構造設計とは何か?|年収や向いてる人・向いてない人の特徴を徹底解説!

建築設計の仕事は「意匠」「構造」「設備」の3つに大別されます。中でも構造設計は、建築物の安全を確保する大事な役割を担います。構造設計しなければ建築物は成り立たないため、やりがいのある仕事といえます。そこで今回は構造設計とは何か、その仕事内容、向いている人・いない人を解説します。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

構造設計とは

建築設計は、「意匠設計」「構造設計」「設備設計」の3つあることは前述しました。その仕事の違いは、以下の通りです。

  • 意匠設計/建築物のコンセプトづくりから、設計や施工までトータルに関わる仕事。建築士の大半は、この職種に就いている
  • 構造設計/地震・風雨・積雪などに耐えられる建築物をつくるための構造を設計すると共に、耐震診断や設計監理も担当する
  • 設備設計/電気設備・空調・給排水を行うための配管設備などを設計する。設備によって、さらに職種が細分化される

構造設計の仕事内容については、次章で詳述します。

構造設計の仕事

構造設計における設計業務では構造計画・構造計算・構造図作成を行いますが、専門知識と経験がものをいう仕事です。構造設計がきちんと行われていれば、建物の倒壊などを防ぐことができます。構造設計の具体的な仕事内容について、以下で説明します。

目次

①建築の安全性の担保

1つめは、建築物の安全性を担保することです。地震や風雨、積雪といった災害に見舞われても建物が壊れないように、安全性能を満たす構造を設計します。

建物の土台と骨組みをどう造るかを考え、構造設計図を作成します。その際には建物の間取り、立体断面、コストなどを考慮したうえで、柱や梁の性能・形状・配置などを決定します。

②建物のデザインを成立させる

2つめは、建物のデザインを成立させることです。構造設計に入る前に、意匠設計が行われています。デザイン性に優れた意匠設計を、安全に造るための構造を設計しなければなりません。

安全性とデザイン性を両立させるためには、柱や梁の配置や形状に配慮しながら、どんな構造方法にするかを考える必要があります。こうした構造計画によって、構造設計の質が決まるといっても過言ではありません。

③合理的な設計を計算する

3つめは、合理的な設計を計算することです。構造設計の目的は、倒壊しない建造物に必要な構造を組み立てることです。そのためには、様々な構造計算をする必要があります。

例えば、天井から針金を用いて機材をつるす場合、その機材の重さに耐えることができ、耐用年数が長いものを探さなければなりません。同様に柱や梁も経年劣化していくものなので、合理的な設計になるように計算しながら計画を立て、設計図を作成することが求められます。

構造設計に向いてる人・向いてない人の特徴

構造設計は建物の安全性を担う大事なプロセスですので、誰にでもできる仕事とはいえません。適性がない人が行うと本人も仕事を楽しめませんし、何よりクライアントに迷惑をかけることとなります。

ここでは、構造設計に向いてる人と向いてない人の特徴について説明します。

構造設計に向いてる人の特徴

構造設計は、建築物の安全性を守る要の仕事です。そして建築基準法に基づき、数多くの基準を満たす構造設計を行う必要があります。ここでは構造設計に向いてる人の特徴を2つ、紹介します。

①創造力がある

1つめは、創造力がある人です。創造力と聞くとデザイン性がイメージされるので、意匠設計の方が必要ではないかを考える人が多いです。しかし、デザイン性と安全性を両立させるためには、建物ごとに細かな配慮と緻密な計算が必要です。つまり、マニュアル通りではなく、豊かな発想で構造設計する力が求められます。

自分の考えに固執することなく、自由な発想でモノづくりができる人に向いているといえます。

②正義感が強い

2つめは、正義感が強い人です。近年、違法建築に関するニュースをよく見聞きしますが、これはコスト削減のために安全性を二の次にした結果をいわざるを得ません。しかし日本には建築基準法があり、それに則って設計・施工を行うよう義務付けられています。

