人材コーディネーターは激務?「辛い」「辞めたい」評判の真相や激務の理由を解説

人材コーディネーターの仕事は激務と言われていますが人材コーディネーターが激務といわれる理由についてはあまり知られていません。特に激務といわれる人材派遣、人材コーディネーターの良いところ・向いている人、人材コーディネーターの働き方改革など、今回は人材コーディネーターについてご紹介します。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

人材コーディネーターとは

人材コーディネーターとは、派遣会社で派遣スタッフと企業の橋渡しをする人のことです。派遣会社の登録したスタッフの希望や適正から、その人に合う企業とマッチングします。

人材コーディネーターと混同されやすい仕事に「キャリアアドバイザー」がありますが、キャリアアドバイザーとは、希望者からの転職や就職の相談に乗る人のことです。

目次

人材派遣

人材コーディネーターの代表的な仕事は、派遣スタッフに合った企業を紹介することです。紹介だけでなく、スタッフがその企業で働き始めてからもコンスタントにフォローを続けます。

面接のコツや履歴書の書き方をアドバイスすることもありますし、入社してからの悩みなどに乗ることもあります。場合によっては雇用先の企業に依頼や相談をすることも必要です。

人材コーディネーターの仕事は、スタッフが仕事をしたいと決めたときから退職をするまで続きます。

営業

人材コーディネーターが所属する派遣会社は、企業から仕事を依頼されなければ仕事がありません。そのため人材コーディネーターは企業に営業をして仕事をもらう必要があります。

自社に所属するスタッフが優秀であることや、即戦力があることをアピールして、企業から人材派遣の契約をもらうことも人材コーディネーターの仕事です。

この営業にはノルマが課せられることもあります。そのため時にはノルマ達成が厳しく、営業のストレスを抱えることもあるでしょう。

人材コーディネーターが激務と言われる理由

人材コーディネーターは一般的に激務だと言われています。営業をし、スタッフを派遣して、その後もフォローすると考えれば激務と言われるのもわかるような気がします。

では具体的に、人材コーディネーターの仕事のどんなところが激務と言われているのかを見てみましょう。

理由①:相手の都合に左右される

まず1つ目は「相手の都合に左右される」というものです。人材コーディネーターは派遣スタッフと企業の間にいます。そのため、双方の都合に合わせて動くことになり、自分の都合で仕事を進めることが難しいのです。

企業とスタッフの顔合わせひとつをとっても、どちらともが都合の良い日時に合わせて自分が動くことになります。どちらかが予定の変更を申し出ると、またそこからスケジュールの調整が必要です。

そのような事情から先の予定が立てにくく、スケジュールが変更になっても対応できるような見込みを含めた計画が必要になります。

理由②:夕方以降の連絡で残業になる

2つ目は「夕方以降の連絡で残業になる」というものです。人材コーディネーターの仕事のひとつに、スタッフのフォローがあります。初めて出勤した日や、月末・月初のタイミングでスタッフにヒアリングをすることも日常の業務です。

その場合、スタッフは日中、勤務をしているので、どうしても勤務後の夕方以降に連絡が入ったり、面談が入ったりすることになります。つまり、自然と残業をすることになるのです。

また、このフォローは1人や2人に行うものではありません。自分が担当しているスタッフすべてに行うと考えると、毎日残業となる可能性も高いでしょう。

理由③:派遣先と派遣スタッフの間で板挟みになる

3つ目は「派遣先企業とスタッフの板挟みになる」というものです。スタッフから企業への要望を企業に持ち込んでも、すべてを承諾してもらえるわけではありません。そんなときに自分が板挟みになっていると感じます。

人材コーディネーターにとって、派遣スタッフも派遣先企業も同じくらい大切な存在です。どちらかが欠ければ仕事は成り立ちません。どちらにも上手く納得してもらえるような、折衷案を考え続けなければならないこともあります。

理由④:自らが派遣スタッフの代役を務める事がある

4つ目は「自らが派遣スタッフの代役を務める場合がある」というものです。クライアントの希望する人材を用意できなかった場合や、派遣しているスタッフが急病で出勤できない場合などに、人材コーディネーター自らが代役として仕事をしなければならないことがあります。

クライアント企業と派遣会社は「○日間○人は出勤する」などの契約を結んでいるため、その契約に穴を開けることができません。企業によっては融通を利かせてくれることもありますが、人数が割れることを許さない企業もあります。

欠勤などがある場合に必ずスタッフの代役を求められるとは限りませんが、そうなることも想定して日々の仕事をする必要はあります。

理由⑤:ノルマがきつい

5つ目は「営業職のノルマがきつい」というものです。これは営業職または営業職を兼任している人材コーディネーターに限った内容となります。

今は人材派遣会社が大変多く、競争も激化しています。そのため営業に行っても新規で契約をもらうことは難しく、ノルマの達成が厳しいという人がほとんどのようです。

以前から付き合いのある企業との契約を維持していくことと平行して、新しい取引企業を見つけなくてはならない、という状況は身心ともに大きなプレッシャーとなるでしょう。

人材コーディネーターで特に激務なのは人材派遣

人材派遣は多くのスタッフとかかわることになり、ひとり一人性格も異なるため臨機応変に相手に合わせていく必要があります。

中には合わないと感じるスタッフもいるかもしれませんが、その感情を出すことはできませんし、他のスタッフと同じように接しなければなりません。いつも誰にでも同じように接しなくてはならない、という点も激務と言われる理由のひとつでしょう。

