15時間労働は労働基準法アウト?精神・肉体におよぼす悪影響とは...

「15時間労働は異常」と感じる方も多いはずですが、労働基準法に照らし合わせれば、「残業代なし」などの条件さえなければ違法ではありません。今回は合法性の根拠を解説すると共に、15時間労働のメリット・デメリットを活かした仕事の選び方を紹介します。毎日の長時間労働や連勤に悩む人に是非。

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15時間労働は違法ではない

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結論から言えば、15時間労働は違法ではありません

しかし、その根拠を確かめるためには「労働基準法」や「労務安全情報センター」の情報などを参照しなければならず、骨が折れます。そこで、この章では15時間労働の合法性を、法律や労使協定の観点から紐解いていきます。

最後までご覧頂くことで、15時間労働が違法ではないことが納得頂けるかと思います。

長時間労働に関わる労働基準法

15時間労働に関係する法律の条文は、労働基準法の次の2点が該当します。

  • 労働基準法32条|労働時間の上限
  • 労働基準法37条1項|休日出勤の残業代は3割5分増し

それぞれ長時間労働にどのように関わっているか、以下で紹介していきます。

労働基準法32条|労働時間の上限

労働基準法(中央労働災害防止協会 安全衛生情報センター)」には、労働時間の上限に関して次のような記載があります。

第三十二条 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。  2使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

つまり、1日8時間、1週間40時間が労働時間の上限ということです。

一見すると、15時間労働は1日8時間以上の使役となるため、「おや、違法なのではないか」と感じてしまいますよね。そこで、次の項目をご覧ください。

労働基準法37条1項|休日出勤の残業代は3割5分増し

15時間労働は、「8時間の基準労働時間」と「7時間の残業時間」に分かれます。そのため、残業代にも焦点を当てて合法性を探らないといけません。

労働基準法(中央労働災害防止協会 安全衛生情報センター)」には、残業代に関して次のような記載があります。

第三十七条 使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。 ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

また、日本自治体労働組合総連合の労務安全情報センター「割増賃金Q&A」によると、割増賃金率を次のように定めています。

割増賃金率は、時間外労働が2割5分以上・休日労働が3割5分以上とされている。また、深夜(午後10時~翌午前5時まで)時間帯の労働には、さらに2割5分以上の割増賃金の支払いが必要。

よって、7時間分の残業時間が発生する15時間労働は、最低でも2割5分増し、休日だと3割5分増し以上の残業代を支払わなければなりません

ただし、労働基準法32条と37条1項だけでは、15時間労働が違法か、それとも合法なのか判断することはできません。そこで、15時間労働で違法になるケースを検証してみましょう。以下をご覧ください。

15時間労働で違法になる場合

15時間労働で違法になる場合は、次の2点です。

  • ①36協定を締結せず、法定労働時間を超えた
  • ②残業代が支払われない

上記2点を検証していくと、ようやく「15時間労働が合法になる理由」が見えてきます。ぜひ、最後までご確認頂き、15時間労働の法的根拠をお確かめください。

①36協定を締結せず、法定労働時間を超えた

労働基準法32条には、「1日8時間を超えて労働させてはならない」という条文があったものの、8時間を超えたからといって必ずしも違法に当たるわけではありません

労使間で36協定(労働基準法第36条に基づく労使協定)を結んでいれば、時間外労働(残業)をさせることが可能だからです。

ただし、「厚労省の36協定に関する指針」によると、事業者は36協定を結ぶうえで、以下の点に留意する必要があります。

  • 時間外労働の上限は月45時間、年360時間
  • 時間外労働や休日労働は必要最小限にとどめること
  • 36協定の範囲内であっても労働者への安全配慮を怠らないこと
  • 休日労働の日数や時間数を可能な限り少なくするよう努めること

つまり、上記内容に違反するような場合は、完全な違法です。また、36協定を締結せず、法定労働時間を超える(8時間以上)使役も違法となり罰則が科されます。

②残業代が払われない

労使間で36協定を結べば、事実上は時間外労働をさせることができるものの、残業代が出なければ違法です。1日8時間、1週間40時間を超える場合、事業者は時間外手当を支給する義務を負います。

ここまでの内容で、次の2点が明確となりました。

  • 36協定を結ばず8時間労働をさせると違法
  • 残業代を支払わないを違法

上記2点が違法になるということは、裏を返せば、「36協定を結んで残業代を支払っていれば、15時間労働は合法」と言い換えることができるでしょう。

ただし、「15時間労働が常態化している」などのケースでは、労働者への安全配慮が欠如している可能性があります。もし長時間労働や度重なる残業で悩んでおられる方は、以下の機関や専門家に相談してみてください。

  • 全労連 労働問題ホットライン
  • 労働基準監督署(「地域+労働基準監督署」で検索)
  • 労働局雇用均等室
  • 総合労働相談コーナー
  • 社会保険労務士
  • 弁護士

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監修者プロフィール

三浦拓巳みうらたくみ

1997年群馬県生まれ。20卒として就職活動を行う。就活中はエントリーシート15社中全て通過。大手広告会社志望から一転、スタートアップに内定を承諾。内定後は人材育成会社にて、エントリーシート、面接などの選考対策に従事し、約70人の生徒を担当。自身の就職活動での学びを活かし、教育事業に注力している。