採用活動において、顔採用を行っている企業もあると言われていますが、具体的にどのような業界や企業なのか気になる方も多いのではないでしょうか。顔採用は差別だという意見もありますが、顔採用を行っている企業を把握しておくことは役立ちます。本記事では、顔採用がある業界・ない業界や、選考対策をご紹介します。

顔採用がある業界・ない業界

顔採用とは、応募した学生の顔の可愛さやかっこよさを採用の判断軸とするものです。一部の業界では、このような顔採用が行われていますが、反対に顔採用がない業界もあります。

本見出しでは、まず顔採用がある業界を6つご紹介し、続いて顔採用がない業界を3つご紹介します。

顔採用がある業界

顔採用がある業界は、以下の6業界が挙げられますがいくつかの要因に該当する業界と言えます。

• 芸能界との距離が近く、華やかなイメージの強い
• 肌や服装など、人の外面そのものを商材として扱う
• 結婚や旅行など普段と違う特別なイベントに携わる

いずれの業界においても、顔採用に納得してしまうような可愛い女性社員や、かっこいい男性社員が数多く働いています。

テレビ・マスコミ業界

テレビ・マスコミ業界とは、テレビやインターネットなどを媒体として報道や番組作成を行うメディア関連の業界です。不特定多数の人に向けて放送を行うため、人目を惹きやすい人が働いています。

また、芸能人やスポーツ選手との繋がりもあり、一般的な人からの憧れを集める華やかな世界ともいえます。そのため顔採用を行っている業界だと言われているようです。

広告業界

広告業界とは、看板、インターネットやテレビなどにおいて、特定の商品や企業をプロモーションする仕事を行う業界です。支払われた広告費に見合う成果を出す必要があるので、見栄えの良い、容姿が優れた人を使うことが必要となります。

また、企業との契約を得るためには魅力的な広告会社というイメージを与えることも不可欠なので、顔採用によって採用がされていると言われます。

美容業界

美容業界とは、美容品や化粧品などを製造販売する業界です。女性を主な顧客ターゲットとしており、販売する商品によって美しい肌や容姿になるというイメージを与えることが求められる業界です。

そもそも美容に興味があり、その上でルックスの優れた人が多く集まっている業界であるため、顔採用があると考えられています。

アパレル業界

アパレル業界とは、時代を先取りするファッションや洋服のコーディネートを世に広める業界です。子供から大人まで、場面に合わせてた洋服や着こなしを考え、お客さんが買いたいと思うように魅せることが求められます。

また、スポーツ選手やモデルなど華やかな世界の人と仕事を共にすることも多く、顔採用によって採用された魅力的な外見の人たちが働いています。

ブライダル業界

ブライダル業界とは、婚約したカップルの結婚式を手配・開催する業界です。多くの人にとって一生に一度なので、忘れられない良い思い出となるよう結婚する2人の魅力を最大限引き出すことが重要となります。

一例として、ウエディングドレスやスーツなどの着こなし方を提示したり、結婚式場での作法を教えたりするため、顔採用で容姿端麗な人が集められていると考えられています。

航空業界

航空業界とは、国内外の旅客事業を営む業界です。航空業界において、美しく人当たりも良いキャビンアテンダントが、特に顔採用の代表例として考えられています。

航空業界では、家族連れからビジネスマンまで幅広い層の人々が利用するため、あらゆる年齢層にウケが良い人たち必要となります。そのため、顔採用を行っていると言われています。

顔採用がない業界

顔採用がない業界として、以下の3つが挙げられますがいくつかの共通要因も考えられます。

• 仕事に地道さや泥臭さといったイメージがある
• 接客や人からの印象といった点を考慮する必要性が少ない
• 働いている社員はどちらかというと女性よりも男性が多い

