初任給24万の手取り額と生活水準は!?新社会人の不安を解消します。

ズラリと並ぶ求人票の中に「初任給24万円」と明記されていたら、目を留める就活生も多いはずです。そこで就職後は一人暮らしをすると想定し、初任給24万円の手取り額や、その場合の生活費の目安について紹介します。就職後の生活をイメージする一助にしてください。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

初任給24万の人の手取り額は約20万円

初任給の額面が24万円の人の手取り額は、約20万円です。総支給金額から社会保険料や雇用保険料、所得税・住民税が天引きされ、額面月収の80%以下になる計算です。

ここでは支給前に企業が天引きする、社会保険料や雇用保険料、所得税・住民税について説明します。

目次

社会保険料・雇用保険

社会保険料は「健康保険料」と「厚生年金保険料」に大別されます。健康保険料とは、医療保険を利用するために徴収されている保険料のことです。厚生年金保険料は、将来年金支給を受けるために不可欠な掛け金を指します。この2つの保険料については、半額を会社が負担しています。

一方の雇用保険料は、失業などを理由に働けなくなった際に給付を受けるための保険料です。

健康保険料は初任給、月給の約5%、厚生年金は月給の約9%、雇用保険は月給の約0.3%が天引きされます。月給が24万であれば下記のような例になります。

  • 健康保険料:11,880円
  • 厚生年金:21,960円
  • 雇用保険料:720円

つまり、社会保険料と雇用保険料だけで34,560円が天引きされることになります。
手取り額を求めるにはこれに加え、所得税と住民税も加味しなくてはなりません。

所得税・住民税

所得税は国税で、額面給与から社会保険料および雇用保険料を引いた金額に対し、決まった税率をかけて算出します。初任給を受け取るのは独身者が大半だと思いますが、扶養家族がいる場合には税率が変わります。

初任給24万円の場合は、「240,000円−34,560円=205,440円」となり、国税庁の給与所得の源泉徴収税額表(令和2年分)を確認すると、扶養家族0人の場合の該当する水準の所得税額は4,980円となります。

  • 所得税:約4,980円

住民税は地方税と呼ばれるもので、前年の総所得から社会保険料を引いたものに、決まった税率をかけて算出します。ただし、新卒入社の場合は前年の所得が非課税限度額以下のことが多く、初任給から天引きになることは稀です。実際に額面給与から天引きされるようになるのは、入社2年目の6月以降となります。

  • 住民税:0円(翌年も同様の収入の場合:約9,425円)

したがって、初任給24万円の人の手取り額は200,460円になります。

新卒で初任給24万は高いのか?

厚生労働省では、毎年「賃金構造基本統計調査」を公表しています。平成30年の学歴別初任給に平均額は、以下の通りです。

  • 大学院修士課程修了者平均 23万8700円
  • 大学卒者平均       20万6700円
  • 高専・短大卒者      18万1400円
  • 高卒者          16万5100円

この平均額を見る限り、大卒で初任給が24万円であれば、高い部類に入ります。

以下の記事で詳しい初任給の平均額や企業別の初任給ランキングを紹介しています。こちらも併せてご覧ください。

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残業代で手取り額が増える可能性もある

労働基準法では、時間外労働に対する割増賃金に関する規程を設けています。いわゆる「残業代」「時間外手当」と呼ばれるものです。

労働基準法では、労働者の1日の労働時間を8時間以内、1週間に40時間以内と規定しています。これが「法定労働時間」といわれるもので、これを超えて働くと「時間外労働」と見なされます。

時間外手当の規定がある会社であれば、残業代が支給されることで手取り額が増える可能性が高いです。ただし、時間外手当も含めた総額で、社会保険料や税金が徴収されます。

ボーナスや各種手当によっても異なる

業績が安定している企業に就職すれば、月給のほかにボーナスが支給されます。一般的には夏と冬の2回の支給ですが、会社によって回数は異なります。つまり、月給以外にも収入を得る手段があるということです。

福利厚生がしっかりしている会社であれば、通勤手当・住宅手当・家族手当・資格手当・燃料手当など、月ごとあるいは年に一度、基本給に加算されます。就活中にチェックしておきたい、ポイントの一つです。

初任給24万の人の生活費内訳

月の手取り額が20万円あれば、都内でも一人暮らしは十分に可能です。初めての一人暮らしの方向けに、手取り20万円の場合の生活費内訳をまとめてみました。各項目については、後で詳しく説明します。

