生命保険の個人営業は「激務」「きつい」といった評判をよく目にします。特に、住友生命や第一生命、日本生命、明治安田生命など大手ほどノルマが厳しく、個人営業のきつい体験を聞くことも多いです。今回は、保険会社の離職率ランキングを紹介する形で、こうした評判の真相を追求していきます。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
生命保険の離職率は高いのか
生命保険(生保)の仕事といえば、「離職率が高い」「激務度が高い」といった評判をよく耳にします。確かに、個人に直接営業をかけるので「仕事がきつい」という印象は拭い去れません。では具体的にどんな仕事の、何が辛いのかを見ていきましょう。
正直な、早く今の仕事辞めたい。
でも辞めさせてもらえない。
てか、うちにははっきり言って生保は無理だった。先輩には申し訳ないですけど…
もう続けるのは難しいです。体調悪くても
病院行けないし、中抜けも出来ないし、
本当、こんな辛いとは思わなかった。— めぐちゃま (@hsj_sukhg) October 11, 2018
上記のtweetにもある通り、実際に保険会社で働いた方ほどネガティブな評判を流しています。
確かに生命保険の業界では人手不足が顕在化しているため、辞めたくても辞められないということも多いでしょう。誰だって体調を崩してまで働きたいとは思わないですよね。
では、本当に生命保険の離職率は高いのでしょうか。今回は様々な角度から検証を行っていきます。
生命保険会社と販売手法の多様化
生命保険会社の悪い評判は、特に昨今になってからよく見かけるようになりました。その理由として、「生命保険会社の多様化」や「販売手法の多様化」といった事情が絡んでいるでしょう。
特に、国内の保険会社は大きな変革期を迎えているため、まずは企業や社会背景から覗いていきます。
生命保険会社の多様化
生命保険会社は多種多様な企業・業態が誕生し、今では大きく多様化しています。
- 四大生保
- 外資系生保
- 損保系生保
- 中堅生保
- ネット系生保
こうした様々な生命保険会社が誕生するなか、さらに業界をめぐる大きな環境変化も見逃せません。
- 長生きリスクが高まったことで保険の見直しや購入が進んでいる
- 社会保障の将来不安も上記に拍車をかけている
- 外資系やネット系の保険会社が乱入し売上を確保するのが困難に
- メガ損保グループの誕生により中小生保はより厳しい環境に陥っている
生命保険業界は、1996年に保険業法が改正されてから、従来の「護送船団方式(弱小企業が足並みを揃えて競争を避けること)」が通用しなくなりました。
また、「四大生保」と呼ばれる、東京海上日動火災保険、損保ジャパン日本興亜、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険のメガ損保グループの登場により、中小規模の事業者はますます経営環境が厳しくなっています。
長生きリスクや将来の備えから保険商品へのニーズは高まっているものの、競争環境が激化したことにより、今まで以上に売上確保を目指さなければなりません。
これでは、従業員一人あたりに対する仕事の負荷が重くなったとしても不思議ではないでしょう。
販売手法の多様化
生命保険会社が多様化するなかで、その販売手法にも大きな変化が表れました。
- 個人営業
- 団体営業(法人営業)
- 代理店営業
従来であれば個人営業が主力だった生命保険は、今では法人向けや代理店活用なども進んでいるのです。販売手法が多様化するということは、次のような環境変化も起こってくるでしょう。
- 保険のトータルリスクマネジメント(パッケージ化)が求められている
- 保険会社としてのブランド価値が重要視され始めている
- 人手不足により従来の人事戦略が通用しなくなった
- 保険業法の改正により商品に独自性が求められるようになった
1996年の保険業法の改正により、保険会社の販売手法にも変化が表れました。それが保険商品のパッケージ化(リスクを可視化した独自性のある商品)です。
今までは護送船団方式が採用されていたがために、他社と同じような商品を販売していても十分に利益が確保できました。しかし、業界が自由化されることで、より消費者に魅力的な商品を打ち出さない限り、売上を確保することすら困難になったのです。
また、人口減少による人手不足も見逃せません。保険会社は離職率が高いこともあり、人の出入りが激しい業界です。
一方、人手が不足しているので、従業員の定着率を高め、一人あたりのノルマも厳しくせざるをえないという事情があります。
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生命保険の離職率ランキング1位は個人営業
生命保険の離職率ランキング1位は、「個人営業」です。簡単にいえば、個人の家に訪問し、「この保険を買ってください」と営業をかける仕事を指します。
保険会社にとって契約を獲得する個人営業は欠かせません。しかし、ランキング1位になるからには、それなりの理由があるはずです。ここでは、個人営業の仕事の特徴から、その理由を探っていきましょう。
四大生保と外資系生保では個人営業が中心
