【違法】残業100時間で払うべき残業代はいくら?長時間労働に潜む問題を徹底解説!

残業が100時間を超えている方は、違法ではないのか、残業代は正しく支払われているのか不安になることがあると思います。そんなときは、正しい法律と給料計算を学びましょう。この記事では、100時間を超える残業の違法性と正しい給料計算方法、精神・身体に与える影響、上手く退職する方法等をご紹介しています。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

残業100時間は明らかに違法

月100時間の残業は違法です。2019年4月に施行された「働き方改革関連法」により、残業時間の上限が定められ、明確に違法になりました。ここでは月100時間の残業の違法性について、詳しくご説明します。

目次

残業時間の平均は30時間を下回る

「Openworkによる残業時間の調査」によると、2018年の平均残業時間は月28時間でした。

月100時間の残業は、平均を大きく上回る明らかに異常な数値です。

ここ数年、全国的に残業時間は減少傾向にあり、2012年と比較すると残業時間は平均18時間も減少しています。長時間労働で有名な、コンサル系や建設・土木系ですら、2018年の平均残業時間は45時間程度です。

働き方改革が進み、各企業が残業時間を減らそうと努力するなかで、残業100時間の企業は労働者に過重なな労働を強いているのです。

法的な残業の上限は45時間

労働基準法では、1日8時間・週40時間以上の労働は認められていません。ただし特例として、会社と労働者の間で36協定を締結すれば、残業や休日出勤をすることができるようになります。36協定は労働時間・条件に関する、会社と労働者間で結ぶ取り決めのことです。

しかし36協定を結んでいたとしても、残業の上限は月45時間・年360時間と定められています。

36協定に加えて、36協定の特別条項を設けた場合は、特例として月45時間を超える残業が許可されますが、特別条項なしで月45時間を超える残業をさせていたら、確実に違法です。

会社の36協定は従業員なら誰でも見ることができるので、見つからなければ上司に確認しましょう。

例外は6ヶ月までしか認められない

36協定に特別条項を設けた場合は、月45時間を超える残業が許可されます。

しかし特別条項を設けても、以下の条件を守らなければいけません。

  • 月45時間を超える残業は年間6ヶ月まで
  • 残業時間の上限は1ヶ月100時間未満(休日労働含む)
  • 残業時間の上限は1年で720時間以内(休日労働含む)
  • 1ヶ月100時間の労働が恒常的になってはいけない。2~6ヶ月で残業時間を平均したとき、平均80時間以内(休日労働含む)であることが必要

以前は特別条項を設けた場合、残業時間に上限がありませんでした。しかし、2019年4月から「働き方改革関連法」が施行され、残業時間の上限は月100時間未満と定められました。

2019年4月から、まずは大企業が「働き方改革関連法」の規制対象になります。さらに、2020年4月から中小企業が、2024年3月末 から建設・運輸・医師が対象に追加されます。

これによって、月100時間の残業は違法となりました。

過労死ラインは残業月80時間以上

過労死ラインとは、厚生労働省が定める過労死に至る残業時間の基準です。

厚生労働省は「厚生労働省|過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ」の中で過労死について基準を定めています。

残業時間が月45時間を超えると、健康被害のリスクが高まるとしており、さらに以下の条件に該当する場合は、過労死をする可能性が高いと警告しています。

  • 1か月間に100時間を超える時間をしている場合
  • 2~6か月にわたって、1か月あたり80時間を超える時間外労働をしている場合

月100時間の残業は単純に違法というだけでなく、過労死や深刻な健康被害に繋がる危険性があります。

残業を月100時間以上させる企業の実態

100時間の残業が起こる企業は、労働時間が長いだけではなく、同時に様々な問題が発生している可能性が高いです。ここでは100時間の残業をさせる企業の実態をご紹介します。