住宅費

一人暮らしをする場合、住宅費が生活費を圧迫しないようにするのが基本です。そのため、生活費全体の1/3程度の家賃の物件を探すことをおすすめします。

手取り20万円であれば、家賃は6万円程度に抑えるのがよいでしょう。東京都23区内でワンルームを探すのであれば、練馬区だと平均が6万1000円、板橋区だと6万2000円となっています。足立区は5万8000円、葛飾区は5万7000円と、6万円を下回るエリアもあります。

職場へのアクセスがよければ、調布市や小金井市の5万6000円という平均額も魅力です。

水道光熱費・インターネット回線

水道光熱費には、水道代だけでなく、電気代やガス代も含まれます。一人暮らしであれば毎日洗濯をすることはないと思いますが、シャワー浴か入浴かによって、水道料金が変わります。

また、自宅で仕事をする可能性がある人は、インターネット回線が不可欠でしょう。しかし、すべての賃貸物件にインターネット回線が付属しているわけではなく、場合によっては自分で工事を依頼しなければなりません。

一人暮らしであれば、水道光熱費とインターネット回線の費用は、月額1万5000円程度に収めたいところです。

通信費

通信費に含まれるのは、固定電話と携帯電話の料金です。近年は一人暮らしをする際でも、固定電話を置かない若者が増えていますので、携帯電話料金と考えて差し支えないでしょう。この費用を1万円以内に収めるのが基本です。

近年は様々なプランが用意されているので、通話の頻度、インターネットの利用状況を考慮して、自分に合った内容に変更することで費用が抑えられます。

また、格安SIMに移行することで、月額基本料も大幅に下げることができます。生活費の中では最も節約しやすい項目なので、見直しを検討しましょう。

食費

手取り20万円の際の食費の目安は、月額4万円です。1日の食費として、1,300円ほど使えるという計算になります。

しかし1日1,300円で3食を賄おうと思うと、外食やコンビニエンスストアの多用は難しいです。そのため、自炊が基本となります。同じ商品でもコンビニよりスーパーやドラッグストアの方が販売価格が安いので、活用しましょう。

また食費は1日1,000円と決めて、1万円を飲み会などの外食費に充てるのも良いでしょう。上司や先輩に誘われた時、生活に余裕がないと伝えれば、奢ってもらえる可能性もあります。

日用品・娯楽・交際費

一人暮らしで節約しやすい項目が日用品・娯楽・交際費で、手取り20万円であれば月額3万5000円までは許容範囲です。

日用品である各種洗剤やティッシュペーパー、トイレットペーパーといった消耗品は、購入しないわけにいきません。そのため、月の予算から生活必需品を購入した残りが、娯楽や交際費に使える計算となります。

用途は色々ですが、洋服はバーゲン時期と重なるボーナスで購入する、本は図書館で借りるなどすれば、趣味の費用は抑えられます。食費で賄えない飲み会代などを、交際費として使うのも良いでしょう。

貯金

手取り20万円ならば、月々3万円は貯金に回しましょう。頻繁に飲み会に参加したり、趣味にお金をかけすぎなければ、必要以上に生活を切り詰めることなく、貯金ができるはずです。

首都圏であれば引っ越さなくても賃貸住宅の更新費が必要ですし、ケガや病気で病院にかかったり、休みを余儀なくされて給与の支給額が減る可能性もあります。

いざという時のために、新卒入社した時から貯金の習慣をつけることをおすすめします。

寮・実家暮らしの場合は固定費を抑えられる

首都圏の大手企業に就職する場合は、一人暮らしではなく独身寮に入居するという選択肢があります。ワンルームで部屋代平均が1万1320円で、水道光熱費を会社が負担してくれるところも多いです。食費を考えても、維持経費は安いです。

また、実家通いであれば義理で1~3万程度払っている場合が多いですが、他は、自由に使えます。

初任給の額がいつまでも続くわけではない

手取り20万円は新卒者の中では恵まれていますが、何不自由なく生活できるほどではありません。

しかし、業績アップや勤続年数の増加に伴い、昇給していくのが一般的です。営業職なら、インセンティブで臨時収入を得るなどの方法もあります。初任給のまま据え置きではないので、前向きに受け止めましょう。

初任給が極端に高い企業は注意が必要

求人票をチェックすると、知名度は低くても大手企業より初任給が高い会社もあることでしょう。

ただし、初任給の額面だけで判断するのは危険です。残業費が固定されるみなし残業代が含まれていたり、住宅補助がないなど福利厚生に問題があるケースもあります。会社訪問時に、しっかり確認しましょう。

まとめ

手取り額が20万円であれば、贅沢はできなくても、生活に困ることはないでしょう。毎月貯金をしながら、一人暮らしを楽しむことができるはずです。就職後に新生活を始める際の参考にしてみてください。

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