クライアントや意匠設計者が何をいっても、建物の安全性を確保することを全うするためには、正義感が不可欠です。そしてそれがなければ、社会的責任を負うことができません。

構造設計に向いてない人の特徴

建築設計の中でも、構造設計は向き・不向きが明確になる職種です。向かない人が行うことで、大きな問題に発展することも珍しくありません。ここでは構造設計に向いてない人の特徴を2つ、紹介します。

①細かいことに気づかない

1つめは、細かいことに気づかない人です。構造設計は長期間にわたって、建物が安全に使えるように、経年劣化も念頭において構造設計図を作成しなければなりません。さらに数年後の補強設計、設計監理なども担当します。

その仕事を全うするためには、緻密な計算が不可欠です。細かなところまで配慮できない人には、難しい仕事といえるでしょう。

②理数科目が苦手

2つめは、理数科目が苦手な人です。構造設計する際には、構造力学といった物理、塗料・材料などが関係する化学、微生物やカビなどの生物、建物を建てる地盤が関わる地学の知識が必要です。

また、強度に関する構造計算が不可欠なので、数学にも強いことが求められます。こうした理数系科目が苦手な人には、適性はないといえます。

構造設計に必要な資格・知識

構造設計の仕事に就くためには、資格が必要です。そのため進学の際に、資格取得を前提に学部・学科を選ぶ人がほとんどです。ここでは、構造設計に必要な資格と知識について説明します。

資格|1級建築士

構造設計を行うためには、国土交通省が認可する国家資格の一つである、1級建築士の資格を取得することをおすすめします。以下で資格内容と難易度を詳述します。

資格内容

1級建築士を取得すると、住宅からスタジアムまで、あらゆる建築物の設計を行えるようになります。そのため2級建築士とは違い、受検条件に実務経験が2年以上あることと明記されています。

最短で1級建築士を目指すには、大学・短大・専門学校等の建築学科に進学し、卒業と同時に2級建築士の主格を取得し、実務経験を2年積む必要があります。この方法なら、20代のうちに1級建築士を取得できる確率があがります。

難易度

国土交通省が2020年2月5日に発表した「令和元年一級建築士試験「設計製図の試験」(令和元年12月8日実施)の合格者を決定」によると、2019年12月8日に行われた1級建築士の合格率は、34.2%でした。受験者5,937名に対し、合格者は2,030名でした。

この「設計製図の試験」を受けるためには、建築計画・建築法規・建築構造・建築施工の4つからなる「学科試験」に合格しなければなりません。その2つをクリアして1級建築士を取得するのは、全受験者の10%前後といわれています。

資格|構造設計1級建築士

構造設計1級建築士は、国土交通省が2008年の建築士法改定に伴い、新たに認定された資格です。この法改正により、小規模な建築物以外の構造設計は、構造設計1級建築士しかできなくなりました。以下で資格内容と難易度を詳述します。

資格内容

構造設計1級建築士を取得すると、以下の構造設計ができるようになります。

  • 高さが13mまたは軒の高さが9mを超える木造建築物
  • 誓いを除く回数が4以上の鉄骨造り建築物
  • 高さが20mを超える鉄筋コンクリート造りなたは鉄骨鉄筋コンクリート造りの建築物
  • その他政令で定める建築物

そして構造設計1級建築士を取得するためには、1級建築士として構造設計の業務に5年以上従事し、さらに国土交通大臣に登録されている登録講習機関が実施する講習の課程を修了しなければなりません。大学卒業後、最短でも資格取得までに9年かかる計算となります。

難易度

構造設計1級建築士は、所定の用件を満たせば講習を受けることで取得可能です。しかしその前に、合格率10%前後といわれる1級建築士の資格を取得し、構造設計の業務を5年以上続けるという、高いハードルがあります。決して、難易度が低いとはいえません。