いずれの業界も、顔採用を連想するような社員は少なく真面目にコツコツ努力するタイプの人が多く働いています。

公務員

公務員とは、国や地方自治体の職員として公務を行う職員です。公務員は、大きく国家公務員と地方公務員に分けられますが、どちらも公務員試験を突破しなければなりません。

初任給は全国の大卒平均年収と比較してもそれほど高くなく、仕事も華やかさがあるわけではありません。しかし、民間の企業とは異なり安定さが最大の魅力です。

物流

物流とは、個人や法人の手配した品物を運ぶ仕事です。Amazonや楽天市場などの、オンライン販売が人気となったことで、物流業界のニーズも高まっており人手不足に直面しています。

物流業界では、中型や大型のトラックを長時間運転する仕事がメインであるため、これまで泥臭い仕事というイメージがありました。ところが、人手不足に伴い小型・中型のトラックも普及し若手や女性ドライバーも増えています。

メーカー

メーカーとは、材料や部品を調達し自社で製造販売をする企業です。メーカーの仕事は、購買、エンジニアや営業など多岐にわたりますが、ものづくりに携わります。

広報など、企業のブランドイメージを担う部署もありますが全体的に華やかさはなく、入社から定年退職までの40年間ほど、地道に1つの会社で働き続けたいという人が集まります。

一般職・事務職・受付担当で顔採用は多い

一般職・事務職では顔採用が多いですが、特に商社の一般職が顔採用の代表例として挙げられます。

また、企業の受付担当は、企業の印象を左右する企業の顔ともいえます。最初に社外の人間と立ち会う存在として、容姿が重視される傾向にあります。

一般職・事務職は、総合職のサポートが業務の中心であり、接しやすさや気遣いなどが求められます。興味のある方は、以下の記事をご参照下さい。

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企業が顔採用をするメリット

業界や企業によって、顔採用がある・ないに分かれていることがわかりました。そもそも、企業が顔採用をするメリットは何かと疑問に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本見出しでは、企業が顔採用をするメリットを理解するためその理由を4つ紹介します。企業が顔採用をする理由を知り、選考対策を立てましょう。

理由①｜志望者が増える

企業が顔採用をする1つ目のメリットは、志望者が増えるからです。顔採用をしていると就活生に噂になった場合、企業側にとって以下2つの効果が期待できます。

• 顔や容姿に自信のある学生が採用に参加する
• 顔採用と思ってしまうような人と一緒に働きたい学生も集まる

企業側にとって、就職活動ではどれだけ多くの学生が選考に来るかがポイントとなります。志望者が増えれば、比例して優秀な学生を採用できる確率も高くなるのです。

理由②｜顧客のウケがいい

企業が顔採用をする2つ目のメリットは、顧客のウケがいいからです。企業にとって、顧客からの新規案件を取れるか否かは経営に直接的な影響を及ぼす問題といえます。

仮に、ほぼ同じサービスを同業の3社が売り込みに来た場合、顧客側は担当者の外面的イメージによって優劣をつけることもあります。

そのため、少しでも顧客にウケがいい社員を顔採用で集めることは、企業にとっても大切な採用戦略なのです。

理由③｜社員の士気が上がる

企業が顔採用をする3つ目のメリットは、社員の士気が上がるからです。一般的に、顔採用と言われる人は優れた外面性に加えて、人当たりの良さや気遣いなど内面性も持ち合わせています。

そのような人が一緒に働く職場は、社員同士の関係が良好で和気あいあいとしており、労働環境が比較的良いと考えられます。

その結果、以外の社員の士気も高くなることが期待できるので、企業にとって顔採用を行うことは社員への働く動機づけに繋がるのです。

理由④｜社内婚を促進できる

企業が顔採用をする4つ目のメリットは、社内婚を促進できるからです。顔採用と聞かれるような人は、老若男女問わず異性から絶大な人気を誇ります。

そのため、社内恋愛や社内婚が促進できるので、出会いの機会を求めて転職する若手社員を減らすことにも繋がると考えられます。

企業側から考えると、顔採用をすることは最終的に若手社員の離職率を低下させることにも効果が期待できるので、顔採用をするメリットがあるのです。

理由⑤｜顔で人間性や性格を測る

顔採用というと、美醜で判断されていると考えがちですが、必ずしもそれだけとは限りません。表情やまなざしなど顔立ちというより広い範囲で判断されることもあります。

「性格は顔に出る」とも言いますが、下心や過度の緊張などのマイナスな要素は顔の細部から見抜けます。言葉ではいくらでも取り繕うことはできませうが、無意識の表情はごまかせません。

