満期退学を徹底解説!博士課程における単位取得退学・修了との違いも解説!

大学院進学者の履歴書において、「博士課程満期退学」という記載を見ることがあります。特に理系の大学院出身者によく見られるようです。この満期退学は、卒業とも中途退学とも違います。そして、大学院の博士課程出身者にしか使われない言葉です。そこで今回は、満期退学とは何かについて解説します。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

「満期退学」は大学院の博士課程で使う言葉

満期退学とは、大学院の博士課程において必要単位を取得することはできたけれど、論文審査をパスできなかったために退学することを意味します。博士号の取得方法については後述しますが、論文審査以外は問題がなかったため、就職において不利益を被ることはありません。

また大学院の博士課程に進むためには、修士課程を経る必要があります。以下の記事では大学院とは何か、文理の違いについてもわかりやすく解説されています。ぜひ一読してみてください。

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大学院の博士課程の卒業には2種類ある

大学院の博士課程を卒業するためには、「論文博士」と「課程博士」という2種類ある博士のいずれかを、取得しなければなりません。ここでは「論文博士」と「課程博士」について、説明します。

目次

①論文博士

論文博士とは、博士課程に在籍しているか否かを問わず、提出した論文が審査をパスしたことによって博士号を取得することを意味します。そのため、企業に在籍する研究者が論文博士になるケースが多いです。

しかし論文博士という制度は、日本特有のものです。そのため、文部科学省の中央教育審議会では何度も、廃止について論議されています。

②課程博士

課程博士とは、博士課程を修了したうえで、論文審査をパスした人が授与されるものです。そのため「甲第123XXX号」といった、授与番号が付与されます。課程博士が、世間一般でいう博士号を持っている人です。

グローバルな視点に立てば、課程博士こそが認められる博士号といって過言ではないでしょう。

2種類の博士号が存在する経緯

「論文博士」と「課程博士」の2種類があるのは、日本だけであると前述しました。その背景には、学校教育法第104条の存在があります。そこには、こう記載されています。

3 大学院を置く大学は、文部科学大臣の定めるところにより、大学院(専門職大学院を除く。)の課程を修了した者に対し修士又は博士の学位を、専門職大学院の課程を修了した者に対し文部科学大臣の定める学位を授与するものとする。
4 大学院を置く大学は、文部科学大臣の定めるところにより、前項の規定により博士の学位を授与された者と同等以上の学力があると認める者に対し、博士の学位を授与することができる。

この第4項にあたるのが、論文博士なのです。昭和の時代は経済的事情で大学院進学はかなわなかったものの、企業で研究を続け様々な偉業を成し遂げた研究者が数多くいました。そうした研究者に博士号を与える道が、論文博士だったと考えられます。

大学院の博士課程の卒業を表す言葉

大学院の博士課程を卒業するためには、博士号を取得する必要があります。しかしそれが実現しても、履歴書に博士課程卒業と記載することはありません。ここでは、大学院の博士課程の卒業を表す言葉について説明します。

論文博士のケース|「修了」

大学院の博士後期課程の単位と共に、論文審査をパスして博士号を取得し、に博士課程の修業年限以上在籍していると卒業要件が満たされます。その場合は「博士課程修了」となります。

課程博士のケース|「満期退学」もしくは「単位取得退学」

博士課程に進んだものの、博士号を取得できなかった場合は、「博士課程満期退学」もしくは「博士課程単位取得退学」となります。その違いは、次章で詳述します。

「満期退学」と「単位取得退学」の違い

「博士課程満期退学」と「博士課程単位取得退学」の違いは、以下の通りです。

  • 博士課程満期退学/博士課程に修業年限以上在籍したものの、論文審査を通過できずに退学すること
  • 博士課程単位取得退学/博士課程の必要単位は取得したものの、修業年限を待たずに中退すること