知識|建築構造力学

大学・短大・専門学校等の建築学科に進学すると、必ず「建築構造力学」を学びます。「建築構造力学」とは、建てた構造物が過重を受けた時に、どのような応力や変形が生じるかについて解析する学問を意味します。住宅を例にあげると、そこで暮らす人の体重や家財道具の重さが過重であり、一点に集中すると建物が崩れてしまいます。

そうした事態を引き起こさないために、「建築構造力学」を学びます。数学や物理に近い寡黙なので、数式が多用されます。

構造設計の年収

構造設計の年収は、勤務先によって異なります。それは勤務先が大手ゼネコンから不動産会社、設計事務所など、多岐にわたるからです。各種サイトからの情報をもとに、年齢別に構造設計の年収を以下にまとめました。

30代に入り、構造設計1級建築士の資格を取得することで年収が上がります。その場合は、500~800万円の年収が見込めるようです。

構造設計はつらいのか

構造設計に限らず、建築設計の仕事はつらいと思われがちです。そして、そう考える人が多い理由があります。ここでは構造設計がつらいと思う理由を2つ、紹介します。

理由①|残業が多い

1つめは、残業が多いことです。建築物は受注した時点で、納期が設定されています。意匠設計が終わってから、構造設計の仕事が始まるわけですが、デザイン性と安全性、法律遵守を満たすのは簡単なことではありません。

また地盤や建造物によっても、かかる手間が異なります。構造計算の検証などにも時間がとられるため、自ずと残業が多くなってしまうようです。

理由②|営業に振り回されることが多い

2つめは、営業に振り回されることが多いことです。営業は自分のノルマを達成するために、納期が短いあるいは細かい仕事でも積極的に受注します。それを、期日に間に合うように構造設計しなければなりません。

納期まで日数がないからといって、施工に必要な期間を短縮するのは難しいのが現実です。そのため、残業や休日出勤によって対応せざるをえないことも、珍しくありません。

構造設計の将来性

近年はAIの導入によって、なくなる仕事が増えることが懸念されています。そして建築業界にもそうした変革の兆しがあり、構造設計がなくなるのではないかという、声が聞かれるようになりました。ここでは、構造設計の将来性について考えてみます。

動向①|AIが台頭してくる

懸念事項としては、AIの台頭があげられます。2019年10月に日本経済新聞が「『設計AI』ワンクリックで 日建設計と竹中工務店」という記事を掲載しました。その中で竹中工務店設計本部構造設計システムグループの九嶋壮一郎氏が、以下のように語っています。

AIによって徹底的にリスクが検証されていれば、これまでにない形状でも不安なく実現に向けてチャレンジできる。AIは、人間にしかできない価値の創造をサポートできる技術だ。モデリングや解析、断面設計といった一連の構造検証を速く、繰り返して連続実行できることにメリットがある。

つまり、AIと構造計算ソフトを連動させる可能性を示唆しています。すべてをAIで行うかは未知数ですが、2020年以降はこうした動きが加速する可能性が高いと考えられます。

動向②|構造設計の監修業務は増える

AIが導入されることで、構造計算などの業務がなくなるのは間違いないでしょう。しかし、構造設計の仕事がすべてAIに奪われるかというと、そうとは言い切れません。AIによる構造設計の内容について、監修する仕事は人間にしかできないからです。そのため、構造設計の監修業務は増えると予想されます。

AIによってケアレスミスはなくなっても、想定外の事態には対処しにくいというデメリットも考えられます。AIを理解したうえで、それをカバーできる監修能力という付加価値を身につければ、将来性は十分にあると予想できます。

まとめ

今回は構造設計とは何か、その仕事内容、向いている人・いない人について解説しました。

これまでは様々な企業において、構造計算などを得意とする構造設計者がたくさんいました。しかしAI化が進むことで、企業内で数が削減される可能性を否定できません。だからこそ自分の適性を見極め、資格取得や新たなスキルの習得に力を入れて、構造設計の仕事を続けられる準備を始めることをおすすめします。

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