残業を100時間させる企業は存在する

2016年に厚生労働省が委託調査した「過労死等に関する実態把握のための労働・社会面の調査研究事業報告書」によると、100時間の残業をさせる企業は存在します。

報告書には、運送業や外食産業の時間外労働時間を調査している部分があります。資料からわかることは以下の通りです。

【運送業】

  • 従業員の平均的な残業時間が100時間を超える企業は全体の0.8%
  • 残業時間が100時間を超える従業員がいる企業は全体の10.5%

【外食産業】

  • 従業員の平均的な残業時間が100時間を超える企業は全体の0.9%
  • 残業時間が100時間を超える従業員がいる企業は全体の2.4%

全体の数%ですが、100時間の残業をさせる企業があることがわかります。

残業100時間が起こる企業の特徴

残業が100時間起こるのは、企業側の体制に理由があります。ここでは、100時間の残業が起こる企業の特徴をご紹介します。

①人手不足で離職率も高い

100時間の残業が起こる職場は、人手不足で離職率も高いことが多いです。

就労環境が悪いため、人が頻繁に辞めていき常に人手が足りません。長続きする人がおらず、3年程度で最古参になります。

以下の記事では、このような長時間労働が横行する企業の実態を、更に詳しく解説しています。

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②長時間労働が評価される文化がある

100時間の残業が起こる職場は、残業を美徳としていることが多いです。

社長や上司が残業をする社員を評価するため、残業せざるを得ない雰囲気があります。上司や先輩が残って残業をしているので、結局全員で残業をすることになるのです。

また残業を断ると、人事評価や給料面に影響することがあります。そのため、たとえ長時間労働で疲弊していても残業を断ることができないのです。

残業100時間に付随する弊害

残業を100時間している会社では、様々な弊害が発生しています。ここでは、100時間の残業に付随する弊害をご紹介します。

①残業代が満額支給されない

100時間も残業をさせると残業代が高額になるので、企業が満額支給を嫌がることがあります。

企業は残業代を支払わないために、以下のような手段を取ります。

  • サービス残業の強要
  • みなし残業代で残業させる

企業が残業代を抑えたい理由は、単純に残業代を抑えたいというだけではありません。高額な残業代を支払っていると、労基署のチェックが厳しくなります。

労基署に見つからないために、企業は残業代を抑えたいのです。

②生産性も下がる

100時間の残業は生産性を下げます。1日中脳を酷使した結果、思考力や集中力が低下するためです。

また100時間の残業をする職場は離職率が高いので、社員が経験年数3年以下の新人ばかりです。仕事の経験が蓄積されないので、業務効率が悪く生産性がいつまで経っても上がりません。

生産性を上げるためには、まず長時間労働を見直す必要があります。しかし実際は、生産性の低さを補うために、さらなる長時間労働をする悪循環に陥りがちです。

残業を100時間する人のスケジュール

ここでは残業を100時間をする人のスケジュールの具体例をご紹介します。1日の流れを見ることで、残業100時間のイメージが湧くはずです。

ケース①|1日の労働時間が長い

休日出勤はなしで、平日の労働時間が長いパターンです。

平日に毎日5時間残業をすると、月100時間の残業になります。考え方は以下の通りです。

  • 1か月を4週8休で考える
  • 月の労働日数は20日(休日は8日)
  • 1日の残業時間は5時間
  • 月間の残業時間=5時間×20日=100時間

以下1日の労働時間が長いケースとして、営業職の会社員を想定した1日の流れをご紹介します。

自分のために使う時間は、1日3時間程度です。その時間は、食事や身支度をする時間なので自由時間ではありません。平日は仕事に行って寝るだけです。

ケース②|休日出勤が頻繁にあるパターン

1日の労働時間はそれほどでもないが、休日出勤が頻繁にあるパターンです。

1日10時間の労働を月26日すると、月100時間の残業になります。考え方は以下の通りです。

  • 1か月を4週8休で考える
  • 月の労働日数は26日(休日は2日)
  • 1日の労働時間は10時間
  • 月間の残業時間=(10時間×26日)ー160時間(※)=100時間