人材コーディネーターは激務な一方、良いところもある

しかし、人材コーディネーターには人材コーディネーターにしか得られない良い部分もあります。激務であるにもかかわらず、人材コーディネーターを続けている人たちが「やっていて良かった」と感じる瞬間をご紹介します。

対面だからこそ直接感謝される

人材コーディネーターはスタッフと直接会ってかかわる仕事です。そのため対面で直接感謝をされることも少なくありません。

このツイートのように「次もあなたがいい」「あなたなら頑張れる」と言ってもらえるのは、何よりも励みになります。

自分が気持ちを注いだ分、相手から感謝の気持ちが直接返って来るという部分は大きな喜びです。

さっき、人材コーディネーターしてて、良かったことがありました。
お店辞めたいって話だったけど、次もやっぱり、担当はしぉさんがいいです。しぉさんが担当してくれるなら頑張ります。と言われました。

— しぉっちょん★ (@siopg0908) June 6, 2011

影響力の大きな仕事が出来る

派遣先企業の中には、その後正社員雇用がされる制度をとっている企業もあります。自分が派遣したスタッフが、その企業で努力を重ねたことによって生涯の仕事を手に入れるかもしれないということです。

自分がいなければ、そのスタッフはその企業の正社員になれなかったかもしれないと考えると、自分がいかに影響力の大きな仕事をしているのかということを実感できます。

自分だけでも相手だけでもなし得ないことを、協力しあって果たしていくという経験は、社会人生活で大変貴重な経験となるでしょう。

人材コーディネーターに向いている人

人材コーディネーターには、特別な資格は必要ありません。自分が希望して、派遣企業に採用されれば人材コーディネーターとして働くことができます。

しかし、他の仕事と同じように向き不向きはあるようです。以下ではどんな人が人材コーディネーターとして向いていると言えるのか、ということを解説します。

人から頼られるのが好きな人

まず欠かせないのは「人から頼られることが好きな人」です。人材コーディネーターは人を導く仕事なので、当然スタッフは人材コーディネーターに頼ってきます。

人から頼られることが苦手、あてにされることが苦痛という人には人材コーディネーターは向いていません。

人から頼られると力が湧いてくる、相手のためになりたいとやる気になれるという人が人材コーディネーターに向いています。

気持ちの切り替えが早い人

次に「気持ちの切り替えが早い人」です。人材コーディネーターは、派遣中のスタッフや派遣先の企業などから意見を吸い上げることも仕事です。しかし、それらの意見は良いものばかりではありません。むしろ愚痴や苦言の方が多いと思っておきましょう。

人からの愚痴や苦言を聞き続けることは苦痛ですし、精神的にも疲弊します。大事なことは聞くべきところと、そうでないところを判断してメリハリのある対応をするということです。

相手が言った愚痴をいつまでも引きずったり、苦言を悔やみ続けるようなことをせず、気持ちを早く切り替えられる人が人材コーディネーターに向いています。

調整業務が好きな人

最後に「調整業務が好きな人」です。人材コーディネーターはスタッフと企業の予定だけでなく、そこに自分の予定も入れて日々の調整を繰り返します。また、日時だけでなく人と企業の相性も見極めて調整しなくてはなりません。

一見難しいと感じるような調整も、コツコツと取り組んで何とか調整してしまえるような人であれば、スタッフも企業も自分自身も時間をロスせずに済みます。

調整業務は慣れも必要なので、最初から調整が得意である必要はありません。ただし、調整業務のような細かい作業が好きという人の方が、人材コーディネーターに向いていると言えるでしょう。

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人材コーディネーターの働き方改革は道半ば

激務と言われる人材コーディネーターの働き方が、今後どのように改善されていくのか、という点は大変興味深いものです。世間では働き方改革によって、多くの企業が働き方を変えて行っています。

結論から言えば、人材コーディネーターの働き方改革はまだまだ道半ばです。スタッフや企業と直接会って仕事をするという特性から、働き方改革の代表的な施策である「フレックス制」や「リモート制」が取りにくいということが理由のひとつです。

激化する同業他社との競争により残業などが増えているところも多いかもしれません。他社よりも高い時給でスタッフを引き寄せるために、その部分を補うだけの営業結果を求められるということもあります。

しかし派遣企業によっては、スタッフや企業の都合に合わせるための出勤時間調整や、有休取得のための補助役をつけている場合もあります。自分がどんな働き方をしたいか、という視点で人材コーディネーターとしての就職先を探すという方法も良いでしょう。

人材コーディネーター以外にも激務な仕事はまだまだあります。激務な業界・職業TOP10をチェックしたい方は、以下の記事をご覧ください。

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まとめ

人材コーディネーターは激務です。しかし多くのスタッフとかかわり、さまざまな企業の担当者と接することで多くの知識や経験を得ることもできる仕事です。

「あなたに担当してもらえて良かった」と言ってもらえる人材コーディネーターになれれば、心の充実ややりがいを多く得られる仕事、とも言えるかもしれません。

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