第一印象で顔が与える効果は高いので、美醜以外の意味で顔採用を重視していることもあります。

顔採用をしてしまう心理学的理由

上述の見出しでは、顔採用をするメリットがあるとわかりましたが、具体的にどのような心理学的理由があるのか知りたいと思った方もいるのではないでしょうか。

本見出しでは、顔採用をしてしまう心理学的理由を2つご紹介します。

メラビアンの法則

メラビアンの法則とは、感情や態度に関して矛盾したメッセージが発せられた場合の、聞き手側の受け止め方が何によるかという実験です。

• 言語情報: 7%
• 聴覚情報: 38%
• 視覚情報: 55%

メラビアンの法則によると、聞き手は話し手の見た目や話し方などの、視覚情報を最も重要視しているのです。

ハロー効果

ハロー効果とは、ある対象を評価するときにそれが持つ顕著な特徴に影響を受けて、他の特徴についての評価がゆがめられてしまう現象のことです。

• A. 容姿端麗な学生がアルバイトを頑張った話
• B. 一般的な容姿の学生がアルバイトを頑張った話

例えば、上記2つの例で話されている内容が同じ場合、Aの方が聞き手により優れた成果としての印象を与えることとなります。

顔採用をする企業を見抜く判断材料

判断材料として以下の3つが考えられます。しかし、絶対的な判断材料はないです。

• 社員の容姿レベルが高い
• 容姿が良い学生ばかり好待遇
• メディア上で顔採用だという噂がある

公式ホームページで紹介されている社員や、説明会などで会う社員の容姿が美男美女である場合は、顔採用をしている企業である可能性があります。しかし、HPや説明会は就活生や顧客に会社のアピールをする場なので、あえて容姿の良い社員を選んでいることもあり、絶対的な判断材料とは言えません。

また、インターネットやテレビでは、この企業は顔採用だという噂が度々流れます。実際、容姿の優れた社員がいるからこそ噂がたつということもありますが、根拠が弱いことが多いです。噂に過度に左右されない方が良いと言えます。

顔採用を公言している企業

企業の中には、顔採用を公言している企業もあります。以下では、顔採用を粉なっていると公言している企業を3社ご紹介します。

東急エージェンシー

顔採用を公言している1社目の企業は、東急エージェンシーです。1961年に設立された、東急グループの広告代理店です。日本国内の広告業界において、第6位の規模を誇ります。

東急エージェンシーは、顔採用新卒スペシャルサイトを開設しています。これは独自に開発したシステムに基づき、応募者の顔を分析して数値化するものです。

その顔採用結果に基づき、エントリシートの免除や特別会社説明会など、一般の選考過程とは異なる採用活動を行っています。

伊勢半グループ

顔採用を公言している2社目の企業は、伊勢半グループです。伊勢半グループとは、メイクやスキンケア製品を軸とした化粧品など、合計8つの事業を展開しています。

伊勢半グループの採用HPでは「顔採用、はじめます」というキャッチコピーを掲げています。これは、就活メイクではなく本当に好きなメイクで自己表現をして、選考に臨んでもらうための試みです。

応募者の容姿によって選考をするのではなく、メイクというツールを生かして本当の自分を伝えるための採用活動です。

サイバーエージェント

顔採用を公言している3社目の企業は、サイバーエージェントです。サイバーエージェントとは、Abema関連事業やインターネット広告事業を営んでいます。

「採用に容姿は関係ない。それは断言します。ただ、（創業した）最初の最初は、わりと女性らしさがあって、かつ仕事を頑張りそうな人を採用しようと気遣っていた。正直、意図していた部分もあるにはある。根底には、創業前から、活躍する女性のベンチマーク的な存在がなかなか増えない、ロールモデル（お手本となる成功モデル）が社会になかなか増えない、という問題意識がありました」　