※法定労働時間月160時間を超えた労働時間を残業時間と想定しています。

以下休日出勤が頻繁にあるケースとして、小売店の社員を想定した1日の流れをご紹介します。

20時ごろには帰宅して、夜に自由時間があります。ただし、休日は月に2日程度です。

残業を100時間すると残業代はいくらか

ここでは100時間の残業をすると残業代がいくらになるかを解説します。以下を読めば、基本的な残業代の計算方法がご理解いただけます。ぜひご自身の残業代も計算してみてください。

残業・休日出勤時の給与の計算方法

残業・休日出勤の給与は割増計算して支払われます。給与計算で使う割増賃金は以下のものがあります。

【時間外手当】

  • 法定労働時間(1日原則8時間、1週間原則40時間)を超えた労働に対して支払う

【深夜手当】

  • 原則夜10時~翌朝5時までの間の労働に対して支払う

【休日出勤手当】

  • 法定休日(原則1週間に1日または4週間に4日)の休日出勤に対して支払う

法定休日は各企業によって異なるので、就業規則を確認するようにしてください。

それぞれの法定割増率は以下の通りです。

大企業に関しては、時間外労働が1か月60時間を超えると、割増率が25%から50%に上昇します。中小企業は、この割増率が令和5年から適用される予定です。

また、割増率は重複して発生するものがあります。

この表はあくまで、法律で決められている最低の割増率です。実際の割増率は各企業によって異なるので、計算する際は自社の規定を確認してください。

残業100時間で発生する残業代の金額

「100時間の残業をする人のスケジュール」でご紹介した「ケース①」「ケース②」を用いて、残業代の金額を試算します。

【ケース①の条件】

  • 時給1000円
  • 月の労働日数は20日
  • 月の残業時間は100時間
  • 1日の残業時間は5時間(内、深夜労働1時間)
  • 勤めているのは大企業(月60時間を超える時間外労働に割増がつく)

ケース①を計算すると以下のようになります。

以上の計算で、ケース①の残業代は月14万円(78000円+62000円)になります。

次にケース②です。

【ケース②の条件】

  • 時給1000円
  • 月の労働日数は26日(内、法定休日出勤2日)
  • 1日の労働時間は10時間
  • 月の残業時間は100時間(内、法定休日に出勤したのが20時間)
  • 勤めているのは中小企業(月60時間を超えても割増はつかない)

以上の計算で、ケース②の残業代は12万7千円(100,000円+27,000円)になります。

休日出勤の計算のポイントは、法定休日以外の「週40時間を超える労働」は全て時間外労働に組み入れることです。例えば、土日休み・法定休日が日曜の会社の場合、土曜日の労働は休日出勤ではなく時間外労働です。