四大生保(東京海上日動火災保険、損保ジャパン日本興亜、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険)や外資系の生命保険会社では、契約を獲得する手段として個人営業が中心となっています。
しかし、実際に働いた人のなかには、「きつい」「辞めたい」といった評判も珍しくありません。
生命保険会社の個人営業を担うのは「生保レディ」
生命保険会社の個人営業は、主に女性が担当する「生保レディ」が中心です。自宅に生保レディが来たことのある方も多いのではないでしょうか。
特に、春採用といわれる4月~6月のシーズンに大量の生保レディを確保することが多くなっています。また、生命保険会社は毎月のように新しい生保レディを採用することで有名です。離職率が高い裏返しといえるでしょう。
生保レディは主に歩合制で働くことがほとんどです。これは、努力するほど給与が増えるということでもありますが、厳しいノルマが課せられていることもあり、「必死で契約を取らなければならない」というプレッシャーにもなっています。
生命保険会社にはもちろん総合職も用意されています。こちらの離職率は、就職して3年以内で30%圏内にあり、個人営業ほど高い数値ではありません。
「生命保険会社に就職したいけどきついのはイヤ」という方は、総合職を検討してみるのもよいでしょう。
損保系生保に「生保レディ」は存在しない
損保系生保とは、損害保険会社を親会社とする生命保険会社です。
損保系生保は基本的に代理店営業が中心となっています。そのため、生保レディを確保する必要もありません。損保系生保には生保レディが存在しないと覚えておきましょう。
生命保険の個人営業で離職率が高い理由ランキング
生命保険の個人営業で、特に離職率が高い理由をランキング形式で紹介します。上位1~4位までのランキングは以下の通りです。
- 1位|時代遅れの営業手法でノルマを目指す
- 2位|手土産や交通費が自腹
- 3位|説明業務の繰り返しでスキルが身につかない
- 4位|拠点内の人間関係が複雑
離職率が高い理由については、以下で詳しくお伝えしています。
1位|時代遅れの営業手法でノルマを目指す
生命保険会社の営業手法は、ひと昔前から行われている古いものを踏襲したケースが少なくありません。一般的な営業手法として以下のような流れとなります。
- 毎月のノルマが発表される
- ノルマに沿って毎日個人宅に営業をかける
- ノルマ達成が難しそうであれば身内(親族や友人)への営業を勧められる
- それでも達成が難しければペナルティ
- 翌月のノルマへ
基本的には上記の手法を繰り返すだけといっても言い過ぎではありません。よく噂として耳にする「身内への営業」も当たり前の手法として活用されています。
ペナルティには、減給のほか、自主退社を勧告されたり、最悪の場合はクビを切られます。
最近では働き方改革を取り入れる企業も増えてきたため、今後は少しマシになることが予想されますが、離職率が高い理由ランキングが変化するには時間がかかることでしょう。
2位|手土産や交通費が自腹
個人営業には基本給も支給されますが、インセンティブ(歩合制)の比重が高くなっています。しかも、営業先までの交通費、手土産、飲み会費などは自腹で払う必要があり、給与を押し下げる原因の一つになっています。
何度も営業を重ねると積もり積もって大きな金額となるので注意しなければなりません。
3位|説明業務の繰り返しでスキルが身につかない
個人営業の仕事は、主に保険商品について顧客に分かりやすく説明することです。そのため、新しい営業先を訪れたとしても、基本的に行うことは変わりません。
生保レディのなかには、「同じ説明業務ばかりでスキルが身につかないから辞めた」といった声もあります。
4位|拠点内の人間関係が複雑
生命保険会社には、各地の営業がスムーズにできるよう拠点が設けられています。原宿営業部、恵比寿営業部といった形です。
特に新人の頃は、この営業部に配属されて「営業支援」という仕事を任されます。セミナーの会場設営や拠点管理、生保レディの表彰式の準備、旅行の企画といった雑事が多く、想像を絶する激務となります。
また、拠点内には様々な職員が集まっているため、複雑な人間関係に悩まされるといった評判も少なくありません。
歩合制で高給を稼ぐ人がいるのも事実
生命保険の個人営業は離職率も高く、確かに激務ですが、一方でスキル次第で高給を稼げることも間違いありません。歩合制が基本となるため、根性と頑張りが実れば給与も高くなるのです。
そのため、「デスクワークが苦手」「外回りの営業がしたい」「歩合制で徹底的に稼ぎたい」という方には天職となります。離職率は高いものの、しっかりと働いて高給を稼いでいる人もいることを忘れてはいけません。
まとめ
今回は、生命保険の離職率ランキング(個人営業)を紹介しました。離職率が高い理由をもう一度おさらいしておきましょう。
- 1位|時代遅れの営業手法でノルマを目指す
- 2位|手土産や交通費が自腹
- 3位|説明業務の繰り返しでスキルが身につかない
- 4位|拠点内の人間関係が複雑
厳しいノルマが課される個人営業は、確かに「激務」で「きつい」という印象を受けます。しかし、歩合制で稼げる仕事でもあるため、向き・不向きによっては天職になる可能性もあるということを覚えておきましょう。