このように、「満期退学」と「単位取得退学」には明確な違いがあります。

「満期退学」「単位取得退学」に関する基礎知識

2017年5月に文部科学省の中央教育審議会大学分科会 大学院部会が発表した「大学院の現状を示す基本的なデータ」によると、大学院修士課程から博士課程への進学者は減少傾向にあり、2016年は9.6%でした。

そして博士課程進学者には「満期退学」や「単位取得退学」する人が少なくありません。ここでは、「満期退学」「単位取得退学」に関する基礎知識について説明します。

①大学院を「修了」する人数より圧倒的に多い

2018年8月に文部科学省が発表した「令和元年度学校基本調査」によると、平成31年3月の博士課程修了者は15,556名でした。実は大学院の博士課程を修了する人より、「満期退学」または「単位取得退学」する人の方が圧倒的に多いという現実があります。

②実質的に卒業だが最終学歴は修士号

「満期退学」や「単位取得退学」は、本来は最終学歴は修士課程修了になります。卒業要件を満たす単位を取得していても、博士号がとれなければ最終学歴は修士号のままなのです。

③経歴に書くのは問題ない

履歴書においては「修士課程修了」ではなく、「満期退学」または「単位取得退学」と記載するのが通例です。これは、特に就活において企業の採用担当者に、博士課程の必要単位は取得したと伝わりやすくなるからです。

④退学後に優れた論文を発表すれば博士号が与えられる例外もある

博士課程を「満期退学」または「単位取得退学」した人が、企業でも研究を続けるケースは数多くあります。その場合、退学後3年以内に学位論文の審査に通れば博士号を与えられるという、例外もあります。その期間を経過しても、論文博士になることは可能です。

⑤基本的に修了の証明書を発行可能

大学院生も就活において、卒業見込証明書の提出を求められることがあります。しかし博士課程の場合は、学位論文審査後にしか卒業見込み証明書を発行してもらえません。学位論文審査をパスした後は、いつでも博士課程修了証明書を発行してもらえます。

⑥海外だと博士課程を卒業したとみなされないこともある

博士課程を「満期退学」または「単位取得退学」した人の中には、海外で研究を続けるケースも珍しくありません。しかし「満期退学」または「単位取得退学」した人は、博士課程の卒業単位は取得していても博士号がないため、海外では卒業したとみなされない方が多いです。そうした現実を理解しておきましょう。

満期退学する人の就職事情

大学院の中には、博士課程を満期退学した証明書を発行するところも少なくありません。しかし、就活においては「退学」という文字にアレルギーを感じる採用担当者も少なくありません。

それでも就職を実現するためには、それまでの研究を生かせる業界・職種を選ぶ必要があります。ここでは、満期退学する人の就職事情について説明します。

文系|シンクタンクに限定されることが多い

文系の博士課程満期退学者の就職先は、シンクタンクに限定される傾向が強いです。シンクタンクとは、様々な分野の専門家を集めた研究機関をさし、 社会開発や政策決定といった課題や、企業の経営戦略決定のための調査・分析を行い、問題解決や将来を予測したうえで提言するという仕事をしています。

シンクタンクであれば、それまでの研究を生かして仕事をすることが可能です。 警察政策研究センターなどの行政系から、野村総合研究所などの民間まで様々です。

理系|引く手あまたで就職はしやすい

一方、理系の博士課程満期退学者の就職は引く手あまたです。理系の大学院生は研究室で専門的な研究に従事しているため、教授の伝手で就職先を探すことができます。また、研究所に出入りする採用担当者にスカウトされることも珍しくありません。

就職後も研究職に就く可能性が高いので、心配することはありません。

まとめ

今回は、満期退学とは何か、その種類と違いなどについて解説しました。

日本では大学院の博士課程進学者が減少傾向にありますが、世界で活躍するためには博士号を取得するにこしたことはありません。論文博士では世界で認めてもらえないことも多いのが現実です。日本での就活ではマイナスに作用しませんが、表記方法や証明書発行は慎重に行うことをおすすめします。

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