みなし残業代は所定時間を超えた分にも支払われる

みなし残業代が給与に組み込まれている場合も、所定時間を超えた分は残業代が支払われます。

例えば、以下の例を見てください。

  • みなし残業代が30時間分あり
  • 実際の残業時間が45時間
  • 時給1000円

この場合は超過分の15時間に対して、

  • 1000円×15時間×1.25倍=18,750円

が支払われます。

残業を100時間した際の健康リスク

100時間の残業は、様々な健康被害を引き起こします。ここでは、100時間の残業をした際の健康リスクをご紹介します。

①うつ病になる可能性は高い

100時間の残業は、精神にかなりのストレスを与えます。100時間の残業をする人は、うつ病などの精神疾患にかかる可能性が非常に高いです。

以下の記事では、仕事で限界を感じた人がどのようなサインを発するようになるか解説しています。

残業で自分の精神状態がおかしいと感じたら、記事を読んで体から異常のサインがでていないか確認してみてください。

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②脳・心臓疾患の原因にもなる

100時間の残業は睡眠不足やストレスの結果、血圧の上昇などを引き起こし、 脳血管障害や重篤な心疾患 を発症させる可能性があります。

平成29年版過労死等防止対策白書によると、過重労働によって脳・心臓疾患を発症したとする報告が、毎年700件後半から900件前半程度あがっています。

100時間の残業は、命に関わる危険性があるのです。

③過労死・自殺してもおかしくない

100時間の残業によって、過労死・自殺をする可能性があります。

平成29年版過労死等防止対策白書によると、2016年に過重労働を原因とする脳・心臓疾患で過労死した人は報告されているだけで 107 件、うつ病を患って自殺する(未遂含む)ケースは 84 件ありました。

毎年多くの方が過重労働で命を落としているのです。

残業100時間に苦しむ人が取るべき行動

ここでは100時間の残業に苦しむ人が取るべき行動をご紹介します。100時間の残業は命に関わるので、対処法を確認してできるだけ早く対応してください。

①迷わず退職する

社員に100時間の残業をさせる会社からは、できるだけ早く退職してください。

引き止めにあって退職できない場合は、退職代行サービスがあります。

辞めるのが難しくてもバックレるのはオススメしません。以下では、退職手続きを経ずに辞めた場合に何が起こるのかを解説しています。記事内で上手に辞める方法も解説しているので、ぜひ一読してください。

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②労働基準監督署に相談する

100時間の残業は、2019年4月から「働き方改革関連法」が施行されて違法になりました。

まだ一部の企業は罰則の対象にはなっていませんが、100時間の残業を労働基準監督署に相談すれば親身になって対応してもらえるはずです。

自宅近くの労働基準監督署を調べたい場合は、「全国の労働基準監督署の所在地一覧」が役に立ちます。

100時間の残業を相談する場合は、証拠として何らかの労働時間の記録を持っていくと良いです。何も記録をとっていない場合は、スマートフォンの行動履歴やパソコンの起動履歴なども有効です。

③弁護士を立てて未払いの残業代を請求する

100時間の残業代が支払われていない場合は、弁護士を立てて未払い残業代の請求をしましょう。

今までの未払い残業代を請求すれば、数百万になる可能性があります。ただし、未払い残業代が少額の場合は弁護士に依頼すると、依頼料の方がかかる場合があるので注意が必要です。

従業員が未払い残業代の請求に成功した事例は、以下のようなものがあります。

  • マクドナルドの店長が未払い残業代を請求した事例

約1700時間の残業時間。750万円回収。管理職でも残業代が支払われた事例。

  • JR西日本で過労自殺した社員の家族が損害賠償請求

時間外労働が月100時間超。うつ病で過労自殺。1億円の賠償金回収。

上記のように、未払い残業代の訴訟の前例はたくさんあります。泣き寝入りせず、法的措置を取ることを常に選択肢として持っておきましょう。

④労災認定を受けられることもある

労働によって健康被害を受けたと認められれば、労災認定を受けることができます。100時間の残業によって、脳・心臓疾患や精神疾患を発症した場合は申請をしましょう。

労災認定がおりると、以下の補償が受けられます。

  • 治療費の補償
  • 休職中の賃金の補償
  • その他の補償( 障害補償給付、遺族補償給付、葬祭料、傷病補償年金及び介護補償給付 )

労災認定を受けるためには、労基署に備え付けてある請求書を提出する必要があります。詳しい申告の手順は、厚生労働省|「労働災害が発生した際の対処法」からご確認ください。

まとめ

この記事では、残業100時間の企業の違法性と実態を解説しました。100時間の残業は違法であり、病気の発症リスクが非常に高いことがご理解いただけたと思います。

残業100時間をさせる企業は、残業代を正しく支払っていないことが多いので、ご紹介した給料計算方法を参考に、自分の残業代を計算してみてください。

また現在100時間の残業をしている人は、この記事で紹介した対処法を見て適切な対応をしましょう。

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