引用: サイバーエージェントHP

サイバーエージェントのホームページから、顔採用に関する考え方がわかります。以下の記事も合わせてご参照下さい。

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顔採用で有名な企業

採用活動を行っている企業の中には、顔採用を公言していなくても顔採用で有名な企業があります。本見出しでは、顔採用で有名な3つの企業をご紹介します。

丸紅

顔採用で有名な1つ目の企業は、丸紅です。丸紅とは、1949年に設立された総合商社であり日本の5大商社の1つに数えられます。

前述の通り、総合商社の一般職・事務職では顔採用が行われていますが、丸紅はその中でも顔採用でとくに有名といえます。丸紅に興味のある方は、以下の記事も合わせてご覧ください。

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ローム

顔採用で有名2つ目の企業は、ロームです。ロームとは、1958年に設立された日本の電子部品メーカーです。集積回路のシェアは、日本国内でトップですが顔採用でも有名です。

メーカーは、顔採用をしていない企業が多いようですが、ロームはその中でも例外に位置付けられます。ロームに興味のある方は、以下の記事も合わせてご覧ください。

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エイベックス

顔採用で有名3つ目の企業は、エイベックスです。エイベックスとは、1973年に設立された日本の総合音楽・エンタテインメント会社です。

歌手や芸能人などとの結びつきが強いため、エイベックスでは顔採用をしていると有名です。エイベックスに興味のある方は、以下の記事も合わせてご覧ください。

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顔採用をする企業への対策

前述の見出しで、顔採用を公言していたり、顔採用をしていると言われる企業が数多くあることがわかりました。そこで、本見出しでは顔採用をする企業への対策をご紹介します。

就職を希望している企業が顔採用をしているけれど、顔に自信が持てないという方はぜひ参考にして選考対策を立てて下さい。

共通｜明るい表情・目線を合わせる・良い姿勢

笑顔で明るい表情を意識

顔採用をする企業への1つ目の対策は、面接では笑顔で明るい表情を意識するです。人間が初めて人と出会った場合に、ほんの数秒でその人の印象が決定します。

面接では、たとえ外面に自信が持てなくても、笑顔で明るい表情を意識することが重要だといえます。社交性があり、お客様ウケをしそうというイメージを持ってもらうと良いです。

笑顔を作る練習や、自分が受け答えをしている様子を撮影して、明るい表情で面接を迎えられるように心がけましょう。

目線を上げて目を合わせる

目線はできるだけあちこち動かさず、採用担当者の目をしっかり見ることが大事です。目は顔の中でも印象を左右する大事なパーツです。目線が合わないと、不信感や緊張が相手に伝わりマイナスな印象を与えてしまいます。

良い姿勢を保つ

背筋を伸ばし、良い姿勢を心掛けましょう。猫背はだらしなさや自信のなさを表現してしまいます。

胸を張りすぎない程度に、頭上から糸でつるされていることを意識すると姿勢がよくなります。

男性｜ヒゲや髪型を清潔に整える

男性の場合、ヒゲや髪形を清潔に整えることは大事です。大学では、流行りの髪形やオシャレなヒゲを生やしている男子学生もいるかもしれません。

しかし、就職活動においてだらしなく伸びたり奇抜なヒゲや髪形は好印象を与えることがありません。面接官の人に清潔で、真面目な印象を与えられるように整えましょう。

女性｜まとめ髪でメイクは程々に

女性の場合、まとめ髪でメイクは程々にというものです。女子学生にとって、髪形やメイクは他の人と差別化する大切なポイントかもしれません。

しかし、面接では清潔で、かつ自然体のまま臨むことが推奨されます。髪が長い方はまとめておき、メイクも濃すぎないナチュラルメイクを意識しましょう。

まとめ

顔採用は、メリットが多いため実際に行っている業界や企業もあることがわかりました。また、外面に自信が無くても顔採用をする企業への対策行えば問題なさそうです。

就職活動では、外面以外も評価項目はたくさんあります。自信をもって志望する業界の選考活動に臨みましょう。