面接は暗記して臨むべきか。面接官からの評価ポイントと併せて解説!

就活や転職で行われる面接に暗記で臨んでいるという人は少なくありません。特に高校生や新卒など初めて面接を受ける人は履歴書やESの丸暗記が多いでしょう。しかし緊張で飛んだり棒読みになっては意味がありません。今回は、スラスラ言えない、アドリブに自身がないという人にもおすすめの方法を解説します。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

暗記をせずに面接に臨む人はいない

面接を受ける人のほとんどは、想定される質問に対する回答を暗記して臨んでいます。面接の対策は質問の回答を丸暗記するのみ、と考えている人も多いようです。

または丸暗記とまではいかなくても、必ず聞かれるであろう「志望の動機」や「自分の長所と短所」などだけは暗記しているという人も多くいます。

面接で「丸暗記」するのは好ましくない

しかし、面接で聞かれる質問の答えを丸暗記するというのは好ましくありません。なぜなら面接は会話として行われるものだからです。

会話は人によって言い回しやニュアンスが異なり、丸暗記した言葉では微妙に食い違ってしまいます。また、丸暗記したこと以外の質問には対応することができません。

面接で「丸暗記」をした人にありがちな3つの失敗

面接で回答する内容を丸暗記した人には、やってしまいがちな失敗があります。以下では特に多い失敗の例を3つあげていますので、具体的にどのような失敗につながるのかを確認しておきましょう。

目次

緊張して内容が飛ぶ

1つ目は、緊張のあまり暗記した内容が飛んでしまうという失敗です。丸暗記は自宅など慣れた環境で行うことが多いため、極度の緊張を伴う面接会場では上手く思い出すことができません。

面接のシミュレーションなども、いくら自分が「本番と同じつもりで」という気持ちで臨んだとしても、意識の中では練習であることがわかっています。そのため本番ほどの緊張感を持って練習することはできないでしょう。

想定外の質問に戸惑う

2つ目は、準備していなかった想定外の質問に戸惑ってしまうという失敗です。面接の質問は過去の傾向などから予想して準備をします。しかし、これまでにされなかった質問がされないという保証はありません。

質問に対する答えをいくら暗記したとしても、想定していない質問の答えを準備できるわけはないのです。その結果、しどろもどろになってしまったり、言葉が出て来なくなったりしてしまい、面接官に「丸暗記で面接に臨んでいる」ということを見破られてしまいます。

質問とは関係ない回答をする

3つ目は、自分が丸暗記した内容を答えるために、質問とは関係のない回答をしてしまうという失敗です。丸暗記をしていると、知らず知らずの内に自分が準備した回答へと質問を寄せてしまい、何となくちぐはぐな印象となります。

面接はただの聴き取りではありません。仕事に欠かせないコミュニケーションの質も見られています。「何となくずれた人」と一度思われてしまうと、その印象を面接中に挽回することはほぼ不可能です。

面接官の評価ポイントに関する2つの誤解

面接を成功させるためには、面接官が評価のポイントとしている部分について、的確に応える必要があります。面接は短い時間しか与えられません。正しい評価ポイントを知って、効率良く良い評価をしてもらえるようにしましょう。

面接官が重視するのは「自然なコミュニケーション」

面接官が面接で見ているのは「自然なコミュニケーションを取れる人かどうか」という点です。面接はこの部分を見るためだけにあると言っても過言ではないでしょう。

現に経団連が加盟企業に行ったアンケートに「面接において重視した点は」というものがあります。このアンケートに対して8割以上の企業が「コミュニケーション能力」と答えており、2位以下の「主体性」「チャレンジ精神」「協調性」を大きく引き離しています。

志望の動機や将来性などは、面接でなくても文章などで伝えることができます。しかし「自然なコミュニケーション」だけは会って話さなければわかりません。だからこそどの企業でも「面接」を行うのです。

つっかえないことが「自然なコミュニケーション」ではない

ところが、この「自然なコミュニケーション」を、どんな問いかけにもつっかえずにすらすらと答えること、と勘違いしている就活生は多くいます。

本当の「自然なコミュニケーション」とは、適切なリアクションをし、相手の気持ちや状況を考慮した上で柔軟に話す能力のことです。

つまり面接でつっかえながら話したとしても、それが即いけないということではありません。面接で緊張し、つっかえるのは当たり前のことです。つっかえても焦らず、丁寧で柔軟な話し方をするよう心がけましょう。

面接の暗記は伝えたいキーワードレベルでするのが理想

「面接で丸暗記は好ましくない」ということはお伝えしました。しかし、そうは言っても何も暗記しない状態で面接に臨むのも心細いものです。

その場合は「キーワードレベルでの暗記」をしましょう。細かな文章で暗記をするのではなく「○○と言われたらこのことを言う」程度の暗記に留めておくと、相手の話し方に合った自然な会話にすることができます。

面接の「丸暗記」から抜け出せない人の対策

そうは言っても、心配や不安からどうしても丸暗記せずにはいられないという人もいるでしょう。その場合は「丸暗記した回答の不自然さを実感する」「丸暗記しなくても良い方法を練習する」という2つのことを実践してみてください。

回答を録音して不自然か確かめる

まずは丸暗記した回答の不自然さを実感するための方法です。自分が丸暗記をした回答を、スマホなどの録音機能で録音してみます。その録音を自分で聞いてみましょう。同時に、自分が自由に話しているものも録音して聞いてみます。

丸暗記した方の話し方は一見きれいに話せているようで、何となく冷たく機械的、あるいは事務的に聞こえます。一方、自由に話している方の話し方は自然な抑揚がつき、自分らしさが出ているのではないでしょうか。

面接官が欲しいのは、その人らしさが出た話し方です。人はつっかえたり言い間違ったりしていたとしても、自然な話し方をする人に魅力を感じます。

自分の声に意識を向ける

これも丸暗記の不自然さを実感するための方法です。丸暗記したものを話している自分の声に意識を向けてみましょう。

自然な抑揚がついているか、楽しかったできごとを楽しそうに話せているか、反省したできごとを悔やむように話せているか、など自分の声と話の内容が合っているかを確認してみてください。

丸暗記をすると覚えていることを口から出すだけとなり、声に表情がでません。自然な話し方には、自然な声の表情も欠かせないのです。

キーワードから内容を連想できるレベルまで練習する

最後に、丸暗記しなくても良い方法についてお伝えします。それはキーワードから内容を連想できるまで練習をするというものです。

たとえば「あなたの長所は何ですか」と「あなたにとって自分が長所だと感じている部分はどこですか」では答え方が違います。前者だと「はい、私の長所は○○です」ですが、後者だと「はい、私が自分で長所と感じているのは○○な部分です」となります。

こういう細かいところで不自然さが伝わってしまうのです。しかし「長所」というキーワードに「積極的なところ」という内容を紐付けておけば、答え方を相手の問いに合わせることができます。キーワードと内容を簡単なセットとして覚えるようにしましょう。

まとめ

面接官は、面接の場だけでその人のすべてを知ろうとしているのではありません。

大切なことは、もっと知りたいと思ってもらうことであり、この人とであれば良好なコミュニケーションを取っていけそうだと感じてもらうことです。

質問に対して答えるだけでなく、自分らしさを伝えることを重視しましょう。

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