「キャリアは継続し、連鎖し、発達する。」キャリアのない就活の良し悪しとは

就活時期が撤廃され、ヨコ一列の就活からナナメの就活になる───。 情報収集・選考対策が個人戦化する通年採用時代で、ファーストキャリアの最善な意思決定を下すために必要な知恵を探るべく、Bizual編集部が様々な分野の専門家にアプローチする本連載。 今回は自ら大学で教鞭を執る傍ら、キャリア論やリテンションマネジメントなど数々な研究テーマで著作、講演の実績がある青山学院大学 山本寛教授を尋ねました。 輪郭のぼやけた”キャリア”という概念。その実像に迫ります。

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Profile

山本 寛(やまもと ひろし)

青山学院大学 経営学部 経営学科 教授

早稲田大学政治経済学部卒。その後、銀行、市役所などに勤務。大学院を経て、現在、青山学院大学経営学部教授。メルボルン大学客員研究員歴任。日本経営協会・経営科学文献賞(01年)日本労務学会賞・学術賞(02年)経営行動科学学会・優秀事例賞(04年・共同受賞)など受賞。人的資源管理論担当。働く人のキャリアとそれに関わる組織のマネジメントの問題が専門。日本経営協会・経営科学文献賞など受賞。

著作は『人材定着のマネジメント』(中央経済社)、『自分のキャリアを磨く方法』『転職とキャリアの研究[改訂版]』『働く人のためのエンプロイアビリティ』『昇進の研究[増補改訂版]』(以上単著:ともに創成社)、『働く人のキャリアの停滞』(編著:創成社)、『「中だるみ社員」の罠』(日本経済新聞出版社)など。近著に『なぜ、御社は若手が辞めるのか』(日本経済新聞出版社)がある。

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キャリアの継続性・連鎖性・発達性

─── 山本先生は銀行、市役所での勤務を経て研究者になられました。ご自身がキャリアの研究を始めるに至った経緯をお聞かせください。

私の場合、新卒で入社したのは銀行で学生当時からアカデミックな研究分野に関心があったわけではありません。当時銀行では連日夜遅くまで仕事をしていたのですが、労働環境の改善を求めて市役所に転職をしました。

しかし、市役所では銀行時代とは一転、逆に物足りなさを感じるようになり、そのタイミングで大学院にも通い始めました。それが研究に足を踏み入れた一歩目だったかもしれません。

─── 当初の研究テーマはどのようなものだったのでしょうか。

はじめは自分の関心分野である臨床心理やカウンセリングの勉強をしていました。研究テーマは一貫して自分に関係のあることを選んできています。最初の研究テーマは自身の銀行員時代、市役所職員時代の経験から「職業の適正」に関して。途中から「仕事への満足感」そして「キャリア」へと変遷しています。

─── そもそもキャリアと聞くと漠然としたイメージしか思い浮かばない方が多いと思います。学生はどのようにキャリアを理解すればよいのでしょうか。

まずアカデミックな定義でキャリアを捉えると職業経歴と言えます。履歴書などで記載する経歴がまさにそれです。学生のみなさんからいうとアルバイトや学業などがそれに当たります。

この職業経歴が指すのは過去のことですが、おそらく多くの大学生が思い浮かべるキャリアのイメージは将来のことだと思います。過去から将来のつながりを理解するのに役立つのがキャリアの継続性・連鎖性・発達性という3つの性質です。

まず継続性とは、やる内容や形式は変わってもキャリアは時間的に持続性を持った概念であるということです。例えば、育児休暇で一時的に職場を離れても再び復帰することができますし、定年退職してもシルバー人材として別の職に就くこともできます。皆さんが大学入学時から行なっているようなアルバイトも、すでにキャリアの継続性の線上に乗ったものであると言えます。

2つめの連鎖性に関してですが、いわゆる専門職をイメージしてみてください。例えば、医者を目指す人はまず医学部がある大学に入学します。そこでは専門的な知識を座学などで吸収する必要があります。その後、国家試験を受験したり研修医として現場に立ったりと段階を一つ一つ乗り越えて行く必要があります。前やったことが今やっていることにつながっているのがこの連鎖性です。

─── 継続性と連鎖性は同じものではないのでしょうか。

おっしゃる通り似た概念ですが、この連鎖性は、継続性という時間的な持続性の中で「前のキャリアの影響を受ける」という表現がわかりやすいかと思います。

3つめの発達性はキャリアも絞られていき成熟していくという意味です。広く様々な方向に広がるのではなく、1つの狭い分野に収斂していくことでよりその分野での専門性を有していくという意味です。

キャリアチェンジと呼ばれるものは、この継続性・連鎖性・発達性からは離れて全く違う分野の仕事を選択することを指します。多くの人はこの3つの性質に概ね沿った形でキャリアを歩んで行くことになると言われています。

監修者プロフィール

三浦拓巳みうらたくみ

1997年群馬県生まれ。20卒として就職活動を行う。就活中はエントリーシート15社中全て通過。大手広告会社志望から一転、スタートアップに内定を承諾。内定後は人材育成会社にて、エントリーシート、面接などの選考対策に従事し、約70人の生徒を担当。自身の就職活動での学びを活かし、教育事業に注力している。

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