マスターズインタビュー」では、「決して言い訳せず、まずやって見せて社員に勇気を持たせるのが重要」と理想のリーダー像を語ります。
出雲氏が銀行に就職したのは来たるべき起業に向けて資金調達の勉強をするためでした。堀江氏に背中を押され成したユーグレナ創業でしたが、困難の連続でした。
挫折しなかったのは「ミドリムシは世界を救う。」という強い信念があったからです。その
YouTubeをみる
ユーグレナは、オフィシャルユーチューブチャンネルを運営しています。
そこでは出雲氏のインタビューやメッセージもみることができるので、気になる方はぜひご覧ください。中途での採用情報なども載っていることからも、ユーグレナの単なる広告塔ではないことが分かります。
まとめ
ユーグレナを創業し成長軌道に乗せつつある出雲社長のチャレンジを解説しました。彼の人生を節目節目で支えた様々な人たちとの出会いがドラマチックです。
大企業の歯車の一つになることだけが人生ではありません。就活生はベンチャーの起業や、やりがいのあるベンチャー企業への就職という道もあることを理